ドラウィング1/48「コードロン C.630 シムーン」にはエンジンが付属しますが、組み立て説明書通りに製作すると機体に組み込まれて見えなくなってしまいます。
このエンジンを機体に組み込まず、前部隔壁、計器盤と組み合わせて機首内部として製作。ディスプレイスタンドも製作して単独で展示できるようにしました。
以下で説明します。
これまでのおさらい
エンジンが前部隔壁に取り付けられた状態で展示することとしました。そのため、機体に組み込む前部隔壁をプラ材で作成し、キットのパーツは使わずにとっておきました。
また、エンジン本体もある程度組立を行いました。
計器盤はエッチングパーツと組み合わせて使用するものと、単独で使用するものの2種類が用意されていました。機体にはエッチングパーツと組み合わせるものを組み込み、単独で使用するものは塗装して保管しておきました。
これらを使用してエンジン、前部隔壁および計器盤を組み合わせたものを機首内部として単独で展示できるようにします。
先にディスプレイスタンドを自作した。
機首内部を製作するにあたり、製作途中で保持するスタンドがあると便利だろうと考えました。そこで、先にディスプレイスタンドを自作しておくことにしました。
スタンド本体を製作した。
まず以下のプラ材から材料を切り出しました。寸法はエンジンや前部隔壁のパーツと比較しつつ適当に決めました。
- タミヤ プラ材 3㎜ H型棒
- タミヤ プラ材 3㎜ L型棒
- タミヤ プラ材 2㎜ 角棒
- タミヤ プラペーパー 0.2㎜厚
2㎜角棒の先端には前部隔壁を差し込みます。少し削って前部隔壁に差し込めるようにしました。そして切り出した材料からディスプレイスタンドを組み立てました。
ここで、試しに前部隔壁を取り付けてみました。どうやら支柱が長すぎたようです。
支柱を短くして先端に0.5㎜プラバンの細切りを接着。前部隔壁が左右に振れないようにしました。
また、全体をクレオスC311「グレーFS36622」で塗装しました。
キャスターを追加した。
ディスプレイスタンドにキャスターを取り付けて、博物館の展示物のような雰囲気を目指すことにしました。
まず「車輪を保持する部分」を作成します。2㎜角棒から2㎜あまりの小片を4つ切り出し、大きめのランナータグに瞬間接着剤で接着しました。
角棒の小片がしっかり固定されたのを確認した後、やすりで断面を整えつつ丸まった形に削りました。
そして真ん中に転輪が収まる溝を彫りました。また、2.4㎜プラパイプをおよそ1㎜幅で輪切りにして転輪を作成しました。
出来上がった「転輪を保持する部分」をランナータグから取り外しました。
瞬間接着剤は衝撃に弱いです。そこで、「転輪を保持する部分」にマイナスドライバーをあてがい、別のドライバーの柄で軽くたたくことで簡単に取り外すことが出来ました。小さな部品なので、飛んで行って無くなってしまわないようにするためにビニール袋の中で作業しました。
自作した「車輪を保持する部分」は回転軸を介してディスプレイスタンドに取り付けることにしました。1㎜のドリルで穴を開けて1㎜プラボウを接着。ディスプレイスタンドの底面には1.2㎜のドリルで取り付け用の穴を開けました。
そして塗装して接着しました。キャスターにはクレオスMr.カラーGX2「ウィノーブラック」を下塗りした後、ガイアカラーEx-7「Exシルバー」を塗りました。タイヤにはタミヤエナメル塗料XF-85「ラバーブラック」を筆塗しました。
ディスプレイスタンドが出来上がりました。
機首内部を製作した。
機首内部の製作では「赤い翼プロジェクト」のサイトで見つけた写真を参考にしました。
「赤い翼プロジェクト」で検索して、「パリの日本大使館員がフランスで見つけた日本」のリンクを開いてみてください。エンジン左側の写真が見つかると思います。右側の写真は見つからなかったので、想像で製作しました。
エンジンを製作した。
エンジン本体はすでにある程度組み立ててあります。これに色を筆塗しました。
使用した塗料は以下の通りです。
エンジン上部 | タミヤエナメル塗料 XF-5 | フラットグリーン |
エンジン左側下部 | クレオスMr.カラー C8 | シルバー |
シリンダーブロック | タミヤエナメル塗料 XF-56 | メタリックグレイ |
排気管 | クレオスMr.カラー C61 | 焼鉄色 |
排気管の先に付けられた機器 | クレオス40周年記念カラー02 | プリビアスシルバー |
エンジン後上部の筒状の機器 | クレオス40周年記念カラー02 | プリビアスシルバー |
エンジン上部を「フラットグリーン」で塗りましたが、これは古いミニなどのエンジンに塗られている耐熱塗料ではないかと思います。
左側の下部のシルバーの部分は機首の開口部から続く導風用のカバーのようなものかもしれません。また、排気管の先になにかの機器(部品番号F8)が付いていたり、シリンダーが下についていたりして、変わった形をしています。
次に、エンジン右側に取り付ける部品を切り出して、ある程度組み立てた後で塗装を行いました。
全体にクレオスMr.カラーGX2「ウィノーブラック」を下塗りした後、ガイアカラーEx-7「Exシルバー」を塗りました。
そして左側の曲がった棒のような部品(部品番号F6)の一部にタミヤエナメル塗料XF-85「ラバーブラック」を筆塗。
右側の部品(部品番号F16x2+F35)は、長丸の部分以外にクレオスMr.カラーC42「マホガニー」を下塗りした後、MC212「アイアン」を塗り、綿棒で軽く磨きました。
出来上がったものを所定の位置に接着しました。
取り付けた部品の長丸の部分(部品番号F35の一部)は、もしかしたらエアフィルターかもしれないと思いました。すると、部品番号F35の残りは通風管、その先につく部品番号F16はキャブレターとインテークマニホールドではないかと思いました。
いろいろと興味は尽きないですが、資料がないので確かなことは分かりませんでした。
追加工作を行った。
このエンジンのパーツですが、もともと「シムーン」の機体内部に組み込むものなので、先端のプロペラ軸が省略されています。
また、回転軸の斜め下には複雑な形状の機器が取り付けられていますが、キットでは省略されています。これらをそれらしく再現してみることにしました。
回転軸の製作
まずエンジン先端の回転軸の基部は短かったので、ウェーブの「プラ=パイプ3㎜肉薄パイプ」を接着して延長し、やすりで削って直径を合わせました。
次に回転軸を製作しました。回転軸は基部にかぶさる長方形っぽい形の穴が開いたパイプの部分と、その先に溝が切られた軸の部分で構成されています。
四角い穴が開いたパイプはウェーブの「プラ=パイプ 3.5㎜肉薄パイプ」で製作しました。まずマスキングテープにおよそ1.4㎜のメモリを等間隔で描いたものを貼り、これをガイドにしてケガキ針で穴を開けました。
ケガキ針で開けた穴を0.7㎜のドリルで広げ、さらにデザインナイフ、針やすりを使用して長方形っぽく穴を広げました。
形が不ぞろいで、あまり長方形っぽくないですが、部品が細かくてこれが限界でした。
パイプからパーツを切り出しました。そして内側を削り込んでエンジンの回転軸基部に取り付けられるようにしました。
残りの部分は2㎜と1.2㎜のプラボウと0.2㎜プラバンを組み合わせて製作。
0.2㎜プラバンから丸く切り出し、先に製作した長方形の穴が開いたパイプと組み合わせて接着しました。
1.2㎜のプラボウの側面にエッチングノコで溝を彫った後、クレオスMr.カラーGX2「ウィノーブラック」を下塗りした後、ガイアカラーEx-7「Exシルバー」を塗って出来上がりです。
エッチングノコで彫った溝が斜めになってしまいましたが、雰囲気は出たのではないかと思います。
エンジン先端の機器の追加
回転軸の斜め下に取り付けられた正体不明の機器も追加しました。正確な形状が分からなかったので、想像で雰囲気を再現しました。
まず0.5㎜プラボウを7本組み合わせて本体を作成。0.5㎜と1.2㎜のプラボウを追加してそれらしい雰囲気を出してみました。
全体にクレオスMr.カラーGX2「ウィノーブラック」を下塗りした後、ガイアカラーEx-7「Exシルバー」を塗りました。そしてタミヤエナメル塗料XF-1「フラットブラック」とXF-5「フラットグリーン」で各部を塗り分けました。
出来上がった正体不明の機器を所定の位置に接着。エンジン上部の筒状の機器は先端をXF-1「フラットブラック」で塗り、さらにハセガワの「マスキングテープ0.5㎜X16m」を貼って黒い帯を追加しました。
これでエンジン本体は完成とすることにしました。
前部隔壁にエンジンを取り付けた。
前部隔壁にはすでにガイアカラーNo.62「ミディアムブルー(FS35164インターメディエイトブルー)」が塗ってあります。操縦席側はこれで良いのですが、エンジン側は「赤い翼プロジェクト」の写真を参考にシルバーに塗ることにしました。
マスキングしてクレオスMr.カラーGX2「ウィノーブラック」を下塗りした後、ガイアカラーEx-7「Exシルバー」を塗りました。
前部隔壁のパーツをよく見ると、床板パーツを取り付けるための長方形の穴が開いたままでした。実物にはこの穴はないのでふさぐことにしました。
クレオスMr.カラーC8「シルバー」を塗った1㎜角棒でふさぎました。(本当は先にふさいで平らにしておくべきでした。)
操縦席側には2㎜の隙間が空くように2本の2㎜角棒を取り付けました。この隙間にディスプレイスタンドの支柱が組み合わさることでしっかり固定されるようにしました。
前部隔壁の操縦席側に接着した角棒は「インターメディエイトブルー」で塗りました。(写真を撮り忘れました。)
エンジンには前部隔壁に固定するためのフレーム(部品番号E5,E6)と支柱(部品番号F44,F45)が取り付けられます。
この支柱を真鍮線で自作することとし、キットのパーツを参考に0.4㎜真鍮線から支柱の材料を切り出しました。
「赤い翼プロジェクト」の写真を参考にフレームにタミヤエナメル塗料XF-16「フラットアルミ」とXF-1「フラットブラック」を塗りました。また支柱の基部はXF-2「フラットホワイト」で塗りました。そしてエンジンを前部隔壁に取り付けました。
最後に真鍮線に「メタルプライマー」を塗った後、タミヤエナメル塗料XF-2「フラットホワイト」を塗りました。
計器盤を作成して取り付けた。
以前塗り分けを行った後保管しておいた計器盤に、デカールを貼りました。
少しひずんでしまいましたが、デカールに切れ込みを入れたり、分割したり、マークソフターを利用したりして何とか計器盤の凹凸になじませました。
デカールが乾いた後、計器盤を取り付けました。接着面の塗料をやすりで削り落とした後、普通のプラモ用接着剤を使用しました。
計器盤の左端には、エッチングパーツで用意されたレバーを3つ取り付け、タミヤエナメル塗料XF-1「フラットブラック」を塗りました。
完成・・・と思ったけどもう少し手を加えた。
一通り全てのパーツを取り付けたので、「シムーン」本体と並べてみたのですが・・・
この写真では分かりづらいですが、追加した回転軸が長すぎて機首に収まりそうにない、ということが判明。回転軸基部も長すぎるようです。
そこで、回転軸とその基部を短縮することにしました。これに伴い、追加した正体不明の機器も短縮することにしました。
「赤い翼プロジェクト」の写真をよく見ると、この正体不明の機器の形状も特に先端が異なっていることが分かりました。そのため、形状も変更することにしました。
回転軸は差し込んであるだけなので、取り外して加工。軸部分の先端をカットした後、溝を彫った部分を短縮。回転軸基部もエッチングノコで先端を切り取りました。
先端部分を回転軸に接着。出来上がったものを回転軸基部に差し込みました。
正体不明の機器はセメダイン「ハイグレード模型用」で接着したので、簡単に取り外すことが出来ました。
先端に取り付けた横向きの棒を取り外し、全体の長さを短縮。先端に1.2㎜プラボウから切り出したものを接着し、その上に長さを縮めた横棒を接着しなおしました。
また、「赤い翼プロジェクト」の写真を参考に、グリーンの部分をXF-5フラットグリーンとXF-2「フラットホワイト」を混ぜたもので塗りなおしました。
ようやくエンジンも完成。先端部分を縮めたことで、イメージが良くなりました。
「シムーン」と並べてみましたが、機首内部にも上手く収まりそうです。
これで、当初予定していたものがすべて完成しました。
昨年9月に「そらはく」の企画展をみて「川崎 乙式一型偵察機」の製作を始めてから1年以上が経過してしまいました・・・。
どちらも手ごわいキットでしたが、なんとか無事に形になりました。
おまけ:猫の大福さん(31) ペットホテルを予約した。
久しぶりに一緒にそらはくに行きたいですね。
そうだね、だが大福さんが一人になってしまうのだ・・・・
では、ペットホテルで預かってもらうというのはどうでしょうか?
ウム。何かあった時のために、いずれ試してみないといけないね。では、予約をするのだ。
ど、どうでしたか?
ウム、予防接種の記録とおやつと大福さんのにおいが付いたおもちゃを持ってくるように言われたのだ。
そうなんですか。というか、なんか微妙な顔をしていますね。どうしたんですか?
ウ~ン、大福さんは大丈夫だろうか?さみしがったりしないだろうか?ホテルの人に噛みついたりしないだろうか?あとそれから・・・・
お、落ち着いてください!
オ、オギャァ
はたしてどうなることやら・・・
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