【プラモ】ドラゴン1/48「フォッケウルフFw190G-3長距離戦闘爆撃機」

航空機

以前製作した「フォッケウルフFw190G-3長距離戦闘爆撃機」をご紹介いたします。

箱が残っていないので、組み立て説明書の写真を掲載します。

フォッケウルフFw190G-3

フォッケウルフFw190G型は、Fw190シリーズのバリエーションの一つで、ヤーボライと呼ばれる長距離戦闘爆撃機です。遠方の敵基地攻撃など、準戦略攻撃的な作戦に使用された機体でした。

フォッケウルフFw190G-3型

フォッケウルフの戦闘爆撃型バリエーションには、他にFw190F型がありますが、こちらは近距離戦術作戦に使用されました。

フォッケウルフFw190F-9

【プラモ】タミヤ1/48「フォッケウルフ爆弾搭載セット」

G型では、両翼付け根の20mm機関砲以外の固定武装を取り外して機体が軽量化されています。機首上面に装備された機銃も取り外されているのですが、機銃を装備するためのくぼみなどはそのまま残されていたようです。

両主翼下面には片翼に1個ずつ、合計2個の300ℓ入り増槽を搭載することで、航続距離が延長されています。また、胴体下面にラックが装備されており、増槽または爆弾を搭載することが可能です。

G型のフォッケウルフには、主に以下のサブタイプが存在します。ドラゴンのキットはこのうち、Fw190G-3を再現しています。

  • Fw190G-1:Fw190A-4をベースに、固定武装を減らし増槽を2個搭載できるようにした試作機Fw190A-4/U8を量産化したもの。
  • Fw190G-2:Fw190A-4/U8のベースをFw190A-5としたFw190A-5/U8を量産化したもの。
  • Fw190G-3:Fw190A-5/U8にPKS11自動操縦装置を搭載し、機体を補強して搭載できる爆弾の重量を増やしたもの。
  • Fw190G-8:Fw190A-8をベースにG型の装備を施したもの。

主翼下面の増槽の搭載方法は各型で異なり、G-3型では「フォッケウルフトレガー」と呼ばれるラックに吊り下げられる形で搭載されました。

「フォッケウルフトレガー」は増槽の他に250k爆弾を搭載することも可能でした。

胴体下に装備されたラックは「ETC501ラック」と呼ばれるもので、短距離戦闘爆撃型であるFw190F-3に搭載されたものと同じです。

「ETC501ラック」には300ℓ入り増槽を搭載することも可能で、主翼の2個と合わせれば合計3個の300ℓ入り増槽を搭載できたようです。

ただし、増槽を3個搭載すると爆弾を搭載することができなくなってしまいます。胴体下面には、もっぱら爆弾を搭載して運用されたのではないかと思います。

ドラゴンのフォッケウルフFw190G-3

ドラゴンのキットは、かつてトライマスターというメーカーから発売されていたFw190シリーズの金型を利用した製品です。

トライマスターの製品はプラスチック製の部品にホワイトメタル、エッチングパーツなどが組み合わされたマルチマテリアルなキットでした。

トライマスターのフォッケウルフFw190F-8

爆弾のフィンやインパネなどにはエッチングパーツが用意されており、着陸脚などはホワイトメタル(説明書ではソフトメタルと記載)が使われていました。また、機銃の銃身などに用いる金属素材も用意されていました。

トライマスターのFw190F-8の組み立て説明書に掲載された部品図

ドラゴンの「フォッケウルフFw190G-3」では、ホワイトメタルなどの部品をプラスチック製の部品に置き換えています。また、「フォッケウルフトレガー」などを追加して、トライマスターからは発売されていなかったFw190G-3を再現しています。

ドラゴンの部品図。主翼、胴体など、トライマスターと同じものが使われている。

機首上面の機銃のカバーはMG17 7.92mm機銃用のふくらみがないタイプが再現されています。これもドラゴン製キットで追加された部品と思われます。

元が古いキットのため、現在のキットと比較すると製作しづらい面もあります。継ぎ目の処理などに時間をかけて、丁寧に手をかけるとよいでしょう。

製作時のポイント

今回紹介するFw190G-3には、胴体下面ラック、爆弾など一部トライマスターの部品を使用しています。実は製作中に破損させてしまったトライマスターのFw190F-8の残骸を捨てずに保存していたのです。

高価かつ貴重な製品なので、もったいなくて捨てられずにいたのですが、ドラゴンのキットと組み合わせることで、役に立てることができました。

ピトー管、胴体下面のアンテナ類はファインモールドのディテールアップパーツに交換しました。

座席にシートベルトを取り付けましたが、どの製品のものを取り付けたかは忘れてしまいました。

そして、主翼付け根の機関砲を真鍮パイプに置き換えました。

塗装とマーキングについて

キットの塗装例とは異なる塗装としました。

出典は以下で、「Fw190G-3 from Stab of II./SG2 Okecie Poland. July 1944」の塗装図を参考にしました。

機首下面、主翼下面、後部胴体の黄色いマーキングやスピナーの白いマーキングは塗装で再現しました。また、国籍標識や二重クサビなどは他のキットを製作した時に余ったデカールを利用しました。

ちなみにドラゴンのキットには塗装例は1種類のみ掲載されています。「サレルノ,1944」とあります。

所有している資料で調べてみたら、古いモデルアートの別冊に写真が載っていました。

この本によると、イタリア方面で連合軍に捕獲された機体らしいです。この塗装例でも悪くはないのですが、もう少し派手な塗装にしたいと思い、キットの指定とは異なる塗装にしました。

機体各部の黄色いマーキングやスピナー先端の白など、カラフルで見栄えがする機体だと思いますが、いかがでしょうか?

フォッケウルフFw190G-3を作るには?

ドラゴンのキットも現在では入手困難のようですが、「フォッケウルフトレガー」を自作できれば、Fw190F-3をベースに容易に改造できると思います。

「フォッケウルフトレガー」の形状ですが、本体は四角形に近いシンプルな形状をしています。前後2か所から下向き左右に爆弾、燃料タンクを保持する爪が伸びています。

主翼と接する上側前方寄りに取り付け具のカバーと思われる突起が取り付けられています。この突起はラックの左右両側に取り付けられています。

ラックに増槽を搭載する場合は、爆弾などを固定する爪の先に棒状のアダプターが取り付けられます。これは胴体下ラックに増槽を搭載する場合と同じです。

増槽とアダプターがずれてしまっているのは見なかったことにしてください。

基本的には、主翼に300ℓ増槽を取り付けて、機首上面の機銃を取り除けば、Fw190G-3の出来上がりです。

短距離戦闘爆撃型のFw190F型の影に隠れて地味な印象のG型ですが、両翼に300ℓ増槽をぶら下げた姿は独特な力強さがあると思います。

Fw190の高い汎用性を体現した機体と言えるでしょう。

ご覧いただきありがとうございました。ドラゴンの「Fw190G-3長距離戦闘爆撃機」でした。

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