ピットロード1/700の「占守型海防艦」が4隻完成しました!
4隻のうち1隻は「国後」として製作しました。以下で製作過程を説明します。
艦載艇、手すり、旗竿の取り付け
まずは船体にボートダビットを接着しました。ボートダビットを艦載艇にあらかじめしっかり接着しておいたので、かなりスムーズに作業が進み、4隻一気に取り付けることができました。勢いで、主砲も塗装して接着してしまいました。
ボートダビットをランナーから切り出すのには少しコツがいりました。
まずは、ゲートを残してランナーから切り離します。艦載艇からダビットが外れてしまわないように、ニッパーで慎重に作業しました。
次に、部品とゲートを切り離します。切り離した後、やすりで整形することはほぼ不可能です。従って、ランナーと部品の際を切るのがポイントです。ダビットが曲がった形をしているので、1回で切り離さずに2回に分けて切り出しました。部品が極小なので、これ以上のことはできませんでした。刃先が曲がったニッパーが欲しくなりました。
部品側を切ってしまわないように気を付けないといけないです。実はいくつかやってしまいましたが、この後中央部に上部構造物が乗ることもあり、あまり目立たないと考え、そのまま使いました。(恥ずかしいので写真は撮っていません。)
そして、船体に手すりを取り付け、艦首と艦尾に旗竿を取り付けました。
手すりは海魂の「IJN小型艦艇2段手摺り(駆逐艦、海防艦ほか)汎用」を使用しました。
あらかじめクレオスの軍艦色2を塗っておき、セメダインの「ハイグレード模型用」と瞬間接着剤を使用して接着しました。接着剤が固まった後、塗料が剥げた部分などをクレオスの軍艦色2でタッチアップしておきました。
この手すりは非常に繊細で、扱いが難しかったです。
旗竿はハセガワの「日本海軍 艦艇用 汎用エッチングパーツB」に付属するものを使用しました。
艦首側はキットに付属の部品を参考に部品21番(2番目に短いもの)を使用しました。また、参考資料の図面などから、艦尾側の方が旗竿が長いように感じましたので、艦尾側は部品番号22番(2番目に長いもの)を使用しました。
このエッチングパーツは板の厚みがあって、扱いやすいです。
船体の塗装と組み立て
船体にクレオスの軍艦色2をエアブラシで塗装しました。リノリウム甲板に塗料がかからないように斜め下からエアブラシで塗装しました。
そして上部構造物を接着。細部を以下で筆塗りしました。タミヤのエナメルカラーを使用しています。
- 煙突上部:フラットブラック
- 機銃座外周部(キャンバスカバー部分):フラットホワイト+バフ
- 菊花御紋章:ゴールド
- 機銃の銃身部分:ガンメタル
この段階で、全体に軽くウォッシングを施しました。ウォッシングには、タミヤウェザリングカラーのダークグレーを使用しました。ふき取りができないので、エナメル溶剤で希釈して使用しました。
細部工作
船首楼甲板後端に取り付ける階段をつけ忘れていることに気が付きました。ハセガワの「日本海軍 艦艇用 汎用エッチングパーツA」に付属するものを使用しました。
6番の部品がちょうどよいサイズでした。取り付けた後、筆塗りしました。
右上の写真は竣工時/キスカ撤収作戦時の場合です。昭和19年時の場合は、この部品を取り付けると、艦首の機銃座と干渉してしまいます。この部分の構造がよく分からなかったので、今回は手持ちのエッチングパーツを適当に接着しておきました。今後、調査が必要です。
探照灯には、レンズ面にシルバーを筆塗りし、探照灯台に接着しました。
探照灯台の手すりにキャンバスカバーが取り付けられた状態を再現するため、コピー用紙を切り出して接着しました。
キャンバスカバーは艦橋後部の信号旗掛けの部分にも接着しました。
機銃座から支柱がはみ出してしまいました。もっと上達しないといかんですな。
絡車はピットロードの「新艦船装備セット4」または「新艦船装備品セット5」に付属してるものを取り付けました。
2㎾信号灯ですが、ファインモールドの「汎用探照灯セット」に付属しているものを使用しました。
クリアパーツですので、透明部分を塗り残すようにしました。まずはシルバーを筆塗りし、乾いたところでクレオスの軍艦色2を筆塗りしました。
そして、マストに取り付けました。下部に伸ばしランナーでステーを取り付けてマストに接着しています。
リギング、軍艦旗の取り付け
リギングはモデルカステンのメタルリギングを用いて行いました。航行中の状態ですので、艦尾旗竿に軍艦旗を取り付けました。軍艦旗は、付属のデカールをトレーシングペーパーに貼り付け、メタルリギングを介して旗竿に接着しました。
ちょっとなびかせすぎてしまった。
軍艦旗ですが、トレーシングペーパーをデザインナイフで切り出すときにはがれてしまったり、うまくいってもしばらくしたらはがれてきたりしてしまいました。そのため、トレーシングペーパーに貼るときにタミヤのクラフトボンドを使用してみました。
「海防艦 国後」完成!
ようやく完成しました!
まずは、キスカ撤収作戦時の「国後」です。
マスト改修前の形態で、舷外消磁電路が設置されています。
竣工時の「石垣」です。
マスト改修前で、舷外消磁電路が設置されておらず、艦首に菊花御紋章が取り付けられています。「占守」、「国後」、「石垣」は竣工時はこの姿であったと思われます。「八丈」は炊事所煙突の形が異なります。「石垣」は昭和19年5月に撃沈されており、昭和19年時のマスト改修が行われたかどうかわからないので、竣工時は「石垣」とします。
昭和19年の武装強化時の「国後」です。
当初、この艦を「占守」にしようと思いました。「占守」は昭和19年1月、5月、9月に電探設置工事を受けています。また、9月には艦橋前の迫撃砲の設置も行われています。一方、「占守」は昭和19年11月に雷撃で艦首を失い、丙型海防艦の艦首を用いて修理されました。この時、機銃を増設したようです。
従って、昭和19年時の「占守」を制作するには、マストの改修、迫撃砲の追加を行い、機銃は増設しない状態とするか、艦首を丙型海防艦のものにすげ替え、マストの改修、迫撃砲の追加、機銃の増設を行った状態にする必要がありそうです。
ちなみに炊事室煙突は他の艦と同じくH型です。
今回制作した艦を「占守」とするには無理がありそうですので、「国後」とします。
昭和19年武装強化時の「八丈」です。
マスト改修後の状態です。炊事室煙突の形状が他の艦と異なっています。
4隻無事に完成しました。いずれ、損傷した艦首を変更した「占守」や、その前の機銃を増設する前の「占守」も作成してみたくなってしまいました。
おまけ
以前作成した択捉型海防艦もご紹介いたします。こちらもピットロードのキットを製作しました。2隻セットでしたので、2隻同時に製作しました。
リノリウム押さえ金具は塗装で再現。上部構造物の窓は修正せず、大きいままです。リギングは行わず、軍艦旗も取り付けていません。武装強化前の姿で製作しました。
択捉型海防艦
1隻は「佐渡」として制作しました。炊事室煙突の頂部の形状がH型になっておらず、かつ主砲防盾の上部がオープントップになっています。
過去に製作したタミヤの丁型駆逐艦も加えて7隻並べてみました。
護衛される船も作りたくなってしまいますね。
7隻並ぶと壮観です。
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