以前製作したエレール1/43「プジョー203」をご紹介いたします。
プジョー203
古いアメリカ車のようなスタイルのこの車は、プジョーから戦後最初に発売されたプジョー203です。
見た目は古めかしいですが、モノコックボディ、コイルスプリングを使用した足回り、バルブをクロス・フロー型に配置したヘッドを搭載したエンジンなど、当時としては新しい装備を持った車でした。
結構いろんなタイプがあったようで、このモデルのスタンダードタイプのほか、屋根が開くオープンタイプや、ステーションワゴンタイプ、ボディ後半が荷台になったピックアップタイプまでラインナップしていたようです。
オープンタイプには、スタンダードの屋根が開くタイプのほかに、2シーターのカブリオレがあったようです。また、ステーションワゴンタイプには6人乗りや4人乗り、2人乗りのフォルゴネットなどがあり、さらに2人乗りのクーペもあったようです。
生産期間は11年4か月に及び、生産台数は68万台を超えるということで、さすがにバリエーションも豊富ですね。当時のフランスではよく見かける車だったのでしょうね。
組み立てについて
それほど難しいキットではないと思いますが、ノリと勢いで作ってしまい、無駄に苦労してしまいました。
まず大変だったのは、フロントフェンダー上のモールを削り落としてしまったことです。
ちょうどこの部分にパーティングラインが走っていたのです。モールの部分は若干太くなっていたような気もしましたが、気にせずに削り落としてしまいました。
ネット上で写真を探してみたところ、このモールが付いていない車両と、ついている車両の両方が見つかりました。どっちが正しいのか、両方のタイプがあるのか、あるいはレストア時に省略されてしまったのか?
モールがないと、見た目がのっぺりしてしまうような気がしたので、伸ばしランナーを貼って再現しておきました。
次に苦労したのは、リアについているフューエルキャップの部品です。
恐ろしく小さな部品で、一度なくして自作しかけたところで奇跡的に見つかりました。歯車のようなギザギザの部分がちょうどゲートとつながっており、成型するのも大変でした。
バンパー、ホイールキャップは確かメッキパーツが用意されていました。これは助かりましたね。
塗装について
ボディー色はガイアノーツのメカトロウィーゴカラーの「あいぼりー」です。当時、この塗料を入手したばかりの時期で、なんか、塗ってみたかったのですよ。ホイールも同色で塗装しました。黄色っぽいアイボリーがレトロな感じで気に入っています。
内装はフラットレッド、ハンドルは黒で塗装しました。
モールなどのメッキされた部分はクレオスのメッキシルバーNextで塗装しています。メッキシルバーNextについては、シトロエン11CVの記事をご参照ください。上手く塗れば、かなりメッキっぽくなります。
特徴的なフロントグリルもメッキシルバーNextで塗装して、奥まった部分をフラットブラックで塗っています。
リアのナンバープレート上にあるランプはクリアパーツでした。クリアーレッドを塗装した後、真ん中の部分にハセガワのミラーフィニッシュを貼り付けました。
おそらくこれはブレーキランプとして機能するものなのだと思いますが、戦後すぐの車だからなのか、ブレーキランプがあまり目立たないところにあるのが面白いと思います。安全基準がありますので、今の車なら絶対あり得ない形ですよね。
後部座席横の窓の後ろに丸い出っ張りがあります。これがなんだか分からず、塗り分けずにそのままにしてしまっています。もう少し実車の情報が欲しいところです。
実は塗装でミスしてまして、このキットは赤で整形されていたのですが、シャシーに接着する内装の部品の外側を塗らずに組み立ててしまったのです。結果、タイヤハウスから真赤な部分が丸見えになってしまいました。(写真は無いです。)
小さい模型で、斜め上から眺めている分には気にならないのですが、目線を下げて横から見ると、赤い部分が思いのほか目立ってしまい、違和感炸裂でした。
なんかノリと勢いで組み立てていて、仮組せずに接着してしまっていたのですよ。慎重に分解して、フラットブラックを塗って組み立てなおしました。
プラモを作るときは、落ち着いて作業しないといけないですね。
愛嬌のあるフロント、丸っこいボディ、なかなか味のある1台だと思います。
自分の愚かさで失敗してしまったとはいえ、苦労して完成した1台には特別な思い入れを感じます。機会があったら、別のカラーリングでも作ってみたいですね。
ご覧いただき、ありがとうございました。エレールの「プジョー203」でした。
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