以前製作したタミヤ1/48「フォッケウルフFw190A-8/R2」をご紹介いたします。
フォッケウルフFw190A-8/R2
「フォッケウルフFw190A-8」は、1944年2月から終戦まで生産された「Fw190A」の最終量産型です。そして「Fw190A-8/R2」は「Fw190A-8」の武装強化型です。
標準型の「Fw190A-8」は、主翼の内翼と外翼に各1門、左右の主翼で合計4門の20㎜機関砲(MG151/20)を備えていました。「Fw190-A8/R2」では、このうち外翼の2門が30㎜機関砲(Mk108)に換装されていました。
今回紹介するタミヤのキットでは、コックピット周りの防弾板やキャノピーの防弾ガラスも再現されています。そこで、「R2」仕様と防弾装備の関係を書籍で調べてみました。
まずは、古い「モデルアート臨時増刊号」や「世界の傑作機」に「R仕様」の内容がリストアップされていました。
これらによると、
- R2:外翼の武装を30㎜機関砲(Mk108)に換装した武装強化状態
- R7:コックピットの周囲に防弾板、キャノピーに防弾ガラスを装備した重装甲状態
- R8:R2とR7の両方を適用した状態
と記されていました。これに基づくと、「Fw190A-8/R2」は武装のみを強化した機体のように思えます。ところが、カラー塗装図などには上記リストの「R8仕様」の武装と装甲を強化した機体が「Fw190A-8/R2」として掲載されていました。
次に、「オスプレイ軍用機シリーズ」のカラー塗装図にも、「R8仕様」の武装と装甲を強化した機体が掲載されていました。
なのですが、「ドイツ空軍強襲飛行隊」で「Fw190A-8/R2」として掲載されている機体が、「西部戦線のフォッケウルフFw190エース」では「Fw190A-8/R8」と記載されていました。結局、どちらの名称が正しいのかはよく分かりませんでしたが、強力な攻撃力と重装甲から「シュツルムボック」と呼ばれていたことが分かりました。
「シュツルムボック」が装備する30㎜機関砲の破壊力は絶大で、アメリカ軍の4発重爆撃機B-17も3発の砲弾で撃墜できたようです。そのため、「シュツルムボック」は圧倒的な物量で押し寄せる連合軍の重爆撃隊を相手に死闘を繰り広げました。
上記の2冊、特に「ドイツ空軍強襲飛行隊」では、「シュツルムボック」の活躍が詳しく紹介されており、また、機首の13㎜機銃とキャノピーの防弾ガラスが取り外された経緯なども記載れています。キット製作の参考として、非常に興味深かったです。
タミヤ 1/48 のFw190A-8/R2
このキットは、「Fw190A-8」または「Fw190A-8/R2」のどちらかを選択して製作出来ます。このうち、「Fw190A-8/R2」については、キャノピーの防弾板の有無やプロペラの種類などの違いも再現されています。
キットでは、標準型の「A-8」と武装強化型の「A-8/R2」に対応するため、2種類の武装の部品が用意されています。
機首の13㎜機銃は外されていた機体も多かったようで、13㎜機銃あり、13㎜機銃なし、13㎜機銃を取り外してカバーを付けた状態の3種類を選ぶことが出来ます。(13㎜機銃なしの状態は、機銃を切り取ることで再現します。)
次にR7仕様(重装甲状態)の防弾装備です。まずコックピットの周囲の装甲板は「モールディングステッカー」というシール状の部品が用意されていて、はさみで切り出して貼り付けることで再現します。
完成すると、あまりよく分からなくなってしまうのですが、「装甲が強化されている」ということを実感できるポイントだと思いました。
もう一つのR7仕様の装備である防弾ガラスとしては、クリアパーツが用意されています。
キャノピー用には、マスキングシートが用意されています。もともと窓枠が少ない機体ですが、マスキングシートも用意されていることで、窓枠の塗り分けもやりやすいような配慮が感じられました。
プロペラは標準タイプと幅広タイプの両方が用意されています。キットの塗装例以外の機体を製作するときにも役立ちそうです。
製作時のポイント
このキットを、箱絵に描かれている「第3戦闘航空団第Ⅳ飛行隊第11中隊 ヴィリィ マクシモヴィッツ伍長 乗機」として製作しました。
「Fw190」を製作するときの注意点は、主翼の付け根に継ぎ目が出来てしまうことです。これは以前トライマスターの「Fw190夜間戦闘機」など、他のメーカーの「Fw190」を製作した時も同様でした。
パテなどを用いて、なるべく継ぎ目が目立たなくなるように処理しました。周辺の彫刻が消えてしまわないように、慎重に作業を行いました。
主翼に装備されている機関砲の砲身は真鍮パイプに交換しました。
機首の13㎜機銃は、組み立て説明書の指示に従って切り取りました。そして、切り口を薄く削って機銃が取り除かれた状態を再現してみました。
ピトー管はファインモールドのディテールアップパーツに、胴体下のアンテナは真鍮線に交換しました。
また、主翼下面のモラーネアンテナはファインモールドのエッチングパーツに交換しました。
そして、操縦席にはシートベルトを追加。和巧の「紙創り」を使用しました。
コックピットと垂直尾翼の間に張られた空中線は、伸ばしランナーで再現しました。
塗装について
機体色は以下を選択しました。
- 機体上面グリーン:RLM83ダークグリーン
- 機体上面グレー:RLM75グレイバイオレット
- 機体下面ライトブルー:RLM76ライトブルー
使用した塗料はクレオスのMr.カラーです。
組み立て説明書の指定では、機体上面グリーンとしてRLM83ダークグリーンとRLM70ブラックグリーンを3:2で混ぜて塗るように指定されていましたが、色を混ぜずにRLM83を塗ってしまいました。
スピンナーの色は説明書の指定に従って「黒字に黄色」としました。
なのですが、書籍のカラー塗装図では異なる色で描かれていました。「世界の傑作機」および「オスプレイ軍用機シリーズ」では「赤地に黄色」でした。
一方、「PLANES and PILOTS」では、「ブラックグリーン+黄色」で描かれていました。
「赤+黄色」や「ブラックグリーン+黄色」としてもよいかもしれません。
このタミヤのキットには5種類の機体のデカールが付属しています。また、比較的安価で、組み立てやすく、オプション部品も多いので、いずれまた別の仕様で作ってみたいと思いました。
その他のFw-190
参考までに、これまで掲載してきたFw-190の記事へのリンクをまとめておきます。(新しいタブで開きます。)
Fw190F-9 襲撃機型(タミヤ1/48フォッケウルフ爆弾搭載セット)
Fw190G-3 長距離戦闘爆撃機型(ドラゴン1/48フォッケウルフFw190G-3長距離戦闘爆撃機)
Fw190A-8 夜間戦闘機型(トライマスター 1/48 フォッケウルフFw190A-8夜間戦闘機)
これだけ見ても、「戦闘爆撃機」、「夜間戦闘機」と、様々な任務に活用されたことが分かります。なまじ能力があるために、いろんな仕事が全部回ってくる器用貧乏な会社員のようですね。
ご覧いただきありがとうございました。タミヤ「Fw190A-8/R2」でした。
おまけ:子猫の大福さん(3) 目が、目がぁ
おぉ、赤トマト君!ちょうどいい。ちょっと大福さんを捕まえていてくれないか?
今度はどうしたのですか?
右目に目薬をささないといけないのだ。
では、大福さ~ん、捕まえますよー
ウニャウニャ・・・(カプリ)
・・・いてて、噛まれた!
よし、そのまま、そのまま・・・目薬を・・・・できた!
ふぅ、大変でしたね。右目に何かあったのですか?
どうも右目だけ瞬きしていたのだ。涙も出ていたし、様子がおかしかったので病院で診てもらったのだ。すると、怪我をしているということが分かったのだ。
おぉ、かわいそうに。で、目薬を処方してもらってきたのですね。
ウム。ネコが片目だけ瞬きしたりしている場合は、怪我をしていることが多いらしいのだ。でも、目薬で怪我も治ってきたようだョ。
猫ちゃんが片目だけ瞬きしていたら、病院で診てもらうのがよさそうですね。では、またね!
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