【マイクロビット応用】[7] キッチンタイマー(1)ライブラリ「utime」を使ってキッチンタイマーを作る

マイクロビット

 今回は「ticks_ms()」や「ticks_us()」について見ていこう。

 時間を扱うライブラリ「utime」に含まれているのでしたね?

 うむ!その通りだ!「utime」には、他にも関数が含まれている。「utime」について調べてみようと思うのだ。

 調べるだけですか?せっかくなので、「utime」を使って何か作ってみませんか?

 それはいい考えだね!何がいいかな・・・。

 キッチンタイマーとか、いかがでしょうか?

 いいね、それ!では、行ってみよ~ゥ!

utimeについて調べる。

 さっそく「utime」について調べましょう。マイクロビットの機能について調べるときは、

「BBC micro:bit MicroPython documentation」

英語版:https://microbit-micropython.readthedocs.io/en/latest/

日本語版:https://microbit-micropython.readthedocs.io/ja/latest/index.html

 を見ればよいのでしたね。

 その通りだ。いろいろな機能が関数として用意されているね。

関数名機能
utime.sleep(seconds)secondsで指定された秒の間、何もしないで待つ。
utime.sleep_ms(ms)msで指定されたミリ秒の間、何もしないで待つ。
utime.sleep_us(us)usで指定されたマイクロ秒の間、何もしないで待つ。
utime.ticks_ms()現在をミリ秒であらわす値(ticks)を得る。
utime.ticks_us()現在をマイクロ秒であらわす値(ticks)を得る。
utime.ticks_add(ticks, delta)ticksにdeltaを足す。
utime.ticks_diff(ticks1, ticks2)2つのticksの差を計算する。

 なんか、いきなり「ticks」というのが出てくるんですけど、これは何ですか?

 「ticks」は、時間を表す値なのだが、この説明では具体的にどういうことなのか分からないね。

 さっぱり分っかりませ~ん。

 なので、この「ticks」がどんな値なのかを探ってみることにしよう。

 おお、「探る」のですね!なんか、探検隊っぽくなってきましたね。

 よし、行くぞ、赤トマト隊員!(そういえば、「マイクロビット探検隊」という設定だったような・・・)

 了解です!

「ticks」について調べる。(ミリ秒)

 例えば「ticks_ms()」の説明に「現在をミリ秒であらわす値」とありますが・・・

 どんな値なのかをマイクロビットに表示させてみよう。まずは、「ticks_ms()」で得られる値が1秒間でどのように変化するかを調べてみる。そのために、次のようなプログラムを作ってみた。

  • 1行目 import utime
  • 行目 from microbit import *
  • 3行目 
  • 4行目 time1 = 0
  • 5行目 time2 = 0
  • 6行目 
  • 7行目 while True:
  • 8行目  if button_a.get_presses():
  • 9行目   time1 = utime.ticks_ms()
  • 10行目   utime.sleep(1)
  • 11行目   time2 = utime.ticks_ms()
  • 12行目   display.scroll(time1)
  • 13行目  if button_b.get_presses():
  • 14行目   display.scroll(time2)

 8行目から12行目では、「Aボタン」を押した場合の動きを記述している。

  • 8行目  if button_a.get_presses():
  • 9行目   time1 = utime.ticks_ms()
  • 10行目   utime.sleep(1)
  • 11行目   time2 = utime.ticks_ms()
  • 12行目   display.scroll(time1)

 9行目で「ticks_ms()」で得られる値を「time1」に格納し、10行目で1秒間待ち、11行目で「ticks_ms()」で得られる値を「time2」に格納する。

 そして、12行目で「time1」に格納された値を表示する。

 「time2」の値はどうやって見るのですか?

 「Bボタン」を押すのだ。13行目から14行目に、「Bボタン」を押すと「time2」を表示する部分が記述されているのだ。

  • 13行目  if button_b.get_presses():
  • 14行目   display.scroll(time2)

 そうすると、1秒間で「ticks_ms()」で得られる値がどうなるかが分かるってわけですね?

 そうなのよ!では、さっそく動かしてみてごらん。

 分かりました、動かしてみます!ロードして、ボタンを押して・・・あぁ、数字が・・・

 スクロールする数字を読むのは大変ですね。

 うむ。ご苦労様。表示された値を並べてみよう。

開始終了
1回目150125011000
2回目14267152671000
表示される値はボタンを押したタイミングで変わります。

 差の部分が1秒間に相当する「ticks」なのだが・・・

 「1000」ですね。「1000ミリ秒」すなわち1秒、ということですね!

「ticks」について調べる。(マイクロ秒)

 次は「ticks_us()」で得られる値が1秒間でどのように変化するかを調べてみよう。先ほどのプログラムを次のように改造したのだ。

  • 1行目 import utime
  • 行目 from microbit import *
  • 3行目 
  • 4行目 time1 = 0
  • 5行目 time2 = 0
  • 6行目 
  • 7行目 while True:
  • 8行目  if button_a.get_presses():
  • 9行目   time1 = utime.ticks_us()
  • 10行目   utime.sleep(1)
  • 11行目   time2 = utime.ticks_us()
  • 12行目   display.scroll(time1)
  • 13行目  if button_b.get_presses():
  • 14行目   display.scroll(time2)

 「ticks_ms()」の部分を「ticks_us()」に変えたのですね。では、さっそくやってみます。

 さっきより数字が長い~。ヒ~~。

開始終了
1回目182175828264301004672
2回目18243692 19251735 1008043

 差の部分が1秒間の「ticks」でしたね。なんか、微妙な数値ですよ。

 ウム、1回目は「1004672マイクロ秒」すなわち1.004672秒、2回目は「1008043マイクロ秒」で、1.008043秒ということになるね。

 「ticks_us()」で1秒を測ると、微妙に誤差が出る、ということのようだね。測る時間に応じて「ticks_ms()」と「ticks_us()」を使い分けるとよさそうだね。

「ticks」のまとめ

 これまでのところをまとめると、次のようなことが言えそうだね。

  • マイクロビットの「ticks」はミリ秒とマイクロ秒のものが用意されている。
  • 「ticks」の値が何ミリ秒、何マイクロ秒かを表している。
  • 測る時間の長さによって使い分けるとよい。

 同じ「ticks」でも、表しているものが違うのですね。

 プログラムを作るときには、どちらの「ticks」を使っているのか気を付けた方が良さそうだね。

どんなキッチンタイマーを作るか決める。

 「ticks」について調べたし、次はキッチンタイマーを作るのですね!さっそくパイソンエディタを開いて・・・

パイソンエディター

 どうすればいいのだろう???

 いやいや、いきなりプログラムを作るのは無理というものだ。

 では、どうすればよいのですか?

 どんなプログラムを作るのかを、具体的に考えておくのだ。飛行機のプロペラでは、最初のバージョンはどんなプログラムだったかを覚えているかい?

 ええと、「Aボタン」で 「ギュイギュイギュイ」 となって、もう一回「Aボタン」で 「バウゥ~~ン!」 となって、「Bボタン」で止まる、でしたっけ?

 「ギュイギュイギュイ」はセルモータの状態で、「バウゥ~~ン!」はエンジンに状態だね。

 ハイ、ソウデス。

 同じように、マイクロビットにどういう動きをさせればキッチンタイマーになるかを考えてみよう。

 キッチンタイマーには、ボタンが三つついてますね!マイクロビットには二つしかない・・・

 大丈夫だョ、赤トマト君!マイクロビットには、回路を追加することができるからね。

 そうでした!それで、モーターも動かせましたね!

 で、各ボタンと動きの関係は、というと・・・

  • 「分」ボタンで分を設定する。
  • 「秒」ボタンで秒を設定する。
  • 「スタート/ストップ」ボタンでカウントダウンを開始、中止する。
  • 設定した時間(分:秒)が「00:00」になったら音が鳴る。
  • 「分」ボタンと「秒」ボタンを同時に押すと、時間(分:秒)が「00:00」にクリアされる。

 といったところだね。

 な、な、なるほど。結構大変化かも、ですね。(こんなにたくさんの動きを作れるのだろうか?)

 まぁ、ひとつづつ順に作っていこうじゃないか。

 あと、数字も四つ表示できないと・・・これは、流して表示すればいいのかな。

 ちょっと不便だけど、それでやってみよう!

プラモは?というと

 で、これもプラモと絡めるのですか?なにか動かしたり、光らせたりできると面白くないですか?

 おお、それはいい。何がいいかな・・・

 ポケモンの目を光らせる、というのはどうでしょう?

 ちょうどここに、こんなものが・・・

 ゲンゲロゲ~~!

まとめ

 今回のまとめデ~ス

  • 「ticks」には、ミリ秒用とマイクロ秒用の2種類がある。
  • 測る時間の長さに応じて「ticks」を使い分けるとよい。
  • プログラムを作る前に、どんなものを作るかをまとめよう。

 ところで、マイクロビットの新しいバージョンが発売されているようですよ!

 うむ。買ってきて使ってみたいのだが、お小遣いが足りなくて・・・

 お小遣いがたまるまで、もう少し待っていてくれたまえ!

 それは楽しみですね。次回はキッチンタイマーか、マイクロビットの新バージョンか???

 お楽しみに~~!

つづく

コメント

タイトルとURLをコピーしました