【プラモ】LS 1/72 「ニッポン号」

航空機

以前製作したLS 1/72の「ニッポン号」をご紹介いたします。

「ニッポン号」

「ニッポン号」は、大毎東日新聞社が世界一周飛行を行うために使用した輸送機です。昭和14年8月26日に羽田を出発し、世界各地を訪れた後、10月20日に帰還。世界一周飛行を成功させました。

大毎東日新聞社は日本海軍より「九六式陸上攻撃機」の通算328号機の払い下げを受け、長距離連絡輸送機に改造、「ニッポン号」と名付けました。

この通算328号機は「九六式陸上攻撃機21型」のうちの1機です。「21型」は最初の量産型「11型」からエンジンの換装などの改良がほどこされ、最大速度が向上したタイプです。

ピットロード1/700の九六式陸上攻撃機。

「ニッポン号」への改造では武装が全廃され、7人分の座席が設けられました。また、外翼内には1400ℓの燃料タンクが追加され、長距離連絡輸送機に生まれ変わりました。

そして左側面の機首にローマ字で「NIPPON」の表記が・・・

右側面にはカタカナで「ニッポン」の表記が記入されました。

機体はカウリング以外シルバー一色のように見えますが、下から見ると赤いストライプが入っています。主翼の日の丸、黒いコードレターと相まって、とても見栄えが良いと思います。

「ニッポン号」は南北アメリカ大陸、アフリカ、ヨーロッパ、インドなど各地を訪れて世界一周の親善飛行を成功させました。これは当時としては前例のない偉業で、日本の航空技術力の高さを世界に示しました。

「ニッポン号」の他にも「九六式陸上攻撃機」を改造して長距離連絡輸送機が製作され、親善飛行や南方海外路線などで使用されました。そして日本海軍も「九六式陸上攻撃機」を輸送機に改造し、「九六式陸上輸送機」として運用しました。

製作時のポイント

LSの1/72の「ニッポン号」はかなり古いキットで、最近の航空機のキットとは異なる表現がなされています。機体全体にリベットがモールドされていたり、主脚柱をエンジンナセルに格納できたりします。

ただし、主脚扉は開閉できません。不用意に主脚柱が格納されてしまうと、機首下面のピトー管が折れてしまうかもしれないと思い、固定して製作しました。

機体上面の方位探知ループアンテナは、基部のみキットのパーツを利用し、ループ部分は金属線で作り直しました。このループアンテナは旋回させることが出来ます。

機首下面には着陸灯と思われるライトが設置されています。キットにはクリアーのカバーが用意されていました。随分前に製作したのであまり覚えていないのですが、内側から開けられた穴によりライトが再現されていたようです。

組み立て説明書には取り付ける指示がされていないようですが、ボックスアートを参考にしてこのパーツを取りつけました。

それ以外はストレートに製作。機体全体をクレオスMr.カラーC8「シルバー」で、カウリングをC125「カウリング色」で塗装しました。

パーツの合いは良好で、ストレスなく組み立てることが出来たと記憶しています。

「そらはく」に展示されている模型と比べてみた。

「そらはく」の「ニッポン号」

「そらはく」(岐阜かかみがはら航空宇宙博物館)の「飛燕」の展示室の壁面には、黎明期から飛燕に至る各種の航空機が1/20の模型で展示されています。

この角度で見ると、多数の航空機がこっちに向かってくるようです。

そして、その中に「ニッポン号」の模型も展示されています。

「そらはく」の展示モデルです。

LSのキットと「そらはく」の1/20模型を比べてみました。

「そらはく」の展示モデルです。
LSの「ニッポン号」です。

水平尾翼のマーキングと胴体上面の窓

展示された模型をよく見ると、水兵尾翼にも「J」の文字が描かれています。また胴体上面に丸い窓のような模様が描かれています。「そらはく」の展示モデルでは、窓が黒く塗られているので、この模様も窓を表しているのではないかと思います。

「そらはく」の展示モデルです。
「そらはく」の展示モデルです。

LSのキットの塗装図にはこれらは示されていません。キットと「そらはく」の展示機では違いがあることが分かりました。

世界の傑作機No.91「九六式陸上攻撃機」に「ニッポン号」の写真が掲載されています。機体上面に丸窓のようなものは認められません。また、水平尾翼には何かが描かれているように見えますが、シルバーの表面に垂直尾翼の「J」が映っているようにも感じられます。

世界の傑作機に掲載されている「ニッポン号」の写真はキットの姿に近いように思います。しかし、航空機は定期的に分解整備が行われるため、時期によって装備や塗装が異なるのは普通のことのようです。

例えば少し前に製作した「ワイルドキャット FM-2 N5833」は、1990年頃、1995年、2002年で塗装とマーキングが微妙に異なっていました。

全て「FM-2 N5833」です。時期により微妙に塗装が異なります。

(「ワイルドキャット FM-2 N5833」については、以下をご参照ください。新しいタブで開きます。)

【プラモ】SWEET 1/144 「ゴーストファイターFM-2」

「ニッポン号」の塗装や装備も、時期により異なっていたのかもしれませんね。

コックピット正面の窓

続いてコックピット正面の窓の形状を比べてみました。すると、「そらはく」の展示機とキットではかなり形状が異なっていました。キットの操縦席は全体的に窓の上下が狭く、また外側から中心に向かってすぼまっています。

「そらはく」の展示モデルです。
LSの「ニッポン号」です。

ボックスアートではコックピット前面の窓はキットより上下が広く描かれています。「そらはく」のモデルに近いイメージです。

また、世界の傑作機の写真でもキットより窓の上下は広く、表紙のイラストでもそのように描かれています。

このようにキットのコックピット前面の窓の形状には違和感があります。窓の彫刻を修正して上下を広げると、イメージが良くなりそうですね。

LSの「ニッポン号」について

LSからは各型の「九六式陸上攻撃機」が発売されており、「ニッポン号」はそのバリエーションの中の一つです。LSは1992年に倒産してしまいましたが、現在はマイクロエースが金型を引き継いで販売しています。

キットには、「ニッポン号」の他に「大和号」と「九六式陸上輸送機」のデカールも用意されています。1000円程度で安く購入でき、製作も容易な良いキットではないかと思います。

このキットを製作したときは、箱と比べて出来上がった機体が大きく驚きました。細く流線型の胴体に主尾翼を取り付けて、すらりとした機体が形になった時は「とてもきれいな機体だな」と思ったことを記憶しています。

武装を取り外し、シルバーで塗られた状態が、この機体の一番美しい姿なのかもしれません。

ご覧いただきありがとうございました。LS 1/72の「ニッポン号」でした。

おまけ:猫の大福さん(18) 歯磨き

赤トマト君、今日も大福さんの歯磨きをしないといけないね。

分かりました。歯磨きセットを準備します!

大福さん、こっちにおいで・・・むむ、逃げるぞ!

歯磨きセットの準備ができました!そちらはまだですか?

ちょっと待ってくれ・・・よし、捕まえた!

さぁ、大福さん、歯磨きをしますよ~

ネコも歯磨きしないと、虫歯になってしまうのだ。

おぉ、おとなしく歯を磨かせてくれているぞ!

口の中がすっきりしたかな、大福さん。

おまけ:猫の大福さん(17) 買ったばかりのCDラジオが・・・

おまけ:猫の大福さん(19) 箱を踏まないでくれ~

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