【プラモ】タミヤ1/700「軽巡洋艦 阿武隈」の製作(1)製作方針

艦船

タミヤの1/700「軽巡洋艦 阿武隈」を1943年(昭和18年)7月、キスカ撤収作戦時の状態で製作していきます。

キスカ撤収作戦時の阿武隈

タミヤの「阿武隈」は、太平洋戦争開戦時の状態を再現しています。これをキスカ撤収作戦時の状態とするため、以下の変更を行うことにしました。

(1)艦首

  • 艦首側の2段目の舷窓を閉塞

(2)艦橋、前部マスト周辺

  • 羅針艦橋両舷に設置された九六式1.5m測距儀の位置を上部艦橋甲板の位置に変更
  • 艦橋前部の13mm4連装機銃を13mm連装機銃に換装
  • 二一号電探のアンテナを前部マスト射撃方位盤の上に設置

(3)セルター甲板周辺

  • 五番砲を撤去
  • 魚雷発射管室上部両舷に25mm3連装機銃を各1基を設置
  • 航空作業甲板(セルター甲板左の拡張部分)に小発艇2隻を搭載。

(4)艦尾甲板

  • 艦尾甲板上に5角形の台座を設置
  • 台座の上に陸軍の7cm高射砲を設置

(5)塗装

  • 第2煙突を白で塗装

推測の根拠

変更箇所を決定するため、以下の資料(どれも古い本で申し訳ないです。)を参考にキスカ撤収作戦時の姿を推測しました。

まず、「日本海軍艦艇写真集 長良型」によりますと、「阿武隈」には、開戦からキスカ撤収作戦までの間に以下の改装が施されています。

  • 25mm機銃を増備(詳細は不明)
  • 二一号電探を装備。アンテナを前部マスト射撃方位盤の上に設置

一方、「艦船模型スペシャルNo.27北方作戦」の「阿武隈」の制作記事によりますと、1943年1月~4月の時点での「阿武隈」は、開戦時と比べて以下が異なっている、とのことです。

  • 羅針艦橋両舷に設置された九六式1.5m測距儀の位置を上部艦橋甲板の位置に変更
  • 魚雷発射管室上部甲板両舷に25mm3連装機銃を各1基装備
  • 代替重量として五番砲を撤去
  • 艦首側の2段目の舷窓を閉塞
  • 艦橋前部の13mm4連装機銃を13mm連装機銃に換装
  • 2番煙突を白で塗装

また、同書P.82~P.83の「阿武隈」の解説では、キスカ撤収作戦時には

  • 艦尾甲板上に陸軍の7cm高射砲を土嚢で周りを固めて仮設。
  • 航空作業甲板に大発艇を搭載。

とあります。

そして、「艦船模型スペシャルNo.29 5,500トン型軽巡洋艦」には、竣工時からの変遷が表にまとめられています。これによりますと、

  • 艦橋前の13mm機銃4連装を2連装に換装
  • 魚雷発射管室上部両舷に25mm連装機銃を各1基装備
  • 代替重量として五番砲を撤去。
  • 二一号電探を装備
  • 艦尾甲板上に陸軍の7cm高射砲を仮設

とあります。

ここで、艦尾甲板への7cm高射砲の搭載方法、航空作業甲板への大発艇の搭載方法などが不明となりました。いろいろと調べた結果、国立公文書館アジア歴史資料センターのサイトで「第一水雷戦隊戦時日誌」を入手できることが判明しました。

①「レファレンスコードC080300084600昭和18年6月1日~昭和18年7月31日の第一水雷戦隊戦時日誌(3)」のP.12~P.14によると、阿武隈には小発艇が2隻搭載された。

②「レファレンスコードC080300085100昭和18年7月22日~昭和18年8月31日の第一水雷戦隊戦時日誌(3)」のP.26~P.28によると、阿武隈の後部甲板上に5角形の台座が設置され、陸軍の7cm高射砲が搭載され、ワイヤーで固定された。(搭載状況を表す図を含む)

ちなみに②の資料のP.29には、駆逐艦にどのように大発艇を搭載したかも掲載されています。いろいろと参考になる資料でした。

これらを総合して、キスカ撤収作戦時の「阿武隈」は、最初に掲載した状態である、と推測しました。ただし、太平洋戦争中の「阿武隈」の姿については、不明な部分も多いようです。

(今回推測した内容は、あくまで手元の資料を基にした推測であること、また、手元の資料が古いため、必ずしも最新情報が反映されたものではないことをお断りしておきます。)

タミヤの阿武隈

タミヤの阿武隈の部品を並べてみました。

写真には写っていませんが、ウォーターラインシリーズですので、おもりも入っています。

ポリキャップが入っていて、完成後に主砲やカタパルトを旋回させられるようになっています。また、軍艦旗用にデカールではなく、薄手の紙に印刷されたものが入っています。軍艦旗のデカールではいつも苦労するので、ありがたいと感じました。

また、リノリウム押さえ金具がクッキリとした彫刻で再現されています。金色の色鉛筆で塗ってみることにします。

追加する部品について

今回の制作では、小発艇と陸軍の7cm高射砲を追加します。また、ファインモールドから発売される予定のナノドレッドシリーズの14cm砲を使用してみることにします。

小発艇は、10m特型運貨船の別名で、ウォーターラインシリーズの小型艦兵装セットに含まれています。小型艦兵装セットは、ウォーターラインシリーズの駆逐艦などに付属しています。手元にもいくつかあるので、これを有効利用することにします。

問題は陸軍の7cm高射砲です。どんな形をしているかもよくわからないので、どうしようかと悩んでいましたが、Five Star Modelから1/700のエッチングパーツが発売されていることが分かりました。

本体のディテールアップとの兼ね合いがあるので、これをそのまま使用するかどうかは未定ですが、イメージをつかむために入手することとし、手配しました。

ナノドレッドシリーズの14cm砲は、現時点(2020/11/18)で未発売ですので、発売されるのを待つこととします。

映画の場面の再現について

映画「太平洋奇跡の作戦キスカ」をみて「海防艦 国後」を作成しました。

【映画】「太平洋奇跡の作戦キスカ」を見たら【プラモ】国後(くなしり)を作りたくなった

そして、「軽巡洋艦 阿武隈」を制作します。この「阿武隈」と「国後」を使用して映画の一場面をイメージした写真を撮影してみようと思います。「阿武隈」の艦橋から「国後」を見ている場面のイメージです。

「阿武隈」に艦橋を取り付けた後では、この写真を撮ることができませんので、艦橋より前を製作し、写真を撮影した後、残りの部分を作成することにします。

つづく。

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