タミヤの1/700「軽巡洋艦 阿武隈」をキスカ撤収作戦時の状態で製作していきます。ファインモールドの14㎝砲を入手しましたので、製作を再開します。
14cm砲
ファインモールドのナノドレッドシリーズより「1/700 50口径14㎝単装砲」が発売されたので、購入してきました。
ランナーが4枚入っており、1ランナーで2基、1箱で8基の単装砲を組み立てることができます。
異なる形状の部品が組み込まれており、シールドの形状、砲身基部カバーなどを選んで組み立てることができます。
シールド | ナックルありとナックルなしから選んで組み立てる。 |
シールド後端の波除 | 「あり」の状態で成型されており、必要に応じて削り取る。 |
砲身基部カバー | ありとなしから選んで組み立てる。 |
阿武隈には、「ナックルありシールド」のものが搭載されていたようなので、ナックルありシールドで組み立ててみました。シールド後端の波除覆いについてですが、
一~四番砲 | シールド後端の波除覆い:あり |
五番砲 | 砲そのものが撤去されている |
六番、七番砲 | シールド後端の波除覆い:なし |
としました。以下の書籍を参考にしました。
ナックルありシールドの部品を6つ切り出し、そのうち2つは後端の波除覆いを削り落としました。
キットに付属する主砲はポリキャップで旋回できるようになっています。一方、ファインモールドの部品は、船体に取り付ける軸の部分がキットの部品と比べて短く、かつ細いです。この軸をキットの部品と同じ寸法にすれば、ポリキャップによる旋回機構がそのまま生かせます。
真鍮パイプを取り付けることで、これを実現することにしました。1.2mmの真鍮パイプを、キットの部品の取り付け部分と同じ長さになるように切り出しました。また、パイプの穴の径を、1mmのドリルで広げることで、ファインモールドの部品を取り付けることができるようになりました。
後は、箱に描かれている組み立て説明図に従って砲身基部カバーありの状態に組み立てました。
魚雷発射管
キットは船体中央後ろよりに92式61cm4連装魚雷発射管を2基搭載した状態を再現しています。魚雷発射管室には、予備魚雷も再現されています。
魚雷発射管室をクレオスC32「軍艦色(2)」で塗装した後、予備魚雷をタミヤエナメル塗料X11「クロームシルバー」とX18「セミグロスブラック」で筆塗りしました。
魚雷発射管はピットロードの「新艦船装備品セット4」のものを使用しました。発射管と魚雷が別部品となっています。魚雷を塗り分けてから発射管に接着しました。
組み立てると予備魚雷は見えなくなってしまいます。魚雷発射管も側面が見えるだけです。ですので、ここまでする必要はなかったのですが・・・
楽しめたので良しとします。
甲板の塗装
魚雷発射管室の天井をあらかじめクレオスC32「軍艦色(2)」で塗装しておき、船体に甲板を接着しました。
後部の甲板の前端にあるラッタルは、後ほどエッチングパーツに置き換えるため、削り落としておきました。ラッタルを削り落とした後、前部甲板を接着しました。
航空作業甲板を組み立て、継ぎ目を整形しました。ガイアノーツの瞬間接着パテで隙間を埋めてやすりで削りました。サーフェイサーを塗ってみましたが、彫刻のシャープさが失われる感じがしたので、シンナーでふき取っておきました。
航空作業甲板の前端にリノリウム押さえを再現するための伸ばしランナーを接着しました。
魚雷発射管をマスキングテープで保護して塗装準備完了。
クレオスSC06「リノリウム甲板色」で塗装し始めて、後部甲板の絡車を削り落としておくのを忘れていたことに気が付きました。このままでもよいですが、別売り部品に交換する予定です。
改めて、クレオスSC06「リノリウム甲板色」で塗装。艦底部分はクレオスC81「あずき色」にフラットベースを混ぜて塗装しました。
セルター甲板も忘れずに塗装しておきました。
甲板上のリノリウム以外の部分にクレオスC32「軍艦色(2)」を筆塗りしました。
セルター甲板も同様に筆塗りしました。甲板のふちの軍艦色が薄いですね。手すりを付けた後で再度塗装します。
魚雷発射管室付近の船体中心部分に、大きな長方形の箱があります。この箱の側面は、本来は壁ではなく、骨組みのみのようですので、キットのランナーから伸ばしランナーを作って貼ってみました。天井にはクレオスC32「軍艦色(2)」を筆塗りしました。
後で海面ベースを製作する予定なので、スタイロフォームをカット。阿武隈の船体を乗せる部分に印をつけておきました。
甲板のリノリウム部分をタミヤウェザリングカラー「ダークブラウン」で汚しを加えた後、艦底色をマスキングテープで保護しました。
リノリウム押さえ金具
リノリウム押さえを金色の色鉛筆で塗りました。
「国後」製作時は「スタビロ」という水彩色鉛筆を使用しましたが、色の乗りが今一つ良くありませんでした。そこで、今回は「カリスマカラー」という油性色鉛筆を使用しました。
「カリスマカラー」は、以前は「プリズマカラー」という名称だったようです。
塗り方ですが、まずリノリウム押さえ金具の横に、少し隙間をあけてマスキングテープを貼ります。両側に貼る必要はなく、片側だけでもよいです。リノリウム押さえ金具の近くに構造物がある場合は、必要におじて構造物もマスキングします。
マスキングテープが貼られていない側にはみ出さないように芯をこすり付けて塗っていきます。リノリウム押さえ金具に対して直角方向に芯をこすりつけると色が乗りやすいように感じました。
塗ったうえにマスキングテープを貼ると、色が取れてしまうと思います。艦首→艦尾のように、リノリウム押さえ金具の並びに従って順番に塗っていくとよいと思います。
はみ出してしまった部分や彫刻によって削られた芯のくずは、エナメル溶剤を含ませた面相筆でふき取るようにして、取り除きます。
「スタビロ」の時よりしっかりと色が乗ったように思います。ただし、「スタビロ」が劣っている、ということではなく、1/700の艦船模型のリノリウム押さえ金具を塗るには「カリスマカラー」の方が向いている、ということだと思います。
構造物が入り組んだ部分は、色鉛筆の芯の形を整えて塗るとよいです。
見えるか見えないかを狙ったのですが・・・塗り方にもう一工夫必要ですね。
ところで、この茶色と金色の組み合わせ、ミルクチョコレートのパッケージみたいではないですか?
(参考:【プラモ】「海防艦 国後」の制作(3) リノリウム押さえ金具)
つづく
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