「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(そらはく)」の展示機のイメージで製作してきた「川崎乙式一型偵察機」が完成しました!
「そらはく」の展示機には装備されていない機銃も取り付けました。
以下で製作過程を説明します。
前回までのおさらい
前回は上主翼を取り付け、ナイロン糸によるワイヤーの再現も行いました。
後部機銃座をプラバンと真鍮線で自作し、機体に取り付けました。
そして機首を機体に取り付け、機銃と筒状の機器も接着しました。
日の丸デカールを貼り、細部を作り込めば完成です。
主翼の製作
日の丸デカール
「そらはく」に展示されている機体は、上主翼の上面を見ることが出来ません。そのため、上面にどのようなマーキングが行われているのかは確認できませんでした。
一方、下主翼の下面については、下から覗き込んで日の丸が描かれていることと機体番号は描かれていないことを確認できました。
そこで、今回は上主翼上面と下主翼下面に日の丸デカールを貼ることにしました。
デカールを貼る位置のエルロン側には操作用のバーのモールドがあり、デカールと干渉してしまいます。そこで、デカールに穴を開けて対処することにしました。塗装図、バーのモールドとデカールのサイズから、穴の位置とサイズは以下とすることにしました。
A | 5.4㎜ |
B | 1.4㎜ |
C | 1.2㎜ |
いきなりデカールに穴を開けると失敗する可能性が高いと思い、型紙を作ることにしました。サークルカッターでコピー用紙から直径18㎜の円を切り出しました。そして、上の図の位置に四角い穴を開けました。試しに主翼に乗せてみると、ピッタリのサイズでした。
そこで、この型紙を日の丸デカールに重ねてマスキングテープで軽く固定し、デザインナイフで穴を開けました。そして主翼に貼り、クレオスの「マークセッター」と「マークソフター」で表面の凹凸に馴染ませました。
主翼の日の丸デカールと同時に、胴体側面のデカールも貼っておきました。
デカールが乾いたところでクレオスMr.カラーC181「スーパークリアー 半光沢」を吹き付けました。
デカールが少しごわごわした質感で、「マークセッター」を使用もあまり凹凸になじみませんでした。塗装したほうがきれいに仕上がったのではないかと思いますが、このまま進めることとします。
エルロン制御索
エルロン操作用バーからは制御索が伸びており、主翼に引き込まれています。「そらはく」の機体では、下主翼下面のバーの前後に制御索が取り付けられていました。「WingNutWings」でも確認しましたが、同様にバーの前後に制御索が取り付けられていました。
上主翼上面は見えなかったので、「WingNutWings」のサイトで確認しました。すると、上面の制御索はバーの前側のみに取り付けられていることが分かりました。
これを伸ばしランナーで再現してみました。
細部を作り込んで完成!
風防ガラス
キットには風防ガラスの部品として、透明なシートが入っていました。シートの印刷に従って部品を切り出し、左右の三角の部分を折り曲げて機体に取り付けるように指示されているのですが・・・
なんだか失敗しそうな気がします。嫌な予感が止まらないです。
そこで、今回はこのシートは使わず、プラバンから部品を切り出して製作することにしました。四角いガラスの部分は0.2㎜透明プラバンから切り出しました。また、風防ガラスを支える三角板は0.2㎜プラバン(透明でないもの)から切り出しました。
三角板はクレオスMr.カラーGX2「ウィノーブラック」で下塗りした後、ガイアカラーEx-7「Exシルバー」で塗装しました。
三角板をセメダイン「ハイグレード模型用」で風防ガラスに接着しました。そして、前後の座席の前に接着しました。当初は三角板を風防ガラスに直角に接着したのですが・・・
これは間違いと判明。三角板は直角ではなく、「ハの字」に開くように取り付けるのが正解ということが分かりました。そこで、風防ガラスを一旦取り外し、三角板が「ハの字」となるように接着しなおしました。
出来上がった風防ガラスを前席と後席の前に接着しました。(次に説明する照準器を取り付けた後でこの間違いに気が付きました。そのため、以下の写真には照準器も写っています。)
セメダイン「ハイグレード模型用」は塗装面を侵食しないので、きれいにはがすことが出来ました。間違えた時の修正がやりやすいです。きれいにはがして接着しなおすことが出来ました。
照準器
ようやく完成と思いきや、最後に落とし穴が・・・。組み立て説明書には、機首上面に照準器と思われる2本の支柱が付いた筒状の機器を取り付けるように指示されているのですが・・・
この部品がどこにも見当たりません。組み立て説明書をよく見ると、この部品だけ部品番号が割り当てられておらず、部品図の中にもそれらしいものは見つかりませんでした。
仕方がないので1㎜プラボウ、0.5㎜プラボウ、マスキングテープを組み合わせて照準器を自作しました。写真には写っていないですが、先端に0.5㎜のドリルで穴を開けました。
支柱は黒いランナーで作った伸ばしランナーを使用しました。先に機首に支柱を2本接着しました。
そして出来上がった照準器にタミヤエナメル塗料XF-1「フラットブラック」を塗り、支柱の上に接着しました。
ここまでで機首上面の機器が全て取り付けられました。
これで完成でもよいのですが、せっかくなので最後にもうひと手間加えることにしました。
プロペラの追加工作
「そらはく」に展示されている「川崎乙式一型偵察機」を正面から見ると、プロペラの真ん中の黒い部分が8個のナットで固定されています。このナット、黒地にシルバーで結構存在感があります。
一方、キットのプロペラの中心部は、真ん中の軸は再現されていますが、ナットは省略されています。
これまで見て見ぬふりをしてきました。しかし機首を取り付けた後ぐらいから、再びこの部分が気になってきました。
これを再現するには、極小のナットを用意する必要があります。幸い、以前購入したマスタークラブのナットパーツが使えそうです。ボルトにナットを締め付けた状態を再現したパーツで、様々なサイズのものが売られていましたが、現在は入手困難です。
今回はナットの対向する2辺の間隔が0.6㎜のものを使用することにしました。(持っているものの中でこれが一番小さいです。)
棒の先にナットが整形されたレジンパーツです。穴を開けて棒の部分を差し込んで取り付けることもできますし、棒を切り取って接着することもできます。
このナットパーツを8本取り出して厚紙の上に固定。クレオスC8「シルバー」を筆塗しました。そして、中心部の軸の部分にタミヤエナメル塗料XF-1「フラットブラック」を筆塗しました。
デザインナイフで軸の部分を切り離し、プロペラ中心部に接着。接着剤はセメダイン「ハイグレード模型用」を使用しました。
「そらはく」の展示機と比べるとナットが大きすぎますが、雰囲気は出たのではないでしょうか。
完成しました!
去年の9月に製作を開始した「川崎乙式一型偵察機」がようやく完成しました。主翼が少しゆがんでしまいましたが、何とか形になりました。
博物館の展示機をイメージしているので、あえて汚し塗装は行っておらず、きれいな状態で仕上げました。
そして、折よくタムタム岐阜店さんで開催されていた模型展で展示してもらうことが出来ました。
今回の製作では、接着が上手くいかなかったり、必要な部品が不足していたりして苦労しました。また、なまじ「そらはく」の展示機を参考にできるため、細部の違いが気になり、製作に時間がかかってしまいました。
ですが、製作が進むにつれて「そらはく」の「川崎乙式一型偵察機」が目の前に現れてくるようで感慨深かったです。
また、「そらはく」に出かけた時には、展示されている「川崎乙式一型偵察機」に親近感を感じられるようになりました。製作は大変でしたが、博物館とプラモの両方を楽しむことが出来て、とても良かったです。
おまけ:猫の大福さん(15) お留守番
赤トマト君、聞いてくれたまえ!ついにやったぞ!
な、なんですか?いったい???
大福さんが一人でお留守番できたのだ!
おぉ、それはすごいですね!
うむ、大福さんが気持ちよさそうに寝ていたので、家に置いて出かけたのだ。
起こすのもかわいそうですしね。で、どのぐらい出かけていたのですか?半日ぐらい?
うーん、そうだね、15分ぐらいかな・・・
え、たったの15分?
ウム!で、すぐに用事を済ませて帰ってきたら、まだ寝ていたのだ。
ウ~ム、お留守番というよりは、ただ寝ていただけのような・・・
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