タカラの「コンバットビークルセット」を製作しました。

3箱を開封し、多数の車両と兵士が完成。情景マット、背景シートと組み合わせて撮影も行いました。

以下で説明します。
タカラ 1/72 「コンバットビークルセット」
キット内容

このキットは「太陽の牙 ダグラム」に登場する3種類の車両と連邦軍兵士5体のセットです。

兵員輸送車「ブロムリー ST-48D」、軍用トラック「ウィリス HT-38D ハーフローダー」および軍用ジープ「ウィリス OR-39D ランドマスター」の3両の車両と兵士5体が入っています。
Aランナーには兵員輸送車の車体とシート、Bランナーには軍用トラックのパーツが配置されています。

Cランナーには兵員輸送車および軍用トラックのタイヤなどのパーツが、Dランナーには軍用ジープと連邦軍兵士などのパーツが配置されています。

デカールは地球連邦軍とデロイア解放軍の2種類が用意されていました。また車体番号やステンシルなども入っていました。

可動部分がほとんどないキットなので、製作も容易とタカをくくっていました。しかし、実際に製作してみるとあれこれ問題が多く、予想以上に難易度が高かったです。

とはいえ、兵員輸送車はもとより、軍用トラック、軍用ジープも「太陽の牙 ダグラム」の設定画の車両が再現されており、貴重なキットと言えるでしょう。
3箱開封して製作しました。
軍用トラック「ウィリス HT-38D ハーフローダー」
軍用トラックはデカールのアレンジを変えて3台製作しました。

サイドミラーのステーを真鍮線に交換。ヘッドライトはくり抜いてクリアパーツをはめ込みました。

そして、3台のうち2台には付属の兵士を改造してドライバーとして搭乗させました。

荷台の幌は取り外すことが出来ます。

ところでこの軍用トラック、パーツの状態では車体が左右に分割されていて不安になりました。しかし実際に製作を行っていると、3種類の中では一番組み立てやすい車両でした。

荷台が短くてチョロQのようなフォルムですが、設定画の雰囲気をよく再現しており、まさに「ダグラム」に登場したトラックそのものです。

1/72のCBアーマーと並べるのにうってつけと言えるでしょう。

兵員輸送車「ブロムリー ST-48D」
兵員輸送車はブルーグレーのものを2台、グリーンのものを1台製作しました。

ブルーグレーのものは「太陽の牙 ダグラム」第5話に登場した2台をイメージして製作しました。

また、グリーンのものは第2話のラストで一瞬だけ登場した車両をイメージしました。

ヘッドライトをクリアパーツに交換したり、サイドミラーのステーを真鍮線で作り直したりと細部に手を加えました。
ちなみにこの車両は、本来はサイドミラーが左右についているのですが、キットではなぜか片側のみにしかついていませんでした。

グリーンのものでは追加しませんでしたが、ブルーグレーのものには両側に取り付けました。

さらにブルーグレーのものには、アンテナをスプリングっぽく作り直すなど、細部に手を加えました。

車体後部のハッチは開閉が可能です。

地味ながらも、3台の中では一番「ダグラム」っぽいフォルムの1台だと思います。

軍用ジープ「ウィリス OR-39D ランドマスター」
軍用ジープは「対アーマーライフル」を搭載したものを1台製作しました。

このキットに入っている3台のうちで一番小さい車両ですが、製作には一番手間がかかりました。

フロントグリルをプラバンで作り直したり、ウィンドウシールドのクリアパーツを自作したり・・・

「対アーマーライフル」を別のキットのものに交換したり、車体後部にアンテナとテールライトを追加したり、と、各部に手を加えました。

ウィンドウシールドは可動式で、完成後も倒すことが出来ます。

また、「対アーマーライフル」とバッテリーをつなぐケーブルを糸で再現したので、完成後も「対アーマーライフル」を動かすことが出来ます。


車体後面に搭載されているジェリカンは形状が簡略化されているわけではなく、設定画が再現されています。ですので、キットのパーツをそのまま使用しました。

一件、ただのジープに「対アーマーライフル」を載せただけに見えますが、キットは設定画の「軍用ジープ」を再現しています。

「対アーマーライフル」を搭載しないタイプは「太陽の牙 ダグラム」本編でも登場する機会が多く、そういう意味でも「ダグラム」らしい1台ですね。
軍用ジープのパーツはまだ2台分残っています。いずれ製作したいと思います。
連邦軍兵士
このキットには5体の兵士が付属しています。

兵士A | 座ったポーズ |
兵士B | リラックスしたポーズ |
兵士C | 銃を掲げて歩くポーズ |
兵士D | 直立で銃を構えたポーズ |
兵士E | うつ伏せで銃を構えたポーズ |
このうち、兵士Aを1体、Bを2体、CおよびDをそれぞれ3体、Eを1体製作しました。
兵士Aは座ったポーズですが、キットのままではどの車両にも収まりませんでした。そこで、パックパックを切り離すなどの加工を施して軍用トラックの運転席に乗せました。

兵士Bは1体をそのまま製作し、もう1体は改造して軍用トラックの運転席に乗せました。

兵士C、D、Eはキットのままストレートに製作しました。

製作はとても大変でした・・・。
キット内容の紹介でも述べましたが、思った以上に手間がかかるキットでした。実際に製作を行ってみて判明した問題点をまとめておきます。
軍用トラック「ウィリス HT-38D ハーフローダー」
インパネ、テールライト、窓ガラスが省略されている。
軍用トラックのインパネは用意されていませんでした。そこで、「スキャンカットSDX-1200」で0.1㎜プラバンからインパネのパーツを切り出しました。


塗装を行い、車内に接着しました。

テールライトも省略されているので、0.1㎜プラバンから切り出したものを接着して再現しました。

運転席前面の窓には、塩ビ板から切り出した窓ガラスのパーツを窓枠に取り付けました。

また、運転席後面の窓にも同様に塩ビ板から切り出した窓ガラスを取り付けました。

マフラーがエンジンにつながっていない。
キットのマフラーは後輪のドライブシャフトまでしか伸びていません。

そこで、1㎜プラボウを足してエンジンまで延長しました。

荷台下部に段差が出来る。
車体後端のパーツを接着すると、側面のラインから後面が下にはみ出してしまいます。

車体側面下部にプラバンを接着した後、やすりで削って修正しました。

ヘッドライトのガードが下にずれている。
ヘッドライトのガードはバンパーと一体で成形されています。

これをシャシーの先端に接着するのですが・・・

普通に接着すると、ヘッドライトに対してライトガードがかなり低い位置に配置されてしまいます。

取り付け部分を加工して、ライトガードの位置が正しくなるような位置にバンパーを接着しました。

兵員輸送車「ブロムリー ST-48D」
車体がゆがんでいる。
兵員輸送車の最大の問題点は車体のパーツがゆがんでしまっていることです。

パーツが割れないように気を付けながら、ひたすら指で曲げることで対処しました。

車体上下のつなぎ目に段差が出来る。
兵員輸送車の車体には、上下の継ぎ目部分に若干の段差が出来てしまいます。

この段差を均す為、車体下部に0.2㎜プラバンを貼りました。

大きめに切り出したプラバンを貼り付けた後、余分を切り取り、やすりで削って形を整えました。
軍用ジープ「ウィリス OR-39D ランドマスター」
インパネ、テールライト、窓ガラスなどが省略されている。
軍用トラックと同様に軍用ジープでもインパネは用意されていません。

そこで、「スキャンカットSDX-1200」で0.1㎜プラバンからインパネのパーツを切り出し、車体前部上面に接着しました。

軍用ジープはオープントップで完成後もよく見えるので、メーターの針を面相筆で塗っておきました。

テールライトも軍用トラックと同様に0.1㎜プラバンで再現。運転席の床にはプラ材の細切りでペダルを、車体左後端には1㎜カクボウでアンテナ基部を追加しました。

さらに窓ガラスを塩ビ板から切り出し、フロントウィンドウの枠に接着しました。

ウィンドウシールドが垂直になってしまう。
キットをストレートに組み立てると、ウィンドウシールドが垂直になってしまいます。

これに対処するため、ウィンドウシールド取り付け部を針やすりで削り込み、可動軸を上部に移動させることで少し後ろに傾くようにしました。

ところが、こうするとウィンドウシールドが車体上部に引っかからなくなってしまい、後ろに倒れてしまいました。

そこでウィンドウシールドの可動軸をプラボウでつなぎ、ストッパーを取り付けることで倒れないようにしました。

フロントグリルの高さが足りない。
フロントグリルのパーツは高さが足りず、車体に取り付けると上部に大きな隙間が出来てしまいます。

そこで、スキャンカットを用いてプラバンからフロントグリルを切り出しました。

0.1㎜プラバンから複数のパーツとして切り出し、貼り合わせることでディテールを再現しました。

スリットを5本に変更することで、劇中に登場したジープのイメージに近づけました。

「対アーマーライフル」が大きすぎる。
キットは「対アーマーライフル」を搭載するタイプを再現していますが、搭載される「対アーマーライフル」が明らかに大きすぎて、著しくバランスを損ねています。

そのため、「対アーマーライフル」を搭載しないタイプに改造するか、別のキットから「対アーマーライフル」を持ってくるのが良いと思います。
今回の製作では、マックスファクトリー1/72「太陽の牙セット」に入っている「対アーマーライフル」を使用しました。

「対アーマーライフル」が全体的に小ぶりになり、バランスが良くなったのではないかと思います。

連邦軍兵士
着座姿勢の兵士Aを車両に座らせられない。
このキットには5種類のポーズの連邦軍兵士が付属しています。

そのうち1体(兵士A)は座ったポーズで、ドライバーとして使えそうです。
そこで、軍用ジープの座席に座らせようとしてみたのですが、完全にはみ出してしまいました。

次に軍用トラックに座らせてみました。かなりおさまりが悪いですが、軍用ジープの時よりはましです。

この兵士のバックパックを切り離し、足の裏や左足のつま先を削り込むことで、軍用トラックの運転席に納めることが出来ました。

着座姿勢の兵士が1体しか付属していない。
このキットに付属する軍用ジープと軍用トラックは外側から運転席が見えます。しかし、着座姿勢の兵士は1体しか用意されていません。

そこで、ポーズを変更するため、兵士Bを切り刻みました。

そして着座姿勢に組み立てなおし、軍用トラックの運転席に座らせました。

色々な方法でチッピングを試した。
タミヤのチッピング液とリキテックスの水性アクリル絵の具の組み合わせ
グリーンの兵員輸送車はタミヤの「チッピング液」とリキテックスの水性アクリル絵の具の組み合わせで塗装、チッピングを行いました。

下地にはクレオスMr.カラーのクレオスMr.カラーC60「RLM02グレー」にC189「フラットベースなめらか・スムース」を加えたものを塗りました。

そしてタミヤの「チッピング液」を2回筆塗した後、タミヤ水性アクリル塗料XF-86「フラットクリアー」を塗りました。
「チッピング液」を塗った後、タミヤの水性アクリル塗料を塗ることで、リキテックスの水性アクリル絵の具で塗ることが出来るようになります。
リキテックスの「クロミウム オキサイド グリーン」と「アイボリー ブラック」を混ぜて車体色を作り筆塗しました。これらを配分を変えて混ぜながら、まだらになるように塗り重ねました。

十分乾燥させてからデカールを貼り、塗装面を筆で湿らせて爪楊枝でひっかいて、チッピングを行いました。

車体色をなるべく薄く塗ったほうがチッピングを行いやすいです。
タミヤのチッピング液と水性アクリル塗料の組み合わせ
ブルーグレーの兵員輸送車のうち1台はタミヤの「チッピング液」と水性アクリル塗料の組み合わせで塗装、チッピングを行いました。

車体色がブルーグレーなので、下地にはクレオスMr.カラーC73「エアクラフトグレー」を選びました。C189「フラットベースなめらか・スムース」を加えて塗りました。

そしてタミヤの「チッピング液」を筆で2回塗り重ねました。
「チッピング液」を十分乾かした後、車体色としてタミヤ水性アクリル塗料XF-86「フラットクリアー」を塗りました。デカールを貼り、タミヤの「スミ入れ塗料(ブラック)」でウェザリングを実施。

グリーンのものと同様に塗装面を筆で湿らせ、爪楊枝でチッピングを行いました。

チッピングを行う際の感触は車体色としてリキテックスを塗った場合と全く同じでした。また、「スミ入れ塗料」はエナメル塗料の溶剤で希釈して使用しましたが、チッピング液には影響を与えないようでした。
クレオスのシリコンバリアとMr.カラー(ラッカー系)の組み合わせ
もう1台はクレオス「シリコンバリア―」とMr.カラー(ラッカー系)の組み合わせで塗装、チッピングを行いました。

この車両もクレオスMr.カラーC73「エアクラフトグレー」にC189「フラットベースなめらか・スムース」を加えて塗りました。そしてエアブラシでクレオスの「シリコンバリア―」を塗りました。

「シリコンバリア―」を使用する場合は「フラットベース」は不要ですが、ブルーグレーのものを2台同時に下塗りした関係で「フラットベース」も加えました。
次に、車体色としてMr.カラーC72「ミディアムブルー」を塗り、クレオスのウェザリングカラーWC01「マルチブラック」とWC06「マルチグレー」を塗り重ねてウェザリングを実施。

綿棒や爪楊枝を使用してチッピングを行いました。

綿棒でこすると塗料がはがれてくるので、ウェザリング塗料をふき取るときは注意が必要でした。
チッピングについては以下もご覧ください。
コンバットビークルセットのチッピングのまとめ(新しいタブで開きます。)
製作過程など(リンク)

「コンバットビークルセット」の製作過程については、以下をご覧ください。(新しいタブで開きます。)
【プラモ】タカラ 1/72 「コンバットビークルセット」の製作(1)製作開始、思ったより手間がかかるぞ。
【プラモ】タカラ 1/72 「コンバットビークルセット」の製作(2)スキャンカットでパーツを切り出しつつ軍用ジープを作り込んだ。
【プラモ】タカラ 1/72 「コンバットビークルセット」の製作(3)兵員輸送車、軍用トラックの製作を進めた。
【プラモ】タカラ 1/72 「コンバットビークルセット」の製作(4)車両2台が完成。もう1台は・・・
【プラモ】タカラ 1/72 「コンバットビークルセット」の製作(5)軍用ジープを修正、連邦軍兵士5体のうち4体を製作
【プラモ】タカラ 1/72 「コンバットビークルセット」の製作(6)連邦軍兵士を軍用トラックに座らせた。
【プラモ】タカラ 1/72 「コンバットビークルセット」の製作(7)連邦軍兵士を乗せた軍用トラックが完成。
【プラモ】タカラ 1/72 「コンバットビークルセット」の製作(8)ブルーグレーの兵員輸送車を製作、2種類の方法でチッピングを試した。
また、このキットに含まれる兵員輸送車などが搭乗するアニメ「太陽の牙 ダグラム」については、以下をご覧ください。(新しいタブで開きます。)
【アニメ】「太陽の牙 ダグラム」を見てプラモを作りたくなった:第2話「始まりの銃声」
【アニメ】「太陽の牙 ダグラム」を見てプラモを作りたくなった:第3話「デロイアの動乱」
【アニメ】「太陽の牙 ダグラム」を見てプラモを作りたくなった:第5話「戦時特例法205号」
ご覧いただき、ありがとうございました。タカラ 1/72「コンバットビークルセット」でした。
おまけ:猫の大福さん(40) 歯ブラシで毛づくろい
あれ、使い古しの歯ブラシなんか持ってきて、どうするんですか?
実は猫ちゃんの毛づくろいには歯ブラシが良いらしいぞ。
へぇ、そうなんですか!
歯ブラシで猫ちゃんを撫でると、舌でなめられているのと同じように感じるらしいのだ。
でもその歯ブラシ、汚くないですか?
もちろんさ。ちゃんと洗ったのだ。さぁ大福さん。毛づくろいですよ。

匂いを嗅いでますよ・・・大丈夫なんですか?
きっと大丈夫だ。撫でてみるのだ。

あれ、寝転がって背伸びしましたよ。

そうだろう、そうだろう。ほらほら、頭マッサージですよ~。

ゴロゴロいってますよ!心地よさそうですねぇ。
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