先日、岐阜県各務原市の「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」、通称「空宙博(そらはく)」で「三式戦闘機 飛燕」を見てきました。
そして、お土産にミュージアムショップで1/72の「飛燕」を購入しました。
(2024年1月の時点では、売り切れてしまっていました。パッケージと缶バッジ以外はファインモールドの1/72「飛燕二型改(ファストバック型)」と同じです。)
博物館の「飛燕」を紹介しつつ、この「飛燕」を製作しようと思います。今回は、博物館の「飛燕」とキットの内容を紹介します。
博物館の「飛燕」
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」に展示してある「飛燕」は、「飛燕Ⅱ型改 試作17号機」です。2015年まで南九州市の「知覧特攻平和会館」で保存、展示されていましたが、2015年より川崎重工で分解、レストアされました。
その詳細は書籍などに譲るとして、ここでは実物を撮影してきた写真を紹介します。
博物館のエントランスで、写真の撮影とブログへの掲載について許可を得ました。ブログへの掲載については、個人の趣味的なものであればOKということでした。
【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館公式ウェブサイト (sorahaku.net)
2017年5月
「飛燕」の修復は2015年から16年にかけて実施され、一度は完成して神戸で展示されました。その後分解されて「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」に運ばれ、2018年3月まで分解された状態で展示されました。
2017年5月にこの分解された状態の「飛燕」を見に行きました。
主翼や機体側面に日の丸とアメリカ軍のマークが交互に投影される展示方法が印象的でした。アメリカ軍のマークが映し出されるのは、戦後、アメリカに接収されたことを表しているのでしょうね。
主翼は胴体から取り外された状態で、尾翼やその動翼部分も外されていました。
動翼が外されていることで、普段は見えない尾翼内部の様子を撮影することが出来ました。
胴体側の尾翼の付け根もバッチリ・・・
いや、むしろ見たいのは、尾脚柱の付け根か・・・でも、これより下からは撮れませんでした。
機首からはエンジン、プロペラが取り外されていて、エンジンの代わりとなるダミーのフレームとプロペラ軸が組み込まれていました。
プロペラを外すと、こんな形なのですね・・・
プロペラはスピンナーを外した状態で展示されていました。中央部が赤いのは、オリジナルのカラーなのだろうか?
スピンナーも単独で展示されていました。横の切り欠きから小動物が出入りしそうな形状・・・
機首から外されたエンジン(ハ140発動機)は単体で展示されていました。
何かの役に立つかもしれないと思い、あまり資料集などに掲載されていなさそうな下側も撮影しました。いつかこの写真が役立つ時が、きっと来るはず・・・
また、スーパーチャージャーも取り外された状態で展示されていました。まるでアンモナイトの化石のようですね。
冷却系も機体から外された状態で展示されていました。手前の黒いやつが水・滑油冷却器(復元品)、その後ろには冷却器カバーが置いてありました。
冷却器カバーを構成する金属板の薄さが印象的でした。プラモ製作時に再現するとリアルになりそうなポイントですね。
有機ガラス、いわゆるアクリル製のキャノピーは復元されたもので、とてもきれいでした。当時のものは、さすがに残っていないのでしょうね。
コックピットの計器盤は取り外された状態で、アクリルケースに収められて展示されていました。繊細かつ貴重な品ですね。
取り外された主翼を立てて展示してあったので、組み立てられたら見づらくなりそうな主脚収容部を、あまりのぞき込まずに撮影することが出来ました。
主脚柱も取り外されており・・・
主脚のカバーはきれいに並べて置いてありました。
もう1枚のカバーを裏返しておいてくれているのは、モデラ―にやさしい配慮かもしれないですね。
片隅にさりげなく置いてあったドロップタンクには「木製」の文字が・・・
組み立てられたら見えなくなってしまう部分も多く、見ごたえのある展示でした。
2023年4月
その後、なかなか機会が得られなかったのですが、ついに完成状態の「飛燕」を見ることが出来ました。
展示室に入ると、少し暗めの室内で「飛燕」がスポットライトを浴びていて、とても印象的でした。
実機はさすがに迫力が違いますね!
機体左側に回り込むと、主翼に取り付けられたピトー管、12.7㎜機銃、着陸灯などを間近に見ることが出来ました。
特に着陸灯は、プラモで再現すると見栄えが良くなりそうですね。また、機銃口が主翼前端の上面側に開口している点も再現したいポイントですね。
左主翼の先には「飛燕Ⅱ型改」の肝ともいえる「ハ140発動機」が展示されていました。
周りに十分なスペースが確保されているので、いろいろな角度から観察することが出来ました。
下側には鏡が設置されていて、発動機(エンジン)の下側もバッチリ見ることが出来ました。また、スーパーチャージャーも並べて展示されていました。
そして、アクリルケースの中にはバルブ、ピストン、スーパーチャージャーや工具箱などが・・・
さらに、エンジンのシリンダヘッドと思われる部品やカムなどが・・・
さらにさらに、タイヤやガスケットのような部品が展示されていました。
また、分解されていた時にも見かけた水・滑油冷却器の復元品も展示されていました。程よいヤレ具合で、いい感じですね。
真後ろからは、左右に伸びた主翼の上反角が感じられます。機首から眺めた時に感じた力強さとは打って変わって優雅なたたずまいですね。
また、天井からは「十二試艦上戦闘機」、いわゆる「零戦」の試作機が吊り下げられて展示されていました。これは実機ではなく、実寸大模型ということでした。
斜め後ろからは、流線型の主翼と少し猫背な感じの機体を確認することが出来ます。
ここで、後ろを振り向くと、あの木製のドロップタンクがケースに入ってひっそりと置かれていました。
(写真の撮影が失敗して、展示ケースに人が写り込んでしまいました。代わりに、分解展示されていた時の写真も載せておきます。)
おそらく色を塗り替えてはいないと思いますが、展示スペースの照明などの加減で異なる色合いに見えるところが面白いですね。
胴体側面には、一定間隔で日の丸が投影されたり、何も投影されなかったりしていました。ただし、アメリカ軍のマークは投影されませんでした。
分解、整備が行われ、アメリカ軍に接収される前の姿に戻った、というメッセージかもしれませんね。
展示スペースには2階部分があり、上から「飛燕」の姿を眺めることもできます。
エンジンを斜め上から見たところも撮影しておきました。きっといつか何かの役に立つはず・・・
ちなみに1階部分には、計器盤も個別に展示されていました。黒いのが「飛燕」、緑っぽいのは「零戦52型」の計器盤です。
ただし、これは「飛燕Ⅰ型乙」の計器盤で、展示されている「飛燕Ⅱ型改」のものとは異なります。展示されている機体には、本来の計器盤が取り付けられているのでしょう。
そしてさらに、パイロットスーツも展示されていたので、撮影しました。これで「飛燕」のプラモにパイロットを乗せるときも安心です。
模型でしか見たことがなかった機体を、たっぷりと堪能してきました。
ミュージアムショップの「飛燕」
「飛燕」のプラモを購入
ミュージアムショップで「飛燕」のプラモを購入しました。
このキットは、ファインモールドの1/72「飛燕二型改(ファストバック型)」と博物館オリジナルの缶バッジをセットにしたものです。
缶バッジは3種類あるようです。今回購入したものには、セピアカラーの写真をあしらったものが入っていました。
パーツやデカールは一般販売されているファインモールドの1/72「飛燕二型改(ファストバック型)」のものと同じでした。
エェ、知っていますとも。普通に売ってるやつを買った方が安いことは分かっているのですが・・・ミーハーな私は、缶バッジ入りを買ってしまいました。
次回より、このキットを用いて、博物館で見てきた「飛燕」の印象を再現してみたいと思います。果たして、博物館で見た無塗装の機体のイメージを上手く再現できるのか?
ディテールアップパーツも購入
後日、模型店でピトー管とシートベルトのパーツを購入してきました。
どちらもファインモールドの製品です。
真鍮製のピトー管は、キットのピトー管を切り取って、穴を開けて差し込むだけで精密感がアップするので、便利です。ただし、値が張るのが難点です。
また、ナノアビエーションシリーズのシートベルトはプラスチック製ですが、曲げ加工ができます。使用したことがあるのですが、加工、接着ともエッチングパーツのシートベルトより扱いやすく便利でした。
ピトー管、シートベルトについては、以下もご参照ください。(新しいタブで開きます。)
次回より、これらを使って、軽くディテールアップしつつ「飛燕」を製作します。
続く
おまけ:子猫の大福さん(17) 溶ける糸
去勢手術は無事に終わり、エリザベスカラーもいらなくなって、今は元気いっぱいなのだ!
手術は無事に終わったのですが・・・
難しそうな顔をして、どうしたんだい、赤トマト君。
「溶ける糸」というのがあるらしいですね・・・
ウム、そうだね。(ムムム、雲行きが怪しくなってきたぞ)
抜糸をしなくてもよいらしいのですが・・・
なんでも、体内に吸収されてしまう、ということらしいのだ。
なんで、「溶ける糸」で手術してもらわなかったのですか???
いや、それは、少し安かったから・・・ではなくて・・・
なんですって?
「溶ける糸」を使った場合、まれにアレルギーを起こすことがあるらしいので、避けたのだ!
本当ですか???
ウム!それに、傷口をなめて化膿してしまってもいけないしね。
まぁ、そういうことにしておきますか・・・
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