バンダイのメカコレクション「コスモゼロ」で、シルバーの塗装を試してみました。
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(そらはく)」に展示してある「飛燕Ⅱ型改 試作17号機」のイメージを再現するための塗装方法を、実際に「コスモゼロ」を塗ることで調べてみました。
せっかくなので、「コスモゼロ」も軽く作り込んで完成させました。以下で順を追って説明します。
準備
シルバー塗装について調べた。
まず、シルバー塗装のテクニックを書籍で調べてみることにしました。今回再現したいのは、博物館に展示されている「飛燕」です。この「飛燕」の機体には塗装が行われておらず、磨かれたシルバーが斑模様を描いていました。
「飛燕」のような、無塗装で磨かれた金属に現れるシルバーの斑模様を塗装で表現したいと思います。何かヒントはないかと以下の書籍を調べてみました。
- モデルアート [プラモハンドブックシリーズ] 「模型用シルバー塗装 完全カラーマニュアル」
- モデルアート2022年4月号臨時増加「メタリック塗装攻略のメソッド」
様々な方法が紹介されていましたが、特にハセガワの「熊野筆シリーズ ぼかし筆」を用いて筆塗する方法が目を引きました。そこで、色合いの異なるシルバーを筆塗で塗ってみることにしました。
また、書籍を参考として、あえて下塗りは行わず、直接シルバーを塗ることにしました。
「コスモゼロ」の形を整えた。
今回塗装したのは、すでに組み立て済みの「コスモゼロ」です。我が子が幼いころに組み立てたもので、ゲート跡やパーティングラインなどがそのまま残っており、部品の継ぎ目も処理されていません。
着陸脚は収納状態で製作されています。前輪のカバーがずれてしまっています。また、前輪収納部の後方に丸い穴が開いています。ここにはスラスターのノズルがあるはずです。前輪のカバーと機首のスラスターには手を加えることにしました。
まず、部品の継ぎ目の目立つ部分に瞬間接着剤をしみこませ、やすりで削って継ぎ目をふさぎました。この時、パーティングラインやゲート跡も同時に削り落としておきました。
次に、機首左右のスラスターを取り除き、下面の穴をドリルとやすりで広げておきました。また、前輪のカバーも取り外し、ドリル、デザインナイフ、やすりを用いて形を整えておきました。
スラスターには、コトブキヤのパーツを使用します。左右のスラスターには、P106R「丸ノズル」より直径2㎜のものを、下面のスラスターにはP109「バーニアノズルⅡ」より直径4㎜のものを使用することにしました。
スラスターをランナーから切り出し、ゲート跡を整形しておきました。また、残っていたランナーを加工して閉じた状態のカバーを自作しました。
スラスターは機体を塗装した後に接着することとし、前輪のカバーのみ接着しておきました。
下地処理ですが、資料には800番までのサンドペーパーで水研ぎすれば十分という記述がありました。800番のサンドペーパーが手元になかったので、1000番のサンドペーパーを使用しました。
また、資料を参考に、今回は下塗りは行わず、直接シルバーを筆塗することにしました。
シルバー以外の塗装を実施
シルバーを塗装した後にマスキングを行うと、シルバーの塗装面にダメージを与えてしまうかもしれません。そこで、先にシルバー以外の部分を塗装しました。
使用した塗料は以下です。クレオスGX1「クールホワイト」で下塗りした上に塗装しました。
- クレオスC113「RLM04イエロー」
- クレオスC114「RLM23レッド」
- タミヤエナメル塗料XF-1「フラットブラック」
シルバーの塗装
いよいよシルバーの塗装です。
まず始めに、クレオスC8「シルバー」を筆塗しました。ハセガワの「熊野筆シリーズ ぼかし筆(大)」を使用して、少しづつこすりつけるように塗りました。
シルバー以外の色との塗り分けが難しかった部分では、マスキングテープを併用しました。
塗料が乾燥したところで、布で磨きました。写真では分かりづらいですが、金属感が増したように感じられました。斑模様にしないのであれば、これで十分かもしれません。
面白くなって、さらに磨いたら、色が剥げてきてしまいました。ほどほどにしてやめておいた方がよかったですね。(後でC8「シルバー」でタッチアップしておきました。)
次に、C8「シルバー」とは色合いが異なるシルバーを塗り重ねて、まだら模様の再現を試みました。
クレオスC90「シャインシルバー」やC104「ガンクローム」を「ぼかし筆(小短)」を使って塗り重ねてみましたが、思ったような雰囲気になりませんでした。
そこで、クレオス40周年記念カラー「プリビアスシルバー」を面相筆で塗ってみました。これでようやく斑模様のシルバーを再現することが出来ました。
ただし、シルバーの色の差が不十分で、博物館の機体のようなはっきりしたまだら模様にはなっていません。
最初に塗ったC8「シルバー」を若干暗めにすると、より斑感が強調されて、博物館の「飛燕」に近づきそうです。また、2度目に塗るシルバーはタミヤエナメル塗料X-11「クロームシルバー」でもよいかもしれません。
「コスモゼロ」はこのまま仕上げることにしました。
仕上げ
各部の塗装と組み立て
用意しておいたスラスターにクレオスC61「焼鉄色」を塗り、機首左右および下面に接着しました。
キャノピーのガラス部分にはタミヤエナメル塗料X-13「メタリックブルー」を筆塗しました。
機首下面の機銃も塗装しました。タミヤエナメル塗料X-10「ガンメタル」を筆塗し、周囲にクレオスウェザリングカラーWC01「マルチブラック」で汚し塗装を行いました。
ウェザリングを試してみた。
各部の塗り分けが完了したので、クレオスウェザリングカラーWC02「グランドブラウン」でウェザリングを行ってみました。ウェザリングカラーは専用溶剤で薄めました。そして、機首から後ろに向かってウォッシングとスミ入れを同時に行うような感じに塗りました。
すると、写真ではちょっとわかりづらいですが、シルバーが微妙にくすんだ感じになりました。
少しくすんだシルバーに、さらにシルバーを塗り重ねれば、より複雑なまだら模様になりそうです。そこで、試しにタミヤエナメル塗料X-11「クロームシルバー」を面相筆で塗り重ねて、まだら模様を追加してみました。
コックピット左右のマーキングはタミヤエナメル塗料XF-2「フラットホワイト」およびXF-7「フラットレッド」で塗り分けておきました。そして、機首左右の「01」および垂直尾翼の「0-5201」の文字にはX-18「セミグロスブラック」を塗りました。
垂直尾翼の文字にもX-18「セミグロスブラック」を塗り、機体上面のインテイクのような部分にはXF-56「メタリックグレー」を塗りました。
まとめ
シルバー塗装について
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」に展示してある「飛燕Ⅱ型改 試作17号機」のイメージで塗装を行うにはどうすればよいか、実際にシルバーを塗って調べてみました。
その結果、以下の方法で塗装を行えば良さそうである、ということが分かりました。
- 塗装する面を800番のサンドペーパーで水研ぎしておく。(今回は1000番を使用しました。)
- ハセガワの「熊野筆シリーズ ぼかし筆(大)」を使用して、クレオスC8「シルバー」を少しづつこすりつけるように筆塗する。
- 十分乾燥させた後、軽く磨く。
- 面相筆を使用して、クレオス40周年記念カラー「プリビアスシルバー」で斑を描き込む。
- クレオスウェザリングカラーWC02「グランドブラウン」でウェザリングを行う。
- 面相筆を使用して、タミヤエナメル塗料X-11「クロームシルバー」で斑を描き込む。
最初に塗るC8「シルバー」は、少し暗めに調色してもよさそうです。また、「プリビアスシルバー」はC8「シルバー」とは色合いの異なる「シルバー」であれば、なんでも良さそうです。
現在製作中の「飛燕Ⅱ型改」に、この方法でシルバー塗装を行ってみることにします。
メカコレ「コスモゼロ」
メカコレの「コスモゼロ」に軽く手を加えてみました。古いキットなのですが、色を塗っていて思いのほか楽しかったです。
今回は機首のスラスターと前輪カバーに手を加えたのみですが、機首のアンテナ、主翼前縁やエンジン噴射口などに手を加えて作り込んでみるのも面白そうです。
「コスモゼロ」は、リニューアルされた「宇宙戦艦ヤマト2199」版も新メカコレとして発売されています。以前製作したものがあるので並べてみました。
「2199」版の「コスモゼロ」は、細部がリファインされているだけでなく、機体そのものが細くアレンジされているのが分かりますね。
これはこれでかっこいいですが、リニューアル前の「コスモゼロ」も個人的には捨てがたいです。
ちなみに古い方のメカコレ「コスモゼロ」は、バンダイ1/1000の「国連宇宙海軍 連合宇宙海軍セット2」におまけとして付属しています。
いくつか所有しているのですが、作らないのはもったいないです。いつになるかは分かりませんが、そのうち製作してみようと思います。
続く
おまけ:子猫の大福さん(23) 夢の中での出来事(2)
前回は夢に大福さんが出てくる話でしたね。ちょっとうらやましいなぁ。
ウム。実は、以前にも大福さんが夢の中に出てきたことがあったのだ。
なんですって!また人間の姿をしていたのですか?
いや、その時は、子猫の姿だったのだ。
そして、子猫の姿のままで、「ジュースを飲ませてください」と言ったのだ。
人の言葉をしゃべったのですか! 相変わらずぶっ飛んだ夢を見ていますね・・・
あ!もしかして・・・
ムムム、何か不審な点でも・・・
おまけコーナーの「〇〇させてください」というタイトルは、ここからきているのでは?
その通りじゃ。
なんだか、変わったタイトルを連発するな、と思っていたのですよ・・・
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