アメリカ合衆国の大統領選を控え、DVDで映画「大統領の陰謀」を観ました。
なかなか考えさせられる内容でした。面白かったですので、ご紹介いたします。
映画の内容について
この映画は、1970年代、ニクソン大統領の時代のアメリカが舞台です。当時全米を震撼させたウォーターゲート事件。これを暴いた二人の新聞記者の活躍を描いたものです。
この二人はワシントンポスト社に所属する若手の記者で、ボブ・ウッドワード記者をロバート・レッドフォードが、カール・バーンスタイン記者をダスティン・ホフマンが演じています。2人の名優の熱演により、ウォーターゲート事件を暴いた二人の新聞記者の取材活動が、迫力をもって再現されます。
この映画には、原作となる同名の著書があります。著者は映画にも登場した二人の新聞記者ということで、一度読んでみたいと思っています。
時代背景
時代背景を押さえておいた方が、より楽しめるのは間違いないでしょう。
まずは、ウォーターゲート事件。1972年、アメリカ合衆国で起きた事件で、当時大統領だった共和党のリチャード・ニクソンが最終的には辞任にまで追い込まれています。大統領選での勝利のため、民主党大会に対する妨害工作、不法侵入、盗聴、証拠隠滅などの不法行為が暴かれ、世論の猛反発を招きました。
その当時、アメリカで大統領に就任したのは以下の政治家たちです。
34代 | ドワイト・D・アイゼンハワー | 共和党 | 2期 |
35代 | ジョン・F・ケネディ | 民主党 | 1期 |
36代 | リンドン・ジョンソン | 民主党 | 2期 |
37代 | リチャード・ニクソン | 共和党 | 2期 |
38代 | ジェラルド・R・フォード | 共和党 | 1期 |
ケネディ大統領が暗殺され、後任となったジョンソン大統領がベトナム戦争悪化で支持を失った後に、共和党のニクソン大統領が就任しています。アイゼンハワー大統領時代は、副大統領を務めていました。アメリカ大統領として十分なキャリアを積んだ人物であった、と言えるでしょう。
この当時の世界情勢ですが、ニクソン大統領が就任する前は資本主義国と共産主義国が激しく対立していました。東南アジアではベトナム戦争が行われており、アメリカとソ連の代理戦争の様相を呈していました。ニクソン大統領はこの時代、ベトナムからの米軍の完全撤退やソビエトとの緊張緩和、中国訪問などを実現しています。その平和に対する貢献は見逃せないと思います。
映画の製作は1976年です。多くの人がウォーターゲート事件についての知識を持っているものとして製作されたであろうことは、想像に難くありません。故に、当時の状況について、ある程度の知識を持って、この映画を鑑賞した方が、より分かりやすいと思います。
ただし、映画の内容はあくまで二人の新聞記者がいかに取材を行っていたかということに焦点が当てられています。当時の状況に対する知識がなくても、取材の雰囲気などは伝わると思います。映画をみて、興味がわいてきたなら、当時の状況を調べてみる、というのもよいと思います。
映画の感想
二人の若手記者が繰り出す取材のための技の数々が、とにかく凄いです。記事の裏を取るため、粘り強く取材を進める姿に感銘を覚えました。そして、ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンが若い!
ウォーターゲート事件を暴く取材が描かれることもあり、なかなか複雑な内容でしたが、難解なまま終わる、ということはなかったです。これ以上はネタバレで書けませんが、いろいろ面白かったです。もう一度みたいですね。
タイプライターやダイヤル式の電話、電話ボックス、古い街並みや一瞬映る車たちなど、レトロな映像が、古いもの好きにはたまらなく好ましかったです。
映画に登場する乗り物
ボブ・ウッドワード記者が運転するブルーグレーのセダンがいい感じでした。これはおそらくボルボアマゾンと思われます。ボルボアマゾンは4ドアのP1200と2ドアのP1300がありますが、映画に出ていたのは4ドアのP1200でしょう。さすがにこれのキットは出てないかなぁ。
このボルボが駐車場から出発するシーンは、古い車好きとしては、見逃せないものがありました。駐車場にはビートルが数台止まっていましたし、ゲートから出てくるところでは、オレンジ色のポルシェ914のような車の横を通り抜けますし、そのすぐ後にホロを被ったメッキバンパーの白いMG-Bのような車が走ってますし、赤いスピットファイア?みたいな車もいるし、いろいろと楽しかったです。
アメリカ車はあまり詳しくないですが、古いアメリカ車にも興味がわいてきてしまいました。いろいろ調べてみると、楽しそうです。
ご覧いただきありがとうございました。映画「大統領の陰謀」でした。
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