これまで何度か「そらはく」で「川崎乙式一型偵察機」を撮影しました。今回はその写真を参考にして製作を進めているのですが、キットと写真で形状が異なる部分が見つかりました。ただし、あまり細部を撮影していなかったため、良く分からない部分がいくつか出てきました。
そこで、再び「そらはく」を訪れて写真を撮影してきました。細部の写真もたくさん撮ってきました。
そして、撮影した写真を参考に各部の製作を進めました。
以下で説明します。
主翼
翼間支柱
各翼間支柱には、5本の帯状のものが取り付けられています。箱絵には金属製のタガのようなものが描かれており、組み立て説明書では「Steel」で塗るように指示されています。
ところが、「そらはく」の展示機では、革製の帯のようなものが巻かれていました。
そこで、白っぽいマスキングテープを細切りにしたものを巻き付けてみました。1本の翼間支柱に5本の細切りマスキングテープを巻き付け、はがれてこないようにするため、クリアを塗りました。
翼間支柱の上下には金属の部分がありますが、キットでは再現されていません。この部分をどうするのかは思案中です。
張り線用の穴を追加
組立説明書にも描かれているのですが、上下の主翼から機首に向けてワイヤーが張られています。また、上主翼とコックピットの横辺りに前後1本ずつ、2本のワイヤーが張られています。
a | 上主翼後部と機首の間のワイヤー |
b | 下主翼先端と機首の間のワイヤー |
c | 上主翼とコックピット横の間のワイヤー(前) |
d | 上主翼とコックピット横の間のワイヤー(後) |
また、胴体から上主翼を支える支柱の辺りで、上主翼と胴体の間に2本一組のワイヤーがたすき掛けで張られています。
このワイヤーを取り付けるための穴を主翼、胴体に追加しました。
写真をよく見ると、後席左右の支柱から胴体に2本1組のワイヤーが張られています。
これを再現するため、上主翼と胴体上面に穴を追加しました。
(まとめて穴を開けたように説明しましたが、塗装後に穴の開け忘れに気が付いて追加したりしました。そのため、一部の写真で機体上面がシルバーに塗装されています。)
機首
機首上面
機首上面には、細長い棒状の機器が取り付けられています。キットにもパーツが用意されていますが、形状が異なります。
博物館の展示機に取り付けられている機器を再現するため、プラ材で自作しました。機首に取り付けるときに位置決めが出来るようにするため、前後はまだつなげていません。
展示機を参考にタミヤエナメル塗料XF-56「メタリックグレイ」とクレオスMr.カラーC113「RLM04イエロー」で塗り分けました。
次にカウリングの塗装を実施。クレオスMr.カラーGX2「ウィノーブラック」を下塗りした後、ガイアカラーEx-07「EXシルバー」で塗装しました。そして、細部をタミヤエナメル塗料XF-56「メタリックグレイ」とX-18「セミグロスブラック」で筆塗しました。
そして、カウリング上部に1㎜のドリルで穴を開け、縦棒の部分を差し込んで接着しました。
横棒の部分はこの時点では取り付けず、カウリングを胴体に接着した後で取り付ける予定です。
機首下面
組み立て説明書では、機首下面に6枚のフィン(部品番号40)を接着するように指示されていますが、展示機にはフィンが付いていませんでした。そこで、機首下面にはフィンを付けないことにしました。
胴体
内部の塗装
博物館の展示機は胴体後部下側の羽布が張られていませんでした。そして、下に鏡が設置されて内部が見えるように展示されていました。胴体内部を内側から見ると、木材の骨組みの間には羽布が見えていました。
胴体内部はすでに全体を木目で塗装しましたが、この写真を参考にさらに塗り込みました。胴体の羽布の部分の内側をXF-55「デッキタン」で、金属の部分の内側をX-11「クロームシルバー」で筆塗しました。
そして、胴体外部のシルバーの部分も塗装しました。クレオスMr.カラーGX2「ウィノーブラック」を塗った後、ガイアカラーEx-07「Exシルバー」を塗りました。
後部座席
組立説明書では、後席上面のパーツ(部品番号4)を胴体にはめ込むように指示されています。しかし、パーツ後端と胴体の形状が合わず、指示通りに製作するには無理があります。また、胴体側面と後席上面のパーツの間に目立つ継ぎ目が出来てしまいます。
そこで、このパーツを加工し取り付け方を変更することにしました。まず後席上面のパーツを削り込み、胴体に上からはめ込むことが出来るようにました。
そして、0.2㎜プラバンに銃座を通す穴を開け、このプラバンをかぶせることで継ぎ目を覆い隠すようにしました。穴を開けたプラバンを大きめに切り出してクレオスMr.カラーC45「セールカラー」を塗装。後席上面のパーツにはGX2「ウィノーブラック」の下塗り+ガイアカラーEx-7「Exシルバー」を塗装しました。そして、これらを組み合わせました。
0.2㎜プラバンで作った部分の後端を後席上面のパーツに合わせてカットし、機体に接着。
左右にはみ出す部分を切り取り、プラバンの部分と胴体側面が滑らかにつながるようにやすりで整えました。
そして、プラバンで作った部分から後方につながる部分をクレオスMr.カラーC45「セールカラー」で筆塗しました。この時、プラバンとの隙間を希釈する前の濃い塗料で埋めておきました。
塗料を十分乾燥させた後、すでに塗装済みの胴体外部の金属の部分や胴体内部をマスキングし、全体をC45「セールカラー」で塗装しました。(次に説明する尾翼部分の製作を行ってから塗りました。)
垂直尾翼も同時に塗装。胴体内部には、コックピット床板の位置決め補助のため、プラバンを取り付けました。
ちなみに羽布部分の色についてですが、「そらはく」の展示機は外側に塗料が塗られています。そこで、内側にはタミヤエナメル塗料XF-55「デッキタン」、外側にはC45「セールカラー」と、異なる色を塗ってみました。
尾翼
キットと「そらはく」の展示機では、尾翼の支柱などに違いがみられます。
まず「そらはく」の展示機の写真を見ると、垂直尾翼の付け根に隙間が空いており、また垂直尾翼と胴体が接する部分の上部では隙間が大きくなっていました。
また、垂直尾翼と水平尾翼上面、胴体下部と水平尾翼下面の間には、2本1組のワイヤーが張られていました。
一方キットでは、垂直尾翼は胴体と接する部分がまっすぐで、上部の隙間が再現されていません。また、組み立て説明書では、2本1組のワイヤーの代わりに支柱を取り付けるように指示されていました。
今回は「そらはく」の展示機を参考にして、ナイロン糸を用いて2本1組のワイヤーを取り付けることにしました。
機体尾部と水平尾翼
水平尾翼を胴体後端上部に接着しました。そして、垂直尾翼の付け根に隙間が出来るようにするため、0.2㎜プラバンの小片を胴体後端に接着しました。
次に、水平尾翼の下側に支柱を取り付けました。キットに付属のV字型のものは使わず、前側のみに0.8㎜プラボウを取り付けました。
後側の支柱の代わりに2本の張り線を取り付けるため、ドリルで穴を開けました。また、水平尾翼の付け根の部分に継ぎ目が出来るので、サーフェイサーを塗り重ねてやすりで成形して埋めました。
垂直尾翼
まず、垂直尾翼を削り込み、上部の隙間の広がりを再現できるようにしました。この隙間が広がった部分は水平尾翼に隠れて良く見えなかったのですが、おそらく可動軸が組み込まれているものと考え、伸ばしランナーを接着しておきました。
そして、垂直尾翼を塗装してデカールを貼ります。胴体、水平尾翼とまとめてクレオスMr.カラーC45「セールカラー」で塗装しました。
「そらはく」の展示機の尾翼には「乙式一型偵察機」の文字と機体番号「1001」が書き込まれています。しかし、キットのデカールには機体番号「1001」は含まれていませんでした。
そこで、キットのデカールから「乙式一方偵察機」と数字の「1」を使用し、数字の「0」はHIQ PARTSのデカール「ノスタルジックナンバー」に入っているものを使用することにしました。
デカールを貼り、タミヤアクリル塗料XF-86「フラットクリアー」を塗ってツヤを抑えました。
また、垂直尾翼と水平尾翼を操作するためのバーの部分と、垂直尾翼に追加した可動軸の部分にガイアカラーNo.123「スターブライトジュラルミン」を筆塗しておきました。
次に、垂直尾翼を取り付けますが、取り付け基部に隙間が空くようにしたので、接着面積が少なくなってしまいました。そのため、垂直尾翼を接着するときに十分な強度を確保できない可能性が高いです。
そこで、金属線を埋め込むことで強度を確保することにしました。まず、胴体と垂直尾翼に0.4㎜のドリルで穴を開けました。
0.4㎜真鍮線を削って少し補足したものを穴に差し込んで、垂直尾翼を取り付けました。
支柱と尾翼の張り線
垂直尾翼の前に取り付けられている支柱を0.4㎜真鍮線と0.5㎜プラバンで作成しました。また、支柱を取り付けるため、胴体上面に0.4㎜のドリルで穴を開けました。支柱の真鍮線は、胴体に差し込む部分をやすりで削って細くしておきました。
真鍮線で作成した支柱にプライマーを塗り、クレオスMr.カラーGX2「ウィノーブラック」を下塗りした後、ガイアカラーEx-07「Exシルバー」を塗りました。支柱の上端にナイロン糸を2本縛り付けて瞬間接着剤で固定し、胴体に開けた穴に差し込みました。そして、上端をエポキシ系接着剤で垂直尾翼に接着しました。
ナイロン糸を水平尾翼に開けた穴に通し、胴体後端下側に接着しました。胴体後端下側には予めやすりで溝を彫って塗料を剥しておき、ナイロン糸を引っ張りながら瞬間接着剤で溝に接着しました。
ナイロン糸を接着した部分があまりきれいではないので、カバーを取り付けることにしました。
0.2㎜プラバンを胴体後端下側の形にカットしてカバーを作成。GX2「ウィノーブラック」で下塗りした後にEx-7「Exシルバー」を塗りました。そして、ナイロン糸の余分をニッパーでカットし、カバーを接着しました。
糸をしっかり接着する意味もかねて、エポキシ系接着剤でしっかりと固定しました。
支柱の下半分に取り付ける板状の部分にはC45「セールカラー」を筆塗しました。そして、エポキシ系接着剤を使用して接着しました。
尾翼制御索
次に、尾翼を操作するための制御索を取り付けます。水平尾翼の制御索は胴体側面に引き込まれるのですが、キットの胴体側面には何の目印もありません。
そこで、組み立て説明書の図面を利用することにしました。組み立て説明書の図面をキットのサイズに合わせるため、113%に拡大コピーしました。そして胴体側面の部分をはさみで切り出しました。
これを胴体にあてがい、ケガキ針で印をつけ、溝を彫って制御索を引き込む部分を追加。C45「セールカラー」を筆塗しました。そして、黒いランナーを利用して伸ばしランナーを作成し、制御索を取り付けました。
上主翼下面、下主翼上面にもC45「セールカラー」を塗装。機体各部が形になってきました。今回はここまでです。
「そらはく」の展示機とキットの違いに気を取られているうちに11月になってしまいました。企画展「日仏航空ヒストリー」も終わってしまいましたが、「川崎乙式一型偵察機」と「シムーン」、どちらも完成させようと思います。
続く。
おまけ:猫の大福さん(8) 食事の量が減ってきた。
大福さん、朝ごはんはおいしいかい?
たくさん食べてね~って、もう食べ終わってしまいましたよ!
ウム。最近は以前ほどたくさんは食べないのだ。
なんだか、小さかった頃のほうが、たくさん食べていたような・・・
そうだね。以前は朝から晩まで、割と頻繁に食べていたのだが・・・
今は朝と夜たべて、昼はおやつを食べるか、なにも食べないかなのだ。
そんなんで、大丈夫なんですか?
ウム!もう成長期も終わってオトナのネコだからね。むしろ食べ過ぎに気を付けないといけないのだ。
そうかぁ。食べ過ぎて、健康を害してしまってもかわいそうですよね。
健康で長生きしておくれ、大福さん!
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