【プラモ】タミヤの「潜水艦 伊58後期型」

艦船

こんにちは、青木鳥です。以前製作したタミヤ1/700「潜水艦 伊58 後期型」をご紹介いたします。

潜水艦 伊58 1945年 回天6基搭載時

「伊58」は乙型潜水艦をベースとし、エンジンや船体などの品質を落とした戦時急造艦で、乙型改2と呼ばれる形式の艦です。「伊54」、「伊56」、「伊58」の3隻が建造されました。

「伊58」は、原爆の部品を輸送後、単艦本国に帰還する途中のアメリカ海軍の「重巡洋艦インディアナポリス」を撃沈したことで知られています。

「後期型」とありますが、これは人間魚雷「回天」を6基搭載できるように改造された後の姿、ということを意味しています。「伊58」は建造当初、司令塔の前に航空機格納筒、航空機楊収用のクレーンおよび航空機射出用カタパルトを装備していました。この状態では、艦尾側の4基のみ「回天」を搭載できました。

昭和20年(1945年)3月に、航空機格納筒、クレーンおよびカタパルトを撤去して「回天」をさらに2基搭載できるように改造されました。改造の結果、「回天」を艦首側に2基、艦尾側に4基、合計6基搭載できるようになりました。

キットの出来が素晴らしく、細かく彫刻が施された船体とごちゃごちゃした感じの司令塔が、模型として良い雰囲気を醸し出していると思います。

制作時のポイント

出来の良さが評判のキットだったので、あまり手を加えずに完成させました。ディテールアップ内容は以下です。

  1. 手すりの追加
  2. 25㎜連装機銃をナノドレッドの部品に変更
  3. 22号電探を修正
  4. 双眼鏡を交換
  5. マストを真鍮線で再現

まず、司令塔周りです。潜望鏡などは展張した状態の部品と格納した状態の部品が付属していました。浮上状態であることを考慮して、格納した状態のものを取り付けました。

対空機銃座周辺に手すりを追加。25㎜連装機銃(部品A4)はファインモールドのナノドレッドシリーズの部品に置き換えました。

艦橋前部に設置された22号電探(部品A9)ですが、ラッパ型のアンテナが横に2つ並んだ形とするため、水上艦用の22号電探を加工して作り直しました。キットの部品A9の基部に、ピットロードの新装備品セット3に付属している22号電探のラッパ型アンテナを2つ切り出して、横に並ぶ形に取り付けました。

そして、2基設置されている双眼鏡(部品A17)をピットロードの新装備品セット3の部品に置き換えました。その他の装備は、キットの部品をそのまま使用しました。

甲板周りにも手すりを追加しています。どのエッチングパーツを使用したかは、ちょっと忘れてしまいました。

甲板上に所狭しと搭載された「回天」は1基1部品(部品A22)で構成されています。丁寧に整形して塗り分けを行いました。

船体後部の信号線用マストは真鍮で作成。司令塔にはキットに付属のデカールを貼りました。

塗装は基本的にキットの指定に従いましたが、艦底色だけはクレオスのC81「あずき色」としました。前部甲板に貼るための味方識別用の白線のデカールが付属していましたが、説明書に「大戦末期にはないものが多い」と注意書きされていましたので、貼っていません。

「伊58潜帰投せり」を読んだ。

これを制作したのは、「伊58潜帰投せり」「深海の使者」を立て続けに読んだ後でした。

「伊58潜帰投せり」は、「伊58」の元艦長であった橋本以行氏でが詳しく描かれています。

「人間魚雷 回天」による戦いや、「重巡洋艦インディアナポリス」撃沈の様子などが詳しく述べられ、当時を知る貴重な情報ということができます。

本書では、「伊58」にとどまらず、真珠湾攻撃時の「特殊潜航艇 甲標的」の戦い、潜水艦による日独の連絡、アメリカ空母ワスプの撃沈、ネズミ輸送など、太平洋戦争当時の日本の潜水艦の戦い全般について語られています。当時の潜水艦について知りたいのであれば、必読の書といえると思います。

「伊58潜帰投せり」でも1章を割いて語られている、潜水艦によって日独の連絡手段を確立しようという試みについては、「深海の使者」に詳しく述べられています。

作者の吉村昭さんは、他に「戦艦武蔵」「零式戦闘機」「陸奥爆沈」「総員起こし」などを著わされており、徹底した取材で対象の実像を浮かび上がらせる手法には素晴らしいものがあります。

本書でも、戦時下において日本とドイツの連絡を潜水艦により成し遂げる、という試みの過酷さが、徹底した取材によって見事に描き出されており、こちらも感銘を受けました。

どちらも非常に興味深い内容です。当時の潜水艦について知るうえで、とても参考になる資料であると思いました。

ご覧いただき、ありがとうございました。タミヤの「伊58後期型」でした。

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