【プラモ】「海防艦 国後」の製作(3) リノリウム押さえ金具

艦船

ピットロード1/700「占守型海防艦」を2箱用意して「国後」他4隻を製作しています。今回は4つの方法でリノリウム押さえ金具を表現してみました。

準備

今回試したのは、以下の方法です。

  1. 塗装で表現する。
  2. エッチングパーツを使ってみる。
  3. 伸ばしランナーを張ってみる。
  4. 金色の色鉛筆で塗ってみる。

上記の2番と3番では、別の部品を貼り付けることになります。そこで、既存のリノリウム押さえモールドを跡が残る程度に削りました。そして、クレオスSC06「リノリウム色」を塗装しました。

(これらの作業は、前回の記事の最後に実施しました。)

リノリウム押さえ金具 塗装

まずは、塗装による再現を試してみました。リノリウム押さえ金具のモールドを残してマスキングシートを貼っていきます。モールドの間隔が2.3㎜ぐらいでしたので、1㎜と2㎜幅のマスキングシートを貼りました。クレオスのMr.細切りマスキングシートを使いました。

先に1㎜のシートをモールドの片側に貼っていき、反対側に2㎜のシートを貼っていくとスムーズにマスキングできるのではないかと思います。

先にモールドの片側に1㎜のマスキングシートを貼り・・・
反対側に2㎜のマスキングシートを貼る。

次にエアブラシでクレオスMr.カラーC9「ゴールド」を塗装しました。

甲板上の構造物には、一部筆塗りでクレオスMr.カラーC32「軍艦色(2)」を塗りました。マスキングシートをはがしてしばらく乾かします。

これらの作業はスムーズに行うことが出来ました。

リノリウム押さえ金具 エッチングパーツ

エッチングパーツとしては、今回は海魂のものを使ってみることにします。ところで、「海魂」って、なんて読むのでしょうか?「かいこん」?「うみたましい」?

錆びていますが、以前オークションで入手した中古品のためと思われます。幅0.2mmぐらいの細い部品が並んでいます。また、金具が十字型に交差している部分を再現するための部品も含まれています。よく見ると、小さなくぼみが等間隔で刻まれています。金具を固定するビスを再現してあるようです。表裏に透明のシートが貼られており、繊細な部品を不用意に曲げてしまったりしないように保護されています。

リノリウム押さえ金具としてエッチングパーツを貼るのは、今回が初めてです。こんな繊細なものをうまく貼れるのだろうか?頑張ってみます。

まずは切り出してみました。アルミブロックを下敷きとして、デバイダーで長さを測り、チタンコートのカッターナイフでカットしました。

アルミブロック
デバイダー
チタンコートのカッターナイフ

ここまでは上手くいったのですが、透明な保護フィルムをはがすときに曲がってしまいました。ピンセットで挟むときも気を付けないと曲がります。予想通り難易度が高いです。

もったいないので、なるべくまっすぐに伸ばして、短い部分に貼り付けてみました。

接着には、セメダインの「ハイグレード模型用」を使用。瞬間接着剤と違って位置決めがしやすいです。

作業を行って見て分かったことですが、海魂のリノリウム押さえ金具のエッチングパーツを扱う場合のコツは、裏側の保護ビニールをはがしてから扱うとよい、ということです。

今回使用したエッチングパーツは、表裏両面に保護用のビニールが貼ってあります。

最初は、表側のビニールをはがしてから、エッチングパーツを切り出していました。しかし、エッチングパーツはどうやら裏側のビニールにより強力にくっついており、ピンセットを使ってはがすときに大きく曲がってしまうのです。

そこで、エッチングパーツが周りの枠にくっついているうちに裏側のビニールをはがしてみました。エッチングパーツは枠に固定されているので、ビニールをきれいにはがすことができました。表側のビニールにはほとんどくっついていない状態でしたので、あまり曲げずに切り出すことができました。

ビニールをはがすときは、ナイフで切れ込みを入れて、使用する部分のビニールだけをはがすようにしました。

海魂のリノリウム押さえ金具
海魂のリノリウム押さえ金具

このエッチングパーツは、表面に彫刻があります。そのせいで、上下方向には非常に曲がりやすいようです。ただし、横方向に曲がっていなければ、甲板上に置いた後、上から押さえることで、まっすぐに伸ばすことができました。

慎重に作業を行い、何とか貼り終えることができました。

ピットロードの占守型海防艦

写真ではわかりづらいですが、甲板上の構造物には、一部筆塗りで「軍艦色(2)」を塗りました。

リノリウム押え金具のエッチングパーツを貼り付ける作業は、かなり苦労しました。

リノリウム押さえ金具 伸ばしランナー

雑誌の記事を参考に、タミヤの戦車模型のダークイエローのランナーをライターであぶって、伸ばしランナーを作りました。太さをそろえるため、たくさん作っておきました。

伸ばしランナーを貼り付けてみました。ノギスで測って、0.1mmぐらいのものを選びました。接着にはタミヤのリモネン系を使ってみました。

予想以上に簡単でした。テレビを見ながら、1時間もかからずに貼り終えることができました。デザインナイフで簡単にカットすることができるので、長さは現物合わせで大丈夫でした。

伸ばしランナーなので、基本的に余分なお金がかかっておらず、作業性もよい。仕上がりも十分に思えます。

リノリウム押さえ金具 色鉛筆

マスキングなしで塗ってみようと思いましたが、思ったより色が乗らない。頑張って色を乗せようとすると、ほかの部分にも色がついてしまう、など、簡単にはいかないようです。そこで、片側だけマスキングしてトライしてみました。

ちょっと見づらいですが、予想以上にスムーズに進みました。マスキングシートを彫刻からほんのわずかに離して貼ると、塗りやすいと感じました。色鉛筆ですが、下の写真のようにナイフで芯の形を整えておくとよいです。

この後の処理について

リノリウム甲板の処理ができましたので、舷側への手すりなどの取り付け、甲板への軍艦色の塗装などを行うことになります。塗装、伸ばしランナーのケースでは、マスキングテープを貼ってから手すりなどの取り付け、軍艦色の塗装を行うことにします。

一方、今回エッチングパーツを、セメダインの「ハイグレード模型用」で接着しました。瞬間接着剤と比べて位置決めはしやすかったですが、接着力はそれほど強くないように感じました。そのため、上にマスキングテープを貼ると、はがすときにエッチングパーツも取れてしまいそうです。

また、色鉛筆で処理したものも、マスキングテープではがれてしまいそうです。頑張って筆塗りで処理することにします。

リノリウム押さえ金具のまとめ

今回、4種類の方法でリノリウム押さえ金具を再現してみました。

  1. 塗装で表現する。
  2. エッチングパーツを使ってみる。
  3. 伸ばしランナーを張ってみる。
  4. 金色の色鉛筆で塗ってみる。

1の塗装ですが、マスキングに手間がかかる、太さのコントロールが若干難しい、という点が難点ですが、くっきりとしたゴールドで仕上がりました。

ピットロードの占守型海防艦

2のエッチングパーツですが、取り扱いの難易度が高いのが難点です。うまく扱えば、太さもそろい、くっきりとしたゴールドのラインが甲板上に並ぶことになるので、非常に見栄えが良くなると思います。瞬間接着剤でがっちり固定できれば、マスキングテープも貼れると思います。

ピットロードの占守型海防艦

3の伸ばしランナーですが、作業は非常に簡単でした。また、ダークイエローのランナーがあれば、材料は無料で手に入るので、経済的な利点が大きいです。ただし、塗装やエッチングパーツと比べると、見栄えが劣るように感じるかもしれません。

ピットロードの占守型海防艦

4の色鉛筆ですが、マスキングテープを併用すれば、簡単に作業できました。マスキングテープを貼る位置も、塗装ほどシビアでなく、片方だけで良いので、それほど難しくはないと思います。ただし、リノリウム押さえ金具の彫刻がクッキリしていないと、この方法は使えないと思います。彫刻がクッキリしているピットロードのキットなどでは有効と思いました。

また、色鉛筆ですので、マスキングテープを貼るとはがれてしまいそうです。また、保護のために上からつや消しクリアを塗ると、質感が変わってしまいそうです。この辺りが難点かもしれません。

ピットロードの占守型海防艦

まとめるとこんな感じです。

方法利点難点
塗装比較的簡単マスキングの手間がかかる。幅のコントロールが難しい。
エッチングパーツ見栄えが良い。難易度が高い。パーツが高価。
伸ばしランナー簡単金色でないので、比べると見劣りがする?
色鉛筆簡単彫刻がクッキリしていないと使えない。塗った後はマスキングできない。

つづく

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