ニードルフェルトでプラモデルのクルマに乗せるキャラクターを製作しています。
前回はお化けのドライバーと黒ネコを製作しました。

しかし、黒ネコのポーズをエジプト座りとしてしまったため、クルマに乗せることが出来なくなってしまいました。
そこで、新たにネコ人間の黒ネコを製作して助手席に乗せました。また、後部座席にはかぼちゃを乗せました。


背景を用意して写真も撮影。ハロウィン・ドライブに出発!

以下で製作過程を説明します。
助手席の黒ネコの製作
ネコ人間の黒ネコを製作
2匹目の黒ネコの製作を開始。途中までは1匹目と同じように製作しました。


(詳しくは以下をご参照ください。新しいタブで開きます。)
ここからネコ人間を目指します。まず紫のちゃんちゃんこを着せてみることにしました。板状のフェルトを用意して、現物合わせで長方形の板を切り出しました。


これを胴体に巻き付け、ニードルでつついて固定。下の方はあまりつつかず、ちゃんちゃんこの裾を表現しました。

腕はフェルトを棒状にまとめて作成。指で棒状にフェルトを丸め、端から軸方向につついた後、軸の側面を先端に向かって斜めにつついて固めました。

左右の腕を作成して胴体の両側に取り付けました。


足はネコらしさを表現するため、太めに製作することにしました。腕より多めにフェルトを取り、ニードルでつついて形を整えてから足の位置に取り付けました。


ここで試しに「ビートル・カブリオレ」の助手席に乗せてみました。右腕がドアの内張と干渉していたので、肘の部分で曲げたらうまく収まりました。


足の先につま先を取り付けます。腕と同様にフェルトを細長く丸めたものを用意して取り付けました。


ネコなのでしっぽも必要ですね。取り回しをどうするか少し悩みました。体の左側に回しつつ、先端を上に曲げた状態としてみました。


最後にヒゲを取り付けて、黒ネコの完成です。先に製作したエジプト座りの黒ネコにもヒゲを取り付けました。

ヒゲには「伸ばしランナー」を利用しました。ここで、「伸ばしランナー」について説明します。
「伸ばしランナー」でネコのヒゲを製作
「伸ばしランナー」とは、文字通り「ランナー」を伸ばしたものです。

ちなみに「ランナー」とは、プラモデルの部品が配置された枠のことです。

部品を取り外して余った枠からプラスチックの棒を切り出し、キャンドルなどの火であぶって柔らかくしてから引っ張って伸ばして作ります。

あぶり具合や引っ張り具合で様々な細さの棒を作ることが出来ます。直径0.1㎜ぐらいの細い棒も安価に量産出来て、とても重宝しています。
この「伸ばしランナー」が「とてもネコのヒゲっぽいなぁ」と思っていたら、以下の書籍に同様の方法でネコのヒゲを製作する手法が紹介されていました。
「羊毛フェルトから生まれる猫の肖像 「わくねこ」の作り方」

| 著者 | Sachi |
| 発行者 | 青柳 昌行 |
| 発行所 | 株式会社 KADOKAWA |
| ISBN | 978-4-04-605418-0 |
この書籍では、タミヤのプラ材「3㎜丸棒」をキャンドルであぶって柔らかくし、両側を引っ張って細長く伸ばしてヒゲを作る方法が紹介されていました。

プラスチックの棒を熱で柔らかくし、引っ張って細く伸ばす方法は、まさに「伸ばしランナー」の作り方そのものです。
タミヤのプラ材では、白いヒゲが作れます。黒いヒゲを作る場合は、黒い部品が入ったプラモデルを用意するとよいです。黒い部品は、例えばクルマのプラモデルに入っていることが多いです。(必ず入っているわけではないのでご注意ください。)


材質がポリスチレンのものを選んで使用します。
という訳で、黒い「伸ばしランナー」を作りました。あとでちょうどよい太さのものを選ぶため、3本ほど作っておきました。

デザインナイフを使って、ちょうどよい太さの部分でカットしました。そして、スティッククッションやすり(100円ショップで購入)で先端を削りました。

スティッククッションやすりを2本使用。伸ばしランナーを指で転がしながら、片方のやすりを動かして削りました。

削り終えたら、ネコのサイズに合わせてカット。これを繰り返してヒゲを何本か作りました。

余分に作っておき、上手くできたものを選んで黒ネコに接着。ニードルでヒゲを取り付ける場所に穴を開けておくとよいです。

接着にはセメダイン「ハイグレード模型用」を使用しました。

接着剤が固まった後、ピンセットで少しづつ曲げてネコのヒゲの垂れた雰囲気を出してみました。

ところで、今回の製作では、キャンドルの代わりに「ポケトーチ」というものを使用しました。

「ポケトーチ」はハンディタイプの電子着火式バーナーです。使い捨てライターを燃料としており、手軽に使うことが出来ます。
「ポケトーチ」を使用することで、点火タイミングのコントロールがしやすく、また柔らかくする部分を狙いやすいと感じています。

「伸ばしランナー」を製作する場合は、以下に注意して安全に作業してください。
- 周りに燃えやすいものがないことを確認する。
- 火傷や火事に注意する。
- プラスチックの棒に火が付かないようにする。
- 十分に換気を行う。
- いざというときのために水など消火に使えるものを用意しておく。
- 材質がポリスチレンのものを使用し、他のものは使用しないようにする。
残った「伸ばしランナー」を保管するため、A4のコピー用紙を半分に折り、片方の端をセロファンテープで固定したものを用意。これに合わせて「伸ばしランナー」をカットしました。

別のものの製作で使用するため、この中に挟んで保管しています。

さらに手を加えた。
かぼちゃを製作
お化けと黒ネコだけではリアシートが寂しいので、かぼちゃを追加することにしました。
かぼちゃの本体にはオレンジのフェルトを使用しました。

3つ分のフェルトを用意して、ニードルでつついて角が取れた円筒形に固めました。

これをかぼちゃの形とするため、細長いフェルトを縦に並べて取り付けていきます。片端を固定した後・・・


反対側も固定し、間の部分をつついて馴染ませていきました。これを繰り返して、縦じまが並んだかぼちゃの形状を再現しました。


次にヘタを取り付けます。ウグイス色のフェルトを筒状にしたものを用意して、本体上部に取り付けました。ヘタは上からつぶすように取り付けて、それらしく形を整えました。


かぼちゃが3つ出来上がりました。3つ作るのは少し手間がかかりました。

このうち一つに「ジャック・オー・ランタン」の顔を追加しました。
まず黒いフェルトで目と口を追加。オレンジのフェルトも使用して輪郭を整えました。

そして口の輪郭をギザギザにするため、黄色いフェルトを少量丸めたものを追加しました。

これで「ビートル・カブリオレ」のリアシートも埋まりました。

おばけのドライバーに手を加えた
お化けのドライバーですが、一旦は完成としましたが、シートへの座りが若干悪いです。そこで、脚(?)を拡張することにしました。
白いフェルトを適量用意して、脚が大きくなるように追加しました。


これまで単独では転がってしまっていたのですが、安定して座らせられるようになりました。
そして、「ビートル・カブリオレ」に乗せた時の安定感も良くなりました。

背景を用意して撮影
これで、作りたいものが一通り出来上がりました。

「ビートル・カブリオレ」のリアシートはティッシュペーパーでかさ上げして、カボチャが見えやすいようにアレンジしました。

そして、ハロウィン模様の布や100円ショップで売っていた木などを背景に撮影しました。

今回作ったキャラクターフィギュアはフェルトで柔らかいので、プラモのクルマにもフィットさせやすかったです。

また、ニードルフェルトでは、予想以上に細かいものを作ることが出来ました。

羊毛フェルトがいろいろなものの形に変化していくのがとても面白かったです。
いずれ、別のものも作ってみたいと思いました。
おまけ:猫の大福さん(48)猫のヒゲって何色なんだろう?
ニードルフェルトの黒ネコさん、ヒゲが付くとよりキュートですね!

ウム!実はヒゲを作るときに、色で少し悩んだのだ。
そうなんですか。黒ネコのヒゲは黒で良いんじゃないですか?
ところが、白いヒゲの黒ネコもいるようなのだ。
ホェー、そうなんですか。ちなみに大福さんのヒゲは白ですね。

本当にそう思うのかな?
どう見ても白じゃないかと思いますが、何か問題でも?

もっとよく見てごらん。
オェ、1本黒いのが混ざっている!

気が付いたようだね。
ハイ。ネコちゃんのヒゲ、奥が深いですね・・・


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