みなさん、こんにちは。青木鳥です。
昨年(2021年)の8月から9月にかけて、メビウスモデル1/350「ディスカバリー号」の製作過程を紹介してきました。
9月に完成した後、放置状態でしたが、ここで改めて完成品をご紹介いたします。
ディスカバリー号
ディスカバリー号は映画「2001年宇宙の旅」に登場する宇宙船です。太陽系外惑星探査用の有人宇宙船という設定で、5名の乗員のうち、3名は目的地に到着するまで冷凍睡眠装置で眠って過ごします。
細長い船体の前端に球形の居住区画が、後端に原子力エンジンが配置されています。居住区画とエンジンは細長いシャフト状の船体でつながれ、シャフト周辺はカーゴポッドで埋められています。
船体中央後寄りには、地球と交信するためのアンテナモジュールが設置されています。左右の小アンテナで地球に狙いを定め、真ん中の大きなアンテナで交信を行います。
球形の居住区画は、下部に3つのエアロックを持つ「宇宙ガレージ」が配置され、内部に3台の「スペースポッド」や宇宙服などを格納しています。
また、居住区の赤道部分の内側には、直径35ft(およそ10m)のリング状の部屋が内装され、これが自転することで人口重力を発生します。
映画では、直径10mの部屋で乗組員が活動する様子も映されます。人口重力下での活動の様子は一見の価値があると思います。こんな場所で何か月も過ごして目的地を目指すのは、どんな気持ちなのでしょうか?
映画「2001年宇宙の旅」
「ディスカバリー号」は、映画「2001年宇宙の旅」の後半において、物語の主要な舞台として活躍します。
アステロイドベルトを抜けて木星を目指す「ディスカバリー号」で、一体どのような事件が発生するのか?
「2001年 宇宙の旅」はSF映画史上に残る名作とされていますが、一方で非常に難解な映画でもあります。
初めて見たときは睡魔と戦いましたが、2回目以降は最後まで楽しんでみることができました。挫折した方も、もう一度トライしてみるとよいかもしれません。
映画「2001年 宇宙の旅」については、以下もご覧いただければと思います。(新しいタブで開きます。)
【映画】劇場で映画「2001年宇宙の旅」を観てきたら、「ディスカバリー号」を作りたくなった
映画「2010年」
「2001年 宇宙の旅」には続編があります。小説では、「2010年 宇宙の旅」、「2061年 宇宙の旅」そして「3001年 終局への旅」と続きます。このうち、「2010年 宇宙の旅」は「2010年」として映画化されています。
小説は全てアーサー・C・クラークが手掛けています。実は小説の「2001年 宇宙の旅」と映画の「2001年 宇宙の旅」では大きく異なる部分があるのですが、続編である小説版「2010年 宇宙の旅」は映画「2001年 宇宙の旅」の内容を踏襲しています。(ややこしいですね。)
従って、小説「2010年 宇宙の旅」は映画「2001年 宇宙の旅」の続編と言える内容で、映画「2010年」も矛盾なく「2001年 宇宙の旅」とつながります。とはいえ、小説「2001年 宇宙の旅」でのみ明かされた内容も踏まえています。
監督はスタンリー・キューブリックではなく、ピーター・ハイアムズです。「2001年 宇宙の旅」とは全くテイストが異なる映画です。あまり話題にはならないのですが、個人的には好きな映画です。
小説版の「2001年 宇宙の旅」や、木星についての知識に目を通してから鑑賞すると、より楽しめるのではないかと思います。
そして、DVDのパッケージからも分かるように、この映画にも「ディスカバリー号」が登場します。
「2001年 宇宙の旅」での謎は解けるのでしょうか?
製作時のポイント
映画の話で脱線しましたが、メビウスモデルのキットに話を戻します。このキットはストレートに製作しても十分楽しめる内容でしたが、よりリアルに仕上げるためにLEDを組み込んで、居住区画の窓を光らせてみました。
キットの概要、製作時の注意点なども含めて説明します。
キットについて
メビウスモデルの1/350「ディスカバリー号」ですが、船体全体に細かいモールドが施された精密なキットです。また、部品の継ぎ目がモールドと極力干渉しないような配慮もされています。
突き出しピンの配置やアンダーゲートの採用など、完成後のディテールを極力損なわない設計がなされており、とても印象の良いキットでした。
組み立て時の注意点
カーゴポッド
船体前後をつなぐシャフトの部分に大量のカーゴポッドを取り付けます。カーゴポッドには種類があり、それぞれ取り付ける位置が決まっています。
袋に入れて分けておくことで、混ざらないように気を付けました。
継ぎ目の処理
処理するべき継ぎ目は少ないですが、エンジン噴射口の円筒部分、船体前後をつなぐシャフトの部分に継ぎ目ができます。
特に厄介なのがシャフト部分の継ぎ目です。
部品の継ぎ目で分割されてしまうモールドを、伸ばしランナーを貼ることでつなげたり、隙間をパテで埋めたりして修正しました。
完成後は、カーゴポッドの影に隠れてあまり見えなくなる部分なので、それほど神経質にならなくても良さそうです。
居住区画窓の電飾
この「ディスカバリー号」の居住区画にLEDを組み込んで、窓を光らせてみました。
居住区画上部にLED、ボタン電池、スイッチを組み込みました。
居住区画下部を取り外し式として、電池の交換、スイッチの操作を行えるようにしました。
部屋の照明のような雰囲気を出すため、窓の内側に部屋を作り込み、天井からLEDで照らしました。
作り込んだ部屋はプラ板を組み合わせて製作しました。製作した当時は気がつきませんでしたが、LEDの光がプラ板を透過することで、部屋全体が白っぽく光っているように思います。
それらしく見えるので、結果オーライです。
ディスプレイベース
ディスプレイベースも用意されています。船体の3か所を3つのディスプレイベースで支えます。
このディスプレイベースの使い勝手が非常に悪く、すぐに倒れてしまいます。
そこで、100円ショップで木の板を購入し、ディスプレイベースを接着しました。
これでディスプレイベースが倒れなくなり、非常に持ち運びしやすくなりました。
塗装
キットの組み立て説明書では、船体色として「マットホワイト」が指定されていますが、映画のイメージでライトグレーで塗装することにしました。船体色としてクレオスC338「ライトグレーFS36495」を選びました。
塗装は組み立てと並行して行いました。居住区画はLEDの組み込みや窓枠を黒く塗り分けるため、ある程度先に塗ってしまいました。
船体各部が形になった時点で、影になる部分にクレオスC13「ニュートラルグレー」を塗装。
船体が組みあがったところで、窓をマスキングして船体色を塗装しました。エアブラシを使用して、奥まった部分を塗り残すように塗装しました。
タミヤスミ入れ塗料「ダークグレイ」で全体に汚し塗装を施しました。
居住区画のグレーの部分はタミヤエナメル塗料XF20「ミディアムグレー」を筆塗りしました。
ほとんど単色で塗り分ける部分も少ないので、陰影を強調したり汚れを追加したりして、単調にならないように気を付けて塗装しました。
製作過程(リンク)
「ディスカバリー号」の製作過程へのリンクをまとめておきます。以下をご覧ください。
(3)ディスプレイベースの改良、木星空域の彼方に何が見えるのか?
ご覧いただき、ありがとうございました。メビウスモデル1/350「ディスカバリー号」でした。
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