DVDで映画「劇場版 猫侍」を観ました。
「なぜ今更」と思われるかもしれませんが、とても面白かったので、紹介したいと思います。
映画の内容について
ご存じの方も多いかもしれませんが、改めてご紹介しますと、「劇場版 猫侍」は、2013年に放映されたテレビドラマの映画版です。2014年に公開されたようです。
幕末の江戸を舞台とした時代劇です。また、猫が登場する動物ドラマでもあります。主人公は、「斑目久太郎」という名のかつての剣客で、現在は職を追われた浪人です。ある出来事をきっかけに「玉之丞」という名の美しい白猫と同居することになり、浪人と猫の喜劇が始まります。
喜劇とはいえ、登場人物はみな真剣にそれぞれの人生を生きており、いわゆるドタバタ喜劇ではないです。登場人物が置かれた状況や考え方の違いが絶妙に相互作用して、外から見ている我々には面白く感じられる、そういう種類の喜劇です。
ドラマの映画版、ということで、ドラマの内容を映画にまとめたものと思いきや、新たな設定が加わって異なるストーリーが展開されていました。貧乏浪人の斑目久太郎への「猫を切ってくれ」という奇妙な依頼から始まる点は同じなのですが、その後の展開は全く異なります。
ドラマ版の様々は要素は取捨選択され、「こんなのは猫侍じゃない」というような改悪がなされているわけでもなく、しっかり「猫侍」としてまとめ上げられていました。
ドラマを観た人も観ていない人も楽しめる内容だと思います。ストーリーが異なるので、映画版を観てからドラマを観るのもありだと思います。
猫侍が好きだけど、「ドラマを見たからいいや」と思っているなら、一度観てみる価値はあると思いますよ。
映画の感想
まず、時代劇ドラマの映画版ということで、剣の使い手たちの駆け引き、力量の差などの描写が上手いと感じました。剣の戦いがカッコよかったです。
寺脇康文さんが「島崎新右衛門」という武士を演じています。凄腕の剣豪ですが、今はやくざの用心棒のようなことをしている、という設定です。寺脇さんの演じる「島崎新右衛門」がとても印象的でした。とにかく太々しく食えない奴なのです。剣の道にストイックな「斑目久太郎」と、太々しくもたくましく時代を生き抜いている感じの「島崎新右衛門」の対比が良いですね。
そして、やくざたちが憎めない。本人たちは真剣なのに、置かれた状況がおかしさを醸し出していました。
登場人物たちの、それぞれの事情や考え方が描かれています。目の前の状況に対応したり、周りの人物とかかわったりするうちに、各々が少しづつ変化していく。ヒューマンドラマですね。
哀愁漂うテーマ音楽、主役の斑目久太郎の心の声も健在でしたし、「斑目久太郎の歌」もうまく使われていて、これぞ「猫侍」と思わされました。ドラマでは語られなかった事柄についても・・・おっと、ヤバイネタバレしそうだ。
そしてこの映画の最大のポイントは白猫の玉之丞
猫侍の最大の見どころは白猫の玉之丞ですね。とにかく可愛いのです。猫を抱き上げたときの前足。棚の上から見つめる視線。つぶらな瞳。そして、斑目久太郎が玉之丞に「やられて」いくところが面白い。そりゃ、こんなにかわいい猫が身近にいたら、誰でもやられてしまうのではないかと思いますよ。
DVDの特典映像には、主演の北村一輝さんがただの猫好きではなく、猫の扱いを知り尽くした方ということが語られていました。それだけに、玉之丞と斑目久太郎の関係性については説得力がある描写となっていたと思います。
猫好きにはたまらない映画だと思いました。
ご覧いただきありがとうございました。映画「劇場版 猫侍」でした。
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