ハロウィンの影響で作り始めたSWEET 1/144の「ゴーストファイター FM-2」ですが、4機のうち3機が完成しました。
このキットでは、塗装例として戦後のエアショーで活躍した機体や、記念式典で展示飛行を行った機体などが集められていました。戦前、戦中の「F4F-3」を模した塗装などが施されています。
以下で製作過程を説明します。
前回のおさらい
前回は「ゴーストファイター FM-2」を2箱用意し、4機の機体を組み立てました。
エンジン、着陸脚も4機分を塗装しました。
そして、塗装例1の機体については、機体の塗り分け、デカール貼りまでを行いましたが、完成には至りませんでした。
組み立て説明書の塗装図には、FS番号が記載されていますが、どのメーカーのどの番号の塗料を使うかの指示はありませんでした。そこで、資料も参考にして塗料を選びました。塗装例1では、以下を使用して塗装しました。
組み立て説明書の指示 | 塗装した色 |
ジンクロ色(コックピット内部) | クレオス C351「ジンク・クロメイト・タイプ1 FS34151」 |
FS14187 ウィローグリーン | クレオス C66「デイトナグリーン」 |
FS13538 クロームイエロー | クレオス C329「イエローFS13538」 |
FS16440 ライトグレー | クレオス C11「ガルグレー」 |
白 | クレオス GX1「クールホワイト」 |
塗装例1の続きから順に説明します。
「ゴーストファイター FM-2」の製作
塗装例1:空母「レンジャー」搭載機の塗装
空母「レンジャー」に搭載された第41戦闘飛行隊所属のF4F-3を模した塗装です。
デカール貼り
前回は、塗装例1のデカールについて簡単にしか説明していませんでした。ここで捕捉します。
まず、塗装例1の機体は主転輪のホイールがスポークホイールです。キットのホイールはディスク型ですが、デカールを貼ることでスポークホイールを再現します。
主翼上下にはライン状のデカールを貼りますが、主翼裏側のデカールとモールドが若干干渉します。そこで、デカールを主翼の上に乗せた後、モールドと干渉する部分にデザインナイフで切れ込みを入れました。そしてクレオスの「マークソフター」を塗り、面相筆で馴染ませることで、うまく貼ることが出来ました。
また、機体左側面に小さな突起がありますが、この突起もデカールと干渉します。ここも「マークソフター」を利用することで、デカールをなじませることが出来ました。
機体側面のラインのデカールは、下端を機体の中心線に合わせて貼りました。こうすると上側が余るので、デザインナイフで上側の中心線から先を切り取りました。
機体先端に貼るデカールについては最初勘違いしていました。白い部分と細くて黒いライン2本が1組になったデカールだと思っていたのですが、よく見ると白い部分と一体になった黒いラインと、もう1本の黒いラインの間にニスがないことに気が付きました。
つまり、このデカールは、白い部分と黒いラインが一体になったデカールと、白い部分を塗装で再現した場合の黒ラインの2つのデカールだったのです。白い部分は塗装で再現したので、黒いラインを貼りました。
デカールを十分乾燥させた後、全体にタミヤアクリル塗料XF-86「フラットクリアー」を塗ってツヤを調整しました。
各部の組み立て
タイヤをタミヤエナメル塗料XF-85「ラバーブラック」で塗り分けた後、主脚柱に接着しました。そして、主脚柱を機体に取り付けました。また、尾輪のタイヤにも「ラバーブラック」を塗りました。
プロペラは、以下で塗り分けました。
場所 | 塗装した色 |
シルバーの部分の下塗り | クレオス GX2「ウィノーブラック」 |
シルバーの部分 | ガイアカラーEx-7「Exシルバー」 |
先端の黄色の部分 | クレオス C113「RLM04イエロー」 |
先端の赤の部分 | タミヤエナメル塗料 XF-7「フラットレッド」 |
先端の青の部分 | タミヤエナメル塗料 XF-8「フラットブルー」 |
プロペラの裏側 | タミヤエナメル塗料 XF-1「フラットブラック」 |
組立説明書の塗装図をよく見ると、他の塗装例ではプロペラの先端は表裏とも黄色でしたが、塗装例1では黒く塗りつぶされていました。そこで、プロペラの裏側は全体を「フラットブラック」で塗りました。
灯火類の塗装とウェザリング
組み立て説明書の指示に従い、主翼左右、胴体下面の灯火類を筆塗しました。
エアショーで活躍した機体ということで、控えめにウェザリングを行いました。全体にクレオスウェザリングカラーWC05「マルチグレー」を専用溶剤で薄めて塗った後、専用溶剤をしみこませた面相筆でふき取りました。
そして、WC01「マルチブラック」で排気汚れを追加しました。
塗装例2:エドワード・H・「ブッチ」オヘア大尉乗機の塗装
空母「レキシントン」に搭載されたエドワード・H・「ブッチ」オヘア大尉乗機のF4F-3の塗装を模した機体です。
塗装とデカール貼り
塗装例2の機体は、以下の塗料を使用して塗装しました。
組立説明書の指示 | 塗装した色 |
ジンクロ色(コックピット内部) | クレオス C351「ジンク・クロメイト・タイプ1 FS34151」 |
FS36118 ブルーグレー | クレオス C367「FS35189ブルーグレー」 |
FS36440 ライトグレー | クレオス C325「グレーFS26440」 |
白 | クレオス GX1「クールホワイト」 |
垂直尾翼の部分にはデカールが用意されていますが、念のためGX1「クールホワイト」で塗り分けておきました。
塗料が十分乾燥した後、デカールを貼りました。
すると、垂直尾翼の端の赤がつながらず、下地の「クールホワイト」が見えてしまいました。
そこで、タミヤエナメル塗料XF-7「フラットレッド」でタッチアップしました。あらかじめ「クールホワイト」で下塗りしておいたため、デカールで覆いきれなかった部分が白く残り、「フラットレッド」でのタッチアップも容易に行うことが出来ました。
キットのデカールには、主翼付け根の歩行帯に貼る黒いデカールが1組しか用意されていません。
そこで、塗装例2では歩行帯の黒塗りを塗装で再現することにしました。
まず機体全体をタミヤアクリル塗料XF-86「フラットクリヤー」で塗装しました。そして、歩行帯の周囲にマスキングテープを貼り、歩行帯をタミヤエナメル塗料XF-1「フラットブラック」で筆塗りしました。
さらに塗装例1と同様に灯火類を筆塗しました。
塗装例1と同様にタミヤエナメル塗料XF-85「ラバーブラック」でタイヤを塗り分け、主脚柱に取り付けました。また、プロペラの塗装も行いました。
プロペラの塗装では、以下の塗料を使用しました。
場所 | 塗装した色 |
シルバーの部分の下塗り | クレオス GX2「ウィノーブラック」 |
シルバーの部分 | ガイアカラーEx-7「Exシルバー」 |
先端の黄色の部分 | クレオス C113「RLM04イエロー」 |
プロペラ本体の黒い部分 | タミヤエナメル塗料XF-1「フラットブラック」 |
プロペラの先端は、塗装図を参考に表裏とも「RLM04イエロー」としました。
各部の組み立てとウェザリング
主脚柱、エンジン、プロペラなどを機体に取り付けました。また、窓のマスキングテープを剥しました。
そして、塗装例1と同様に、全体のウェザリングと排気汚れの追加を行いました。
ところが、これで完成・・・とはならず、トラブルに見舞われました。左の主脚柱がぐらぐらになってしまっていたのです。
よく見ると、主脚柱が途中で折れ曲がってしまっていました。そこで、主脚柱先端の主転輪の基部と、その横の支柱を接着しました。接着剤はセメダインの「ハイグレード模型用」を使用しました。
この部分は接着せずにはめ込むだけにしていたのですが、強度を確保するためには接着したほうが良さそうです。そこで、右の主脚も接着しておきました。また、塗装例1の機体でも同様に接着しておきました。
塗装例3:第二次世界大戦終戦50周年記念式典展示飛行の塗装
第二次世界大戦終戦50周年記念式典展示飛行を行った第1混成飛行隊のFM-2の塗装です。塗装図の説明には、1995年9月の状態で、空母「カール・ビンソン」より発艦したと書かれていました。
尾輪の修復
塗装例3の機体の製作中、不注意で尾輪を折り曲げてしまいました。接着剤を付けて元に戻したりしてみましたが、最後には外れてしまいました。危うく失くしてしまいそうでしたが、何とか確保しました。
接着剤で元の場所に接着するだけではすぐに取れてしまうので、真鍮線を埋め込むことにしました。尾輪と胴体を接続する部分に0.4㎜のドリルで穴を開けました。
次に、尾輪側に0.4㎜真鍮線を接着しました。この時、0.4㎜真鍮線をやすりで削って若干細くしてから、尾輪に開けた穴に差し込みました。
最後に、尾輪に接着した真鍮線を適当な長さでカットして胴体側に差し込みました。真鍮線の断面をやすりで削って整えて置きました。
このキットの尾輪は一度折れ曲がってしまうと後が厄介なので、注意して扱う必要がありますね。
塗装とデカール貼り
塗装例3の機体は、以下の塗料を使用して塗装しました。
組立説明書の指示 | 塗装した色 |
ジンクロ色(コックピット内部) | クレオス C351「ジンク・クロメイト・タイプ1 FS34151」 |
FS15040 シーブルー | クレオス C365「グロスシーブルー FS15042」 |
アンテナ支柱の黄色 | クレオス C329「イエローFS13538」 |
白 | クレオス GX1「クールホワイト」 |
濃い色の上に白いデカールを貼ることになるので、デカールの発色をよくするために「クールホワイト」で塗り分けておきました。主翼の白い部分にはデカールを切り出してあてがい、塗り分けラインのガイドにしました。しかし、少し白い部分が広くなってしまいました。デカールの発色も十分良いようなので、主翼の塗り分けは不要だったかもしれません。
塗料が十分に乾燥した後、機体各部にデカールを貼りました。
機体後部下側の白い部分については、文字のみのデカールも用意されています。白い部分を塗装で再現して文字のみを貼ることもできます。今回は白い部分も含むデカールを貼りました。
機体下側の複雑な形状にデカールをなじませるのが難しかったですが、デザインナイフで余分を切り取ったり、「マークソフター」を使用したりして何とかなじませました。
次にクリアー塗装です。塗装例3の機体については、「世界の傑作機 No.35 グラマンF4F,F6F,F8F」に1枚だけ写真が掲載されていました。
その写真では、この塗装例3の機体はつやつやに塗装されていました。そこで、ツヤアリのクリアーを塗ることにしました。ガイアノーツEx-03「Exクリアー」を塗りました。そして、塗装例2の機体と同様に、歩行帯をC33「フラットブラック」で塗装しました。
そして、面相筆で灯火類を筆塗しました。
塗装例2と同様にタミヤエナメル塗料XF-85「ラバーブラック」でタイヤを塗り分け、主脚柱に取り付けました。また、プロペラの塗装も塗装例2と同様に行いました。
各部の組み立てとウェザリング
各部を機体に取り付け、窓のマスキングテープを剥しました。
そして他の2機と同様に、全体のウェザリングと排気汚れの追加を行いました。
機体の色が黒っぽくて、ウェザリングや排気汚れの効果が分からないですね。式典で使われた機体があまり汚れているのも違和感があるので、これで良しとすることにしました。
ハロウィンには間に合いませんでしたが・・・
11月も残り1週間を切り、ハロウィンもとっくに終わってしまいましたが・・・
完成した3機を使用してハロウィンの雰囲気で撮影してみました。
来年はハロウィンに間に合うように何か作ってみたいなぁと思いました。
ところで、製作中の「ゴーストファイター FM-2」ですが、まだ1機イギリス海軍機の塗装のものが残っています。
この機体も完成させようと思います。
続く
おまけ:猫の大福さん(9) スリッカーを買い替えた。
大福さんのスリッカーを新しいものに買い替えてみたのだ。
最近、スリッカーでブラッシングするの、ちょっと嫌そうでしたしね。早速使ってみましょう!
おぉ、ゴロゴロ言っているぞ!
なんだか気持ちよさそうですよ!
あ、姿勢を変えましたよ!
こんどは、こちら側をブラッシングしてほしいということのようだね。
心地よさそうですね!
大人の猫になったら、スリッカーも変えてみるとよいかもしれないね。
そうですね!良いスリッカーが見つかって、良かったね、大福さん!
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