2021年9月13日から、株式会社ケイエムコーポレーションの「MINI岐阜」で、モンテカルロラリー1964年優勝車のレプリカの特別展示が行われました。15日に見てきました。
「MINI岐阜」に続いて、9月20日から24日まで多治見市若松町の「MINI多治見」で展示が行われました。
この特別展示で展示されていたゼッケン37のミニは、以前ドイツレベルから1/24でキット化されていました。
また、モンテカルロラリーのミニといえば、タミヤがキット化したゼッケン177を思い浮かべる方も多いでしょう。
展示されていた実車のミニと、以前製作したプラモのミニをご紹介します。
実車レプリカ
まずは、実車です。お店の方から許可を得て写真を撮影してきました。ブログでの公開もOKということ。ありがとうございました。
説明してくださった「MINI岐阜」の方によりますと、この車両は豊橋でミニを扱うお店が製作した「レプリカ」ということでした。
「レプリカ」とはいえ、それ自体が貴重なミニMk-Ⅰのボディが使われています。
ドアのヒンジが外側についていたり、リアのコンビネーションランプが小型のものだったりといったところにMk-1の特徴が表れています。
フロントのライト類、ボンネット先端の車両番号「33EJB」やモンテカルロラリーのラリー・プレートが完璧に再現されています。
かまぼこ型のフロントグリルのメッキの枠を、あえて取り付けていないところにも、こだわりが感じられました。
オリジナルのセンターメータの両側に配置されたメーターやヒューズボックスなどが追加され、インパネ周りもしっかり再現されていました。
そして、この車のチャームポイントは、なんといってもルーフに取り付けられたこのライトでしょう。
車全体のイメージが一気に柔らぐというか、ほのぼのしたものになるというか・・・
この小さな車が、並み居る強豪を抑えてモンテカルロラリーで優勝した、というのですから、凄いことですね。
ドイツレベル1/24「ミニ・クーパー 1964 モンテカルロラリー」
1964年のモンテカルロラリーで優勝した車両番号「33EJB」の「ミニ・クーパー」は、2014年頃にドイツレベルから発売されていました。
ライト類やオーバークール対策のグリルカバーなど、「33EJB」の特徴が余すところなく再現されており、とてもリアルです。
完成後もボンネットを開けることができ、エンジンを見ることもできます。プラグコードまで再現された楽しい製品でしたが、残念ながら、現在は入手困難なようです。
ほとんどストレートに製作しましたが、ワイパーだけはGSR(グッドスマイルカンパニー)のエッチングパーツ「ワイパーセットA」のものに交換しました。
インパネ、ステアリングホイールも「33EJB」に装備されたものが再現されています。
エンジンルームにはアンダーガードが取り付けられています。マフラーはセンター出しタイプです。
フロントウィンドウの窓枠は、マスキングしてクレオスC2「ブラック」および「メッキシルバーNext」を塗装した後、0.5㎜のマスキングテープを貼って、C33「フラットブラック」を塗りました。
リアウィンドウの窓枠も同様にして塗装しました。黒いゴムの中にクロムメッキのモールが取り付けられている様子を再現してみました。
久しぶりに引っ張り出してきて、撮影しましたが、重大なミスに気が付いてしまいました。運転席と助手席のシートが入れ替わってしまっているのです。
黒い方が運転席と思い込んでしまったようですが、箱絵を見ると、そうはなっておらず、助手席が黒でした。
また、ホイールは箱絵を参考にクレオスC69「グランプリホワイト」で塗りましたが、アイボリーとした方が良かったかもしれません。
もう売ってないですが、手に入るならもう一台作ってみたいキットです。
タミヤ1/24「モーリス ミニ・クーパー 1275S ラリー」
モンテカルロラリーの「ミニ・クーパー」といえば、ゼッケン177、車両番号「LBL6D」の車両を思い浮かべる方も多いのでは、と思います。
この「ミニ・クーパー」は、1967年のモンテカルロラリーの優勝車で、タミヤから1/24のキットが発売されていました。
このキットも、完成後にボンネットを開けることができるのですが、ヒンジの部分が壊れているのを忘れていました。
修理する前に上からの写真を撮っておきました。ストレートに組み立てただけでも、ここまで再現されます。ボンネットは後で修理しました。
ルーフを接着せず、後で取り外せるようにしておきました。このミニの場合は、運転席側のシートが交換されている状態が正解です。
ルーフにはラックとスペアタイヤが装備されています。1967年のレギュレーションに対応するため、スペアタイヤ2本をトランクに、2本をルーフラックに搭載しました。
ラリーのレギュレーションに対応するための装備なのですが、ピクニックに行くかのようなほのぼのとしたイメージになってしまうのが、「ミニ」の魅力かもしれません。
モンテカルロラリーのミニ・クーパーの活躍
ここで、モンテカルロラリーでの「ミニ・クーパー」の活躍について簡単に紹介したいと思います。
ゼッケン37(車両番号「33EJB」)の「ミニ・クーパー1071S」は、パディ・ホプカーク(ドライバー)、ヘンリー・リドン(コ・ドライバー)により、1964年のモンテカルロラリーで優勝しました。
1954年にジャガーが優勝して以来の、久しぶりのイギリスのチームによる優勝で、この後続く「ミニ・クーパー」による快進撃の第一歩となりました。
この後、「ミニ・クーパー」の活躍は続き、65年のモンテカルロラリーでは、記録的な豪雪をものともせずに優勝。
66年のモンテカルロラリーでは、1位、2位、3位を独占するという偉業を成し遂げたものの、ヘッドライトがレギュレーションに違反していると判定されてしまいました。
判定には不可解な点も多かったらしく、チームは懸命に抗議しましたが、結果は失格で終わってしまいました。
そして、67年を迎えます。
ゼッケン177(車両番号「LBL6D」)の「ミニ・クーパー1275S」は、ラウノ・アルトーネン(ドライバー)、 ヘンリー・リドン(コ・ドライバー)により見事に優勝を飾りました。
前年の失格の雪辱を果たしての優勝でした。
続く1968年はほとんど雪が降らず、モンテカルロラリーにおけるFFの「ミニ・クーパー」が持つアドバンテージは消えてしまいました。
結果、2台のポルシェ911の後塵を拝することとなってしまいましたが、それでも3位、4位、5位を記録しました。
小さくてキュートな姿のみならず、ラリーにおける活躍などのドラマも「ミニ」の魅力を高めているのは間違いないと思います。
ご覧いただき、ありがとうございました。モンテカルロラリーで活躍した「ミニ・クーパー」でした。
コメント