以前、タミヤ1/48の「フォッケウルフFw190F-8/9爆弾搭載セット」を製作しました。久しぶりに引っ張り出してきましたが、いろいろとアレな部分があるので、手直しを行いました。
タミヤの「フォッケウルフFw190F-8/9型」を紹介しつつ、どんな修正を行ったか説明します。
タミヤのフォッケウルフFw190F-8/9型
ご存じの方も多いと思いますが、Fw190F型は、戦闘機型であるFw190A型をベースとして対地攻撃能力を強化した襲撃機型です。F8型はA型の中でも最も多く生産されたA8型をベースとして開発されました。F9型はF8型のエンジン、プロペラなどを換装した改良型です。
タミヤのキットは、プロペラを2種類付属させることで、F8型とF9型のどちらかを選んで組み立てることができます。また、オプション部品が多数含まれ、搭載兵器や仕様を選択できます。
機体形式 | プロペラによりF8型またはF9型を選択可能 |
キャノピー | 通常型またはガーラント・ハウベの2種類から選択 |
主翼外面装備 | SC50 50kg爆弾またはパンツァー・ブリッツ80mmロケット弾の2種類から選択 |
胴体下装備 | SC250 250kg爆弾、AB250爆弾コンテナ、300l増槽の3種類から選択 |
そして、爆弾搭載の情景を簡単に製作することができるように、以下が付属しています。
- 爆弾搭載台車
- 整備兵2体
- 車輪止め
- ドラム缶
作りやすく、楽しめるキットです。
以前製作したときの状態
塗装図Aの「Fw190 F-9 第1地上襲撃航空団 第Ⅱ飛行隊所属機」として製作しました。機首の黄色帯はデカールが付属していますが、うまく貼れる自信がなかったので、塗装で処理しました。
機体の塗装は以下を使用しました。また、暗いグレーで墨入れ、ウォッシングを施しました。
上面グレー | クレオスC37 | RLM75グレーバイオレット |
上面グリーン | クレオスC123 | RLM83オリーブグリーン |
外面ライトブルー | クレオスC117 | RLM76ライトブルー |
機首及び尾翼イエロー | クレオスC113 | RLM04イエロー |
プロペラ、スピナー | クレオスC18 | RLM70ブラックグリーン |
F9型はF型の中でも最後に量産されたタイプですので、大戦終盤のイメージで、ロケット弾と爆弾コンテナを搭載した状態としてみました。
ピトー管と胴体下面のループアンテナはファインモールドのディテールアップパーツに交換しました。金属製ですので、プライマーを塗ってから塗装しました。
また、操縦席にはシートベルトを取り付けました。
シートベルトには、ファインモールドのナノアビエーションシリーズのものを使用しました。プラスチック製ですが、曲げても折れにくく、プラスチック用接着剤で接着できるので、かなり便利でした。
シートにシートベルトを接着してから筆塗りしましたが、思ったより苦労せずに塗り分けることができました。
主翼付け根の20mm機関砲は真鍮パイプに交換しました。キットのパーツをきれいに加工して、先端に穴をあけるより、真鍮パイプに交換した方が簡単に処理できるのではないかと思います。
せっかくの爆弾搭載セットなので、地面ベースも製作しました。作り方は以下の通りです。
- 木の飾り台に木工ボンドを塗る。
- 木工ボンドが乾かないうちに、100円ショップで購入した木粉ねんどを塗る。
- 鉄道模型用のバラストを少しばらまく。
- 地面っぽく色を塗る。
- 鉄道模型用のシーナリーパウダーをばらまく。
ドラム缶をどうするか迷いました。この状況で、果たして機体の近くにドラム缶が置いてあるのだろうか?と疑問に思ったのです。
しかし、せっかく付属しているし、いい雰囲気のドラム缶だったので、使わないのも勿体ない気がしました。邪魔にならないように端っこに接着しました。
いろいろアレな部分が。。。
すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、デカールのシルバリングがひどい。特に主翼上面のデカールは、ほとんど浮いているのではないかというぐらいひどい状態です。
ちょっとこれは人に見せられる状態ではないですね。お恥ずかしい限りです。
また、機体左下に取り付けた昇降用ステップがぐらぐらになっていて、触ったら取れてしまいました。
他にも気になる部分や手を加えたい部分がたくさんあります。まとめると、
- デカールのシルバリングがひどい。
- 翼端灯を塗ってない。
- 昇降用ステップが取れてしまった。
- 空中線が張られていない。
- 機体側面の排気汚れがない。
- 整備兵の塗装が不十分。
- 全体的に汚れが足りず、きれいすぎる。
ひとつづつ対処していくことにします。
修正します!
デカールのシルバリングは、ニスの部分にデザインナイフで切れ込みを入れて、クレオスのマークセッターをしみこませることで対処しました。さらに、国籍マークの内側のグリーンの部分に、クレオスC123「RLM83オリーブグリーン」を薄く溶いたものを筆塗りしました。
筆に水を含ませて表面を撫で、ほこりも取り除いておきました。
翼端灯は、シルバーまでは塗ってありますが、ここで力尽きたのか、クリアーレッドとクリアグリーンが塗ってありません。面相筆で塗っておきました。
ガイアカラーエナメル塗料の蛍光色を塗っておきましたので、ブラックライトを当てると光って見えます。(写真だと、翼端もピンクっぽくなってしまっていて、実際に見たのと違う感じになってしまいました。)
取れてしまった昇降用ステップを接着しました。
アンテナの空中線が張られていませんので、黒いランナーから伸ばしランナーを作り、追加しておきました。垂直尾翼手前の胴体に接続されている部分には、0.3mmのドリルで穴をあけて取り付けています。
伸ばしランナーは古典的な手法ですが、ニッパーやナイフで簡単にカットできるし、接着も楽です。ただし、火を使うので、火事にならないように注意する必要があります。
胴体側面には、フォッケウルフの特徴ともいえる排気ガスの汚れを追加しました。タミヤの「ウェザリングマスターBセット」の「スス」をこすりつけてみました。
整備兵の皆さんの服装がきれいすぎなので、塗り足してみることにしました。
整備兵の顔と手にタミヤスミ入れ塗料「ピンクブラウン」を塗り、陰影をつけました。また、作業服はタミヤのXF50「フィールドブルー」が塗られていますが、べた塗りっぽくて陰影に乏しいです。そこで、XF50「フィールドブルー」にXF57「バフ」を混ぜたものでドライブラシを行いました。
さらに各種作業で汚れるはずなので、全体にXF52「フラットアース」で汚れを追加しました。
最後に、足元にタミヤアクリル塗料のXF57「バフ」を軽く吹き付け、土ぼこりによる汚れを再現しました。
ドラム缶がきれいすぎるので、以下の手順で汚しを行いました。
- タミヤエナメル塗料XF56「メタリックグレー」をスポンジで塗りつけてチッピング
- クレオス「Mr.ウェザリングカラー ラストオレンジ」で錆汚れを追加
- 注ぎ口の周りにタミヤエナメル塗料X18「セミグロスブラック」で油汚れを追加
さらに、タミヤ「ウェザリングマスターCセット」の「赤さび」を追加し、タミヤアクリル塗料のXF57「バフ」を吹き付けて土ぼこりを再現してみました。
ここまで、整備兵、ドラム缶と、別々に土ぼこりを追加しているような書き方になってしまいました。実際には、土ぼこりは、整備兵、ドラム缶のそれぞれ個別に塗装したわけではなく、一度に全体的に塗装しました。機体の足回りにも土ぼこりを追加しました。
機体、整備兵やドラム缶に汚れが追加され、情景になじんだと思いますが、いかがでしょうか?
以前製作したものに手を加えることで、手軽に完成の満足感を味わうことが出来ました。
このキットはキャノピー、プロペラや搭載する武装の組み合わせで様々な形に組み立てることが出来ます。また、主翼下のラックを自作して余った増槽を複数使用すれば「Fw190G-8長距離戦闘爆撃機」も製作出来そうです。
機会があればまた作ってみたいと思わせられる楽しいキットでした。
ご覧いただき、ありがとうございました。タミヤの「フォッケウルフ Fw190 F-8/9 爆弾搭載セット」でした。
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