アオシマ1/700の「日本海軍駆逐艦 初春1941」を製作しています。
当初は艦載艇の交換と舷窓の開口を実施する程度で、後はストレートに製作するつもりでした。しかし、製作しているうちに「初春」の装備の変化が気になり、調べてみました。
前回のおさらい
このキットの注意点は、「初霜1945」の船体が流用されていて、一部の舷窓が蓋で閉塞されていることです。閉塞されていない舷窓には、庇が再現されています。そのため、庇をすべて削り落とすか、あるいは、閉塞された舷窓を開口した時に庇を追加しないといけません。
これに対処するため、今回は蓋の真ん中に穴を開けて、下半分を削り落としました。これにより、舷窓と庇を再現しました。
前回は、船体の前半の舷窓を開口しつつ、各部品の組み立てを進めました。
少し手を加えました。
前回「出来るだけキットのパーツを生かす」と書きました。細かいことは気にせずに製作するつもりでしたが、どうしても気になってしまい、少し手を加えてしまいました。
2番砲塔
2番砲塔としては「12.7㎝単装砲A型」が用意されていました。砲塔左前の照準器カバーが丸っこいのが特徴です。
初春型駆逐艦には、当初この「12.7㎝単装砲A型」が装備されていました。しかし、性能改善試験の際に改造が施され、名称も「12.7㎝単装砲A型改」に変わりました。
そこで、キットの2番砲塔を「12.7㎝単装砲A型改」っぽくするべく、照準器カバーの上部をやすりで削って平らにしました。
爆雷装填台
爆雷装填台はピットロード「新艦船装備セット5」のものに交換しました。
このパーツ、小さいながらスライド金型が使用されていて、上下左右の各面にモールドが彫られています。特に、上面の格子のモールドは目につくので、とてもリアルに感じられます。
キットの部品の代わりにこの部品を接着するだけなので、とても手軽にディテールアップできました。
組み立て説明書に従い、ここまで組み立ててしまいました。艦尾に爆雷投下軌条(細長い四角柱のもの)が装備されていますね・・・
気になったので調べてみると・・・
爆雷投下軌条は、開戦時の「初春」には装備されていなかったはずです。そこで、以下の書籍で調べてみました。
- グランプリ出版「軍艦メカニズム図鑑 日本の駆逐艦」
- 光人社 「日本海軍艦艇写真集 駆逐艦 初春型 白露型 朝潮型 陽炎型 夕雲型 島風」
- モデルアート別冊「艦船模型スペシャル No.41」
爆雷投下軌条について
キットの組み立て説明書では、爆雷投下軌条のパーツ(部品番号B4)を艦尾に接着するように指示されています。
一方、「日本海軍艦艇写真集 駆逐艦 初春型 白露型 朝潮型 陽炎型 夕雲型 島風」によると、爆雷投下軌条が装備されたのは昭和17年(1942年)~18年(1943年)という説があるようです。(これには「一説によると」という但し書きがついています。)
また、「艦船模型スペシャル No.41」では、アオシマの「初春1941」の爆雷投下軌条はオプションパーツとされており、1941年の状態を製作する際は使用しないこととされていました。
これらを考慮すると、1941年の状態で「初春」を製作する際は、爆雷投下軌条を接着しない方がよさそうです。
現在製作しているのは、いつの姿なのか?
これに気が付いた時には、艦尾の装備を組み立て終わり、塗装も行ってしまっていました。いまさら爆雷投下軌条を取り外すのは、かなり勇気が必要です。
では、1942年~1943年頃の姿とすればつじつまが合うのでしょうか?
ここで、注意するべき点は、対空兵装強化の時期です。初春型駆逐艦の対空兵装ですが、まず第2煙突左右の40㎜単装機銃が25㎜3連装機銃に換装され、その後2番砲塔の撤去と艦橋前および2番砲塔撤去後への25㎜3連装機銃の装備、船体各部への単装機銃の装備と強化されていったようです。
2番煙突左右の機銃の換装時期ははっきりしませんでしたが、1942年7月に撃沈された「子日」は第2煙突左右の機銃の換装は行われなかったようです。一方1943年6月には煙突左右の機銃が25㎜3連装機銃に換装されていたようです。
これらをまとめると、1942年の後半から1943年初旬にかけて、煙突左右の40㎜単装機銃を残しつつ、艦尾に爆雷投下軌条を装備した可能性がありそうです。
現在製作している「初春」の煙突左右には40㎜単装機銃が装備されています。そのため、1942年後半ごろの姿とすれば辻褄はあいそうです。
各部を塗装しながら組み立てた。
ある程度形になってきたところで、エアブラシを使用して塗装しました。そして、筆塗で細部を塗り分けながら組み立てを行いました。
基本塗装
まず、これまでに組みあがった部品を塗装しました。
組み立て説明書では、喫水線下をクレオスC29「艦底色」で塗るように指示されていますが、「艦底色」は暗すぎると感じましたので、好みでクレオスC81「あずき色」で塗装。次に、甲板のリノリウム部分にクレオスSC06「リノリウム色」を塗りました。そして、喫水線より下とリノリウム甲板をマスキングして、クレオスC32「軍艦色2」で塗装しました。
SC06「リノリウム色」は、以前はセットで発売されていましたが、現在はC606「リノリウム色」として単独で販売されています。品番が違うだけで、同じものです。
全体にクレオスウェザリングカラーWC02「グランドブラウン」でウェザリングを実施。船体側面には、さらにWC08「ラストオレンジ」で錆を追加。さらに全体が暗くなってしまったので、WC05「マルチホワイト」を部分的に塗って色を調整しました。
リノリウム押え金具
「海防艦 国後」製作時に、リノリウム押え金具の再現について4つの方法を試しました。今回は、このうち「色鉛筆を使った方法」で塗ることとし、「カリスマカラー」という油性色鉛筆で塗りました。
「海防艦 国後」のリノリウム押え金具については、以下をご覧ください。(新しいタブで開きます。)
油性色鉛筆は、エナメル溶剤などで溶けてしまいます。そのため、先に甲板をウェザリングしました。クレオスウェザリングカラーWC02「グランドブラウン」を使用しました。
リノリウム押え金具の片側にマスキングテープを貼り、リノリウム押え金具のモールドの上を色鉛筆で撫でるように塗りました。マスキングテープをずらしつつ、甲板全体を塗りました。
はみ出した部分はエナメル溶剤でふき取りました。かなり細い部分なので、拡大鏡で見ながら塗りました。今回はこれ以上きれいには塗れませんでした。
探照灯
キットには、探照灯のクリアパーツが付属しています。
まず、レンズ部分を除いてクレオスC8「シルバー」を筆塗しました。はみ出した部分は、溶剤を含ませた面相筆でふき取りました。そして、1日ほど放置してシルバーを乾燥させた後、クレオスC32「軍艦色2」で筆塗しました。
信号探照灯(部品番号3)は、小さすぎてレンズ面を上手く塗り残せたかどうかわかりづらかったです。卓上ライトで照らして様子を見ながら塗り分けました。
探照灯(部品番号2)を第2煙突後の探照灯台に接着しました。
探照灯台と機銃座の周囲は、キャンバス張りの状態を再現するため、タミヤエナメル塗料XF-57「バフ」を筆塗しました。
艦橋
探照灯を塗装する際、同時にクリアパーツで用意されている艦橋窓の支柱部分も筆塗しました。
すでに塗装しておいた部品と組み合わせて艦橋を組み立てました。上部左右には、信号探照灯も取り付けました。
右の舷灯はクレオスC8「シルバー」を下塗りした上にガイアカラーエナメルGE-10「蛍光グリーン」を塗りました。また、左の舷灯は「シルバー」、「レッド」と塗り重ねた上にGE-07「蛍光レッド」を塗りました。
写真では分かりづらいですが、ブラックライトを当てると、舷灯が光っているように見えます。
魚雷
魚雷発射管には魚雷がモールドされています。この魚雷をクレオスC8「シルバー」とタミヤエナメル塗料XF「セミグロスブラック」で筆塗しました。
一筋縄ではいかなかった。
主砲は、組み立てる前にC32「軍艦色2」で塗装し、砲身基部のキャンバスカバーをクレオスC45「セールカラー」で筆塗しました。
そして、砲身を砲塔に接着しました。
単装砲はすんなりと組み立てられましたが、連装砲は砲塔とキャンバスカバーが干渉して、上手く組み立てられませんでした。そこで、干渉する箇所をやすりで削りました。
やすりで削り落とした部分に「セールカラー」を塗り直し、砲身が平行になるように気を付けながら組み立てました。キャンバスカバーの上面にクレオスウェザリングカラーWC06「マルチホワイト」を塗り、色を調整しました。
出来上がったパーツを組み合わせて、仮組を行ってみました。完成に近づいてきました。
次回は艦載艇の取り付けなどを行います。
続く
おまけ:子猫の大福さん(14) 日帰り入院します。
ニャァ、ニャァ・・・
大福さん、あちこちうろついて、落ち着きがないですね。
ウム、食べるものを探しているのだ。
じゃぁ、ごはんを・・・あれ、ごはんのお皿がない!
実は明日、日帰り入院するのだが、夜の7時以降はごはんをあげないようにと言われているのだ・・・
入院!どこか悪いのですか?至って元気に見えますが???
去勢をしないといけないのだョ。あと、マイクロチップも入れるのだ。
そうだったのですね・・・飼い主の責任ですね。
でも、頭では分かっているが、心の中では葛藤が・・・
とにかく、はやく何かを食べさせてあげたいのだ。
頑張れ、大福さん。
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