意外な落とし穴にはまり、製作が難航しているタカラ1/72「コンバットビークルセット」。今回は軍用ジープ「ウィリス OR-39D ランドマスター」を作り込みました。
スキャンカットでフロントグリルなどを作り直し、プラ材で各部をディテールアップしました。
また、対アーマーライフルもプラ材と洋白線を用いてディテールアップしました。
以下で説明します。
前回のおさらい
軍用ジープは本体がある程度形になったのですが・・・
可動部分の少ないキットということもあり、簡単に製作できるだろうと油断していたら、大きな落とし穴がありました。
まず第一にキットにはクリアパーツが用意されておらず、軍用ジープ、軍用トラックなどの窓ガラスが入っていません。
また、軍用ジープ、軍用トラックにはインパネも用意されていません。
さらに、軍用ジープのフロントグリルは上下が短く、大きな隙間が空いてしまいます。
これらの問題に対処するため、ブラザーのカッティングマシーン「スキャンカットSDX1200」でパーツをプラバンから切り出して使用することにしました。
スキャンカットでパーツを作成
とにかくやってみた。
まず初めにインパネと軍用ジープのフロントグリルのデータを作成しました。ただし、もともとのパーツが小さいので、かなり細かいデータとなってしまいました。
ちなみに「スキャンカットSDX-1200」では、プラバンは0.2㎜までしか扱えないです。そこでフロントグリルは複数切り出して重ねて使うことにしました。
出来上がったデータを用いて0.2㎜プラバンからインパネ、フロントグリルなどを切り出してみたのですが・・・
ドーモ君みたいなのがたくさんできてしまった!
しかも、よく見ると・・・
鋭くとがった牙がホラーだ!
ハロウィンで使えるかも・・・?
と、とにかく今回は失敗です。データを作り直すことにしました。
設定画も参考にしてデータを修正
ここで改めて軍用ジープ「ウィリス OR-39D ランドマスター」の設定画を見直してみると、なんとキットのパーツとは形状が異なることが分かりました。その違いとは・・・
- フロントグリルの縦の溝が5本しかなく、すべて同じ長さでキットのものより少し短い。
- ヘッドライト、ウィンカーはキットのものより大きい。
の2点です。これを踏まえてデータを作り直しました。
前回のデータでインパネがひずんでしまったことを踏まえ、今回のデータはラインを細かく分割しました。上手くいくかどうかわからないので、フロントグリルは1つのみで試すことにしました。
このデータでカットしてみると・・・
グリルの縦長の穴などが全く空いていない!しかも、形が前より歪になってしまっている・・・。分割したラインがつながらなかったようです。
今度こそ・・・
カットラインの分割はうまくいかないことが分かったので、分割しない状態でデータを作り直しました。
プラバンは0.1㎜のもの(タミヤの0.1㎜プラペーパー)を使用することとしました。さらに、カットスピードをデフォルトの「5」から「1」に変更しました。これらの変更により、何とかフロントグリルを上手く切り出すことが出来ました。
フロントグリルを切り出せるようになったので、さらにデータを改良しました。
まずインパネについては、くりぬく部分のサイズを小さく変更。また、フロントグリルは複数枚重ねて使用することとし、ラジエターの部分をくりぬくようにし、テールライト用のパーツも追加しました。
更に軍用トラック、兵員輸送車用のパーツも追加しました。(これらについては、次回説明します。)
軍用ジープのパーツ
軍用トラックのパーツ
兵員輸送車のパーツ
このデータで0.1㎜プラペーパーからパーツを切り出してみました。
インパネがまだ若干ひずんでいるようですが、これで良しとすることにします。
ところで「スキャンカット」用のカッティングマットとして強粘着タイプを用いたため、0.1㎜プラぺーーパーを取り外すときにヨレヨレになってしまいました。
次回カットするときには、何らかの対策がないか考えてみたいと思います。
軍用ジープ「ウィリス OR-39D ランドマスター」の製作
プラバンから切り出したパーツの組み立て
切り出したプラバンを貼り合わせてフロントグリルを製作しました。
まずフロントグリルで用いるものを並べました。
これを、一番左のものの上に、順番に右側のものを貼り重ねていきました。
↓
↓
そして最後に、長方形のプラバンを2枚重ねてフロントグリル下部に接着しました。
接着にはタミヤセメントの通常タイプのものを使用。すべて接着した後、クレオスのセメントSPをしみこませ、完全に乾燥するまでさわらないようにしました。
接着剤が固まったところでやすり掛けを行い、形を整えました。
インパネのパーツも2枚を貼り合わせておきました。
ボディの製作の続き
出来上がったフロントグリルを車体前面に接着。左側後部には1㎜角棒でアンテナ基部を作成して接着しました。
インパネは車体前部上面に接着しました。
車体後部にはジェリカンを接着。また、テールランプはプラバンから切り出したものを3枚重ねて接着しました。さらに運転席の床にプラ材の細切りを接着してペダルを再現しました。
ヘッドライトとウィンカーは塗装完了後にウェーブの「Hアイズ1」および「Hアイズ3」を使用する予定です。
対アーマーライフルの製作
車体が出来上がったので、次は対アーマーライフルを製作します。
対アーマーライフル本体(部品番号D41)には、左側にひけや突き出しピン跡があり、また謎の丸い穴も開いていました。また、右側は大きな肉抜き穴があけられていました。
これらを処理していきます。まず上部の取っ手のような部分は後で作り直すこととして取り外し、パーティングラインを処理しました。
左側の穴にはプラボウを差し込み、引けや突き出しピン跡には瞬間接着剤をパテ代わりに塗って平らに削りました。
一方、パーツ右側の肉抜き穴にはランナーから削り出したプラ材を接着。
ニッパーで余分を大雑把に切り取った後、隙間を瞬間接着剤で埋め、やすりで平らに均しました。
そして設定画を参考にして中央部に02㎜プラバンを貼りました。
次に照準器基部(部品番号D46)のパーティングラインを処理。グリップの基部を削り込んでくびれさせ、本体に接着しました。
また、後上部は少しくぼんでいるようなので、精密マイクロナイフで彫り込みました。
ここで使用したのはEIGERTOOLの「精密マイクロナイフTK02平刃・小」です。
照準器基部に取り付ける照準器(部品番号D45)は、円筒形の部分に突き出しピン跡があり、修正が難しそうでした。
そこで、この円筒部分は1.2㎜プラボウで置き換えました。また、設定画を参考に0.5㎜と0.8㎜のプラボウで各部に調整用のダイヤルのようなディテールを追加しました。
照準器基部のくぼませた部分には小さなダイヤルが付いているようなので、プラボウで再現。さらに各部にプラバンの小片を貼り付けてディテールを再現しました。
砲口は0.5㎜のドリルで開口。
最初に切り取った取っ手のような部分を0.35㎜洋白線で再現しました。
これで対アーマーライフル本体が出来上がりました。残るはバッテリー(部品番号D50)です。バッテリーは左右の取っ手が板状にモールドされています。
これを削り取り、0.35㎜洋白線に置き換えました。また、側面にはケーブルを取り付けるための穴を0.5㎜のドリルで開けておきました。
一通り加工が終わったので、クレオスMr.カラーGX-2「ウィノーブラック」を下塗りした後、クレオスMr.カラーC104「ガンクローム」を塗りました。
今回はここまでとし、細部の塗り分けは次回以降に行います。
次回は兵員輸送車と軍用トラックの製作を進めます。
最初はタミヤの「チッピング液」を試すために作り始めた「コンバットビークルセット」。予想外に手間のかかるキットでしたが、何とか軍用ジープが形になりました。
次回は軍用トラックと兵員輸送車の製作を進めます。
続く。
おまけ:猫の大福さん(32) ペットホテルから帰ってきた。
大福さん、ペットホテルではほとんど寝ていたようですね。
ウム。ペットホテルの係りの方がそう言っていたのだ。
触ったりしても全然噛みつかなかったようですよ。
そうだったね。いろいろ心配したけど、全然問題なかったのだ。
大福さん、1日のんびり過ごしたようですね。
我々は出かけることが出来たし、大福さんも無理にあちこち連れていかれるより良かったのではないかな?
家に帰ったら、おいしいものを食べさせてあげましょう。
ウム、そうするのだ!
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