【映画】「マイケル・コリンズ」を観て、【プラモ】オースティン装甲車を作りたくなった

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DVDで「マイケル・コリンズ」を観ました。アイルランドをイギリスの支配下からの独立に導いた独立運動家マイケル・コリンズの物語です。

映画の内容について

1900年初頭のアイルランド独立運動で活躍した独立運動家マイケル・コリンズの生涯を描いた作品です。イギリス、アイルランド、アメリカの合作で1996年に公開され、アイルランド本国でも高い評価を得ました。

1916年のイースター蜂起から始まり、アイルランド独立運動に伴う様々な事件と、独立運動を主導したマイケル・コリンズを取り巻く人々の人間模様が描かれていきます。

監督のニール・ジョーダンがアイルランド出身、また主演のリーアム・ニーソンも北アイルランド出身です。相当な熱意をもって制作された映画だったようです。

史実と異なる部分もあるようですが、2時間という映画の尺の中でアイルランド独立の経緯を分かりやすく伝えるためのものだったようです。制作側の熱意を考えると、苦肉の策というところだったのではないかと思います。

時代背景

アイルランド独立の歴史を、ある程度知っておいてから観た方がより楽しめる映画であることは間違いないと思います。

アイルランドは、1801年にイギリスに併合されましたが、アイルランド人はアイルランド国民党を結成してイギリスに対して自治の権利を要求していきました。その要求は次第に強まっていき、大きな社会問題となりました。

アイルランド国民党の協力を得るためにイギリス議会の自由党から「アイルランド自治法案」が提出されたり、という動きがありましたが、イギリス議会の保守党の反対などにより、アイルランド人による自治が実現されない状況が続きました。

この状況に対して、議会によらず、自らの手で独立を勝ち取ろうという動きもあり、シン・フェインなど様々な団体が生まれました。

「アイルランド自治法案」は紆余曲折を経て、1914年9月に成立しました。しかし、第一次世界大戦の勃発により、アイルランド人による自治領の成立が延期されてしまいました。

これに反対したアイルランド共和主義連盟(IRB)は、第一次世界大戦の最中、1916年2月24日に蜂起しました。これが、映画の冒頭で登場するイースター蜂起の経緯です。

共和国と自由国

映画の中で、「共和国」と「自由国」が重要なキーワードとして登場します。これらにはどんな違いがあるのでしょう?調べてみたところ、

「共和国」

  • 君主を持たず、選挙により選ばれた大統領をリーダーとする。
  • 大統領は議会から独立しており、それぞれが大きな権限を持つ。

「自由国」(アイルランド自由国)

  • 独自の議会と政府による自治を認められている。
  • イギリス国王に忠誠を誓う自治領であり、国王の代理である総督が駐在する。

という違いがあるようです。完全なる独立を手に入れるか、あくまでイギリスの支配下に置かれるかという、根本的な違いがあるのですね。

映画の感想

前半はスパイ映画、後半は戦争映画という感じで、目まぐるしくストーリーが展開していき、飽きることがありませんでした。登場人物の織なす人間関係が丁寧に描かれ、歴史を作るのは人間なんだ、ということを実感しました。

映画の内容は1900年代初頭の出来事を描いていますが、イギリスのEU離脱におけるアイルランドとの国境問題の再燃など、現在に通じる問題を提起しています。また、現在の世界で起きている様々な問題が思い出され、とても過去の出来事で済まされないように感じます。そういった意味でも、一見の価値はあると思いました。

ところで、この映画では、イギリスは完全に悪役として描かれていました。そのイギリスがこの映画の製作に参加しており、主演のリーアム・ニーソンは1999年に大英帝国勲章(OBE)も授与されています。イギリスという国は懐が深いですね。

吹き替え版も観てみました

吹き替え版では、マイケルコリンズの声を大塚明夫さんが担当されています。どんな感じなのか気になりますね。そこで、吹き替え版も観てみることにしました。

大塚明夫さんのマイケルコリンズ、とても良いですね。演説のシーンとか、すんなり入ってきます。他の声優さんの演技も素晴らしく、特に違和感を感じることはありませんでした。複雑な内容がすんなり入ってくるので、英語が苦手な方には(自分もそうですが)おすすめです。

映画に出てくる車両たち

一瞬だけ登場する二階建てバスとか、古い車がたくさん出てきて、良い感じです。自転車の使われ方もなかなか印象的でした。

そして、大八車みたいな華奢な車輪と2つの銃塔を持つキュートな装甲車が!一見キュートなのですが、劇中ではかなり凶暴な活躍っぷり。キュートな装甲車が、なんてことをするんだぁ・・・対人兵器としての機関銃の恐ろしさを改めて思い知らされました。

この装甲車は、どうやら「オースティン装甲車」という車両のように思われます。

マスターボックスからは、1/72でMk.ⅢとMk.Ⅳがキット化されています。また、ミニアートからは1/35でMk.Ⅲがキット化されています。マスターボックスのMk.Ⅲを入手できましたので、これを作ってみることにします。

つづく。

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