「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(そらはく)」で購入した「飛燕Ⅱ型改」が完成しました!博物館のイメージを再現してみました。
製作過程について説明します。
前回のおさらい
前回は機体にまだらシルバーの塗装を施しました。
主脚柱にはブレーキホースを追加。付け根の小さいカバーも取り付けました。この小さいカバーは、展示機では左側のみ取り付けられていました。
あともう少しで完成です。
機体各部の製作
主転輪カバー
主転輪カバーには、引き込み用のバーが付いていました。この引き込み用のバーを再現することにしました。
まず、0.4㎜真鍮線を曲げてバーを製作しました。やすりで表面を磨き、「メタルプライマー」を塗りました。カバーはすでに塗装済みです。
カバーに自作したバーを接着した後、カバーを機体に接着しました。
バーにガイアノーツWG02「みずいろ」を塗りました。そして、プラ材を台形に切り出して、機体とバーの間に接着しました。
最後に、台形のプラ材をWG02「みずいろ」とタミヤエナメル塗料XF-64「レッドブラウン」で塗り分けました。
各部の寸法は現物合わせで適当です。それらしく見えるように作り込んでみました。
各部の塗装
主翼、尾翼の動翼部分(エルロン、ラダー、エレベーター)は羽布の上にシルバーの塗料が塗られていました。
そこで、これらの動翼部分をタミヤエナメル塗料XF-16「フラットアルミ」で筆塗しました。
主翼端の翼端灯をクレオスC47「クリアレッド」、C50「クリアブルー」で、垂直尾翼左右の尾灯をC101「スモークグレー」で筆塗しました。
空中線
コックピットの後ろのアンテナ支柱と垂直尾翼の間には、空中線が貼られていました。
垂直尾翼側は、小さな突起が取り付けられており、その先に空中線がつながっていました。
この空中線を再現することにしました。
空中線の再現には、ナイロン糸を使用してみることにしました。使用したのは、フジックスのミシン糸「モノカラー スモーク」です。ナイロン糸はヨレているので、ドライヤーの温風を当ててまっすぐにしてから使用しました。
まず、垂直尾翼に突起を追加しました。0.4㎜ドリルで穴を開け、0.3㎜の真鍮線を削って作った突起を差し込みました。また、アンテナ支柱から少し後ろの機体上面に0.3㎜ドリルで穴を開けました。
次に、瞬間接着剤でナイロン糸をアンテナ支柱と尾翼の突起に接着しました。そして、短めに切り出したナイロン糸の片側を機体上面に開けた穴に差し込み、反対側をセメダイン「ハイグレード模型用」で先に張ったナイロン糸に接着しました。
垂直尾翼の突起にはクレオスC8「シルバー」を塗って出来上がりです。
ちなみにこのナイロン糸は、モデルアート別冊「艦船模型スペシャル No.52」を参考にして、いつか艦船模型で使用するつもりで購入しておいたものです。
ナイロン糸は安価ですし、カットもしやすいのでとても使いやすかったです。また、今回は行いませんでしたが、たるんでしまった場合に熱で収縮させることで、たるみを解消できるのもメリットです。
そのうち艦船模型でも使ってみたいと思いました。
ドロップタンクの製作
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」には、「木製」と書かれたドロップタンクがケースに収められて展示されていました。これを再現してみようと思います。
ドロップタンクの改造
キットのドロップタンクは、主翼下のラックに懸吊された状態を再現するためのパーツです。そのため、真ん中あたりに四角い穴が開いています。
実際のドロップタンクにこのような穴はなく、代わりに四角いパネルから棒が突き出ていました。また、配管を接続するためと思われる短いパイプも取り付けられていました。そして、棒の突き出たパネルの前には、「木製」と書かれたラベルが貼られていました。
この四角いパネルと棒を再現するため、キットのタンクの四角い穴に1㎜カクボウを差し込んで接着しました。この時、少し突き出る感じに接着して、四角いパネルを再現しました。
この四角いパネルからは、黒っぽい棒が突き出ていました。0.3㎜のドリルで穴を開けて、伸ばしランナーを接着しました。また、四角いパネルの直後の短いパイプは0.65㎜のプラボウで再現しました。
「改造完了、あとは色塗り」と思ったのですが・・・よく見ると形が違う!
本物は、キットのドロップタンクと比べて後半部分のすぼまり具合が緩やかです。博物館のドロップタンクは木製ということもあり、通常のものとは形状も異なるのでしょう。
このまま見なかったことにしようか、と少し迷いましたが、博物館のドロップタンクには何か特別なものを感じます。何しろ「木製」というラベルも貼られていることですしね。
そこで、キットのドロップタンクを改造して、木製ドロップタンクの形状を再現することにしました。材料として、ウェーブの「肉薄プラパイプ」を使用しました。
キットのドロップタンクは直径が6.2㎜でした。そこで、外径6㎜から1㎜刻みで3㎜までのプラパイプを用意しました。
キットのドロップタンクを参考に、現物合わせで適当な長さに切り出しました。また、3㎜プラパイプの開口部をふさぐための棒を、ランナーを削って用意しました。
プラパイプを瞬間接着剤で接着しました。瞬間接着剤を多めに塗ることで隙間を埋めました。そして、やすりで削ってドロップタンクの形に仕上げました。タンク後端のスジボリを再現するため、一カ所は接着せず、2つの部品となるように加工しました。
出来上がった2つの部品を組み合わせて、タンク後端に隙間ができることでスジボリを再現しました。
部品が小さいので、タンク後部を5㎜のプラパイプにはめ込み、持ち手としました。こうすることで、やすり掛けの時に保持しやすくなりました。
パイプの継ぎ目が上手く消えているかを確かめるため、クレオスC13「ニュートラルグレー」を筆塗しました。継ぎ目が消えるまで、やすり掛け、筆塗を繰り返しました。
無事にタンク後半部分が出来上がったので、ドロップタンクを後半のスジボリの部分で切断しました。
新しく作ったタンク後半部分を接着して出来上がりです。接着した後、軽くやすりをかけて形を整えました。
ドロップタンクの塗装
博物館に展示されていたドロップタンクの色は、少し緑がかったグレーでした。そして、全体に白っぽい埃のような汚れが付いていました。この雰囲気を再現してみようと思います。
まず全体をクレオスC60「RLM02グレー」で塗りました。溶剤で希釈し、リターダーを加えて筆塗しました。後端の丸いスジボリの部分にサインペンの黒が残ってしまいましたが、スミ入れを行ったような雰囲気なのでこのままとすることにしました。
次に、白っぽい埃のような汚れを再現するため、クレオスウェザリングカラーWC05「マルチホワイト」でウェザリングを行いました。また、スジボリの部分にはWC06「マルチグレー」でスミ入れを行いました。
最後に、細部をタミヤエナメル塗料で塗り分けました。
パイプ類と四角いパネルから突き出た棒をXF-56「メタリックグレイ」、四角いパネルをX-11「クロームシルバー」で筆塗しました。また、ラベルはX-11「クロームシルバー」とX-18「セミグロスブラック」で筆塗しました。細かくて文字までは再現できませんでした。
ドロップタンク展示ケースの製作
ドロップタンクを展示するためのケースも製作しました。まず、0.5㎜プラバンからテーブル状の展示ケースの天板の部分を切り出しました。
次に、1㎜カクボウで足を作って接着しました。
天板の上にはドロップタンクを保持するスペーサーを取り付けました。1㎜カクボウを接着し、やすりで削って真ん中をくぼませました。
透明なケースは、紅茶のパッケージに使われていた塩ビ板を材料として製作しました。
まず、ケースの上面と側面がつながった十字型のものをカッターで切り出しました。上面と側面がつながっている部分を折り曲げやすくするため、軽くカッターでなぞっておきました。
全体をハセガワ「セラミックコンパウンド」で磨いた後、ハセガワ「コーティングポリマー」を塗って傷を目立たなくしました。そして、側面を折り曲げてカバーとしました。
側面同士を接着しようとしましたが、上手くいきませんでした。そのため、少し開いてしまっています。良い方法が見つかるまで、このままとします。
テーブル側をクレオスC311「グレーFS36622」で筆塗。ドロップタンクと透明カバーを接着して完成です。
ディスプレイベースの製作
ディスプレイベースは、ホームセンターで購入したMDFの飾り台を使用して製作しました。
博物館では、少し暗めの展示室で「飛燕」がスポットライトを浴びていました。床はグレーの絨毯で、周りの壁は黒く塗られていました。薄暗い展示室の中で、スポットライトを浴びたシルバーの「飛燕」が浮かび上がり、とても印象的でした。
これをイメージして、飾り台にリキテックスを筆塗しました。「アイボリーブラック」と「チタンホワイト」を混ぜてグレーを作り、真ん中が微妙に明るくなるように塗りました。
壁は100円ショップで購入した黒い色画用紙と黒いマスキングテープで製作しました。
周囲の壁に見立てて、2面に黒い色画用紙を取り付けました。購入した画用紙の短辺の長さが飾り台の上面とちょうど同じ長さでした。そこで、真ん中でカットしてマスキングテープで固定しました。
「さわるな」の標識も製作しました。PCでデータを作ってプリンタで印刷したものを丸く切り抜いて、白く塗装した0.3㎜真鍮線に貼り付けました。
ディスプレイベースに乗せて完成!
「飛燕Ⅱ型改」と「ドロップタンク」をディスプレイベースに乗せてみました。「さわるな」の標識は0.3㎜のドリルで穴を開けて差し込みました。
機首下面の丸みや主脚柱のオレオ部分など、妥協した部分もありますが、シルバー塗装を工夫して何とか博物館の展示機のイメージに近づけてみました。
木製ドロップタンクは展示スペースの隅に配置しました。
博物館のイメージが再現されているでしょうか?(柵を追加したほうが良いか・・・)
こうして形にしてみると、博物館で見た「飛燕」の印象が脳内に蘇ってきます。博物館で実機を見るのは楽しいですね!
また訪れたいと思います。
おまけ:子猫の大福さん(25) 撮影ブースはもらったよ。
オギャァ!
なんだ、なんだ、一体どうしたのですか?
さ、撮影ブースが・・・
あれれ、すっかり占領されちゃってますね・・・
完成した「飛燕」を撮影したいのだが、どうすればいいのだ・・・
すっかりくつろいじゃってますよ!
仕方がない。大福さんがどこかに移動するまで待つとするか・・・
あれ、寝てしまいましたよ。よほど居心地が良いのですね。
こりゃ、撮影ブースはしばらく使えないね。
コメント