【プラモデル】ピットロードの「占守型海防艦」

艦船のプラモデル

本ブログで製作過程を紹介してきたピットロード1/700「占守型海防艦」が完成しました。

一箱に2隻入っているピットロードのキットを2箱用意して4隻製作。

当初はネームシップの「占守」も製作するつもりでしたが、調査不足で「占守」としては完成させられませんでした。

占守型海防艦

「占守型海防艦」とは?

戦前の日本海軍では、沿岸や領海の警備のために旧式化した艦船を「海防艦」として用いていました。

ところが、大正6年にソビエト連邦が成立すると、艦艇を派遣して北洋で漁を行う日本の漁船団を脅かし始めたのです。これにより新たな「海防艦」を整備する必要が高まりました。

そして建造されたのが「占守型海防艦」です。

「占守型海防艦」は「占守」、「国後」、「八丈」、「石垣」の4隻が建造されました。

水線長76.2m、排水量860トンの船体は「峯風型駆逐艦」などと比べても小型でしたが、海洋権益保護のため外交的な任務も担うことが想定されたため、艦首に菊の御紋章が取り付けられていました。

(「駆逐艦」は数隻単位の「駆逐隊」として扱われ、軍艦に分類されません。そのため、軍艦に装備される菊の御紋章も取り付けられていません。)

やがて日米が開戦すると、「占守型海防艦」は兵員や物資の輸送を担う船団の護衛を担うようになり、電探、対空対潜兵装が強化されていきました。

そして菊の御紋章も取り外されました。

構造が複雑な「占守型海防艦」は量産に適さず、構造の簡略化や船団護衛に適した装備への改正などが繰り返されました。そして各型の海防艦を経て「丙型海防艦」や「丁型海防艦」に発展していきました。

「丙型海防艦」

「丁型海防艦」

4隻建造された「占守型海防艦」のうち、「国後」、「八丈」および「石垣」を製作しました。これらのうち「国後」は2つの時期の姿で製作しました。

以下、それぞれについて説明します。

「占守型海防艦石垣」就役時

「石垣」は「占守型海防艦」の4番艦として建造されました。そして、昭和19年(1944年)5月にアメリカ海軍の潜水艦により撃沈されました。

今回は就役時の状態で製作しました。

就役時を再現するため、艦首に菊花御紋章を取り付けました。また、舷外消磁電路は取り付けられていない状態としました。

機銃は艦橋横の25㎜連装機銃2基のみ、電探も装備していません。

占守型海防艦は昭和19年に電探の装備、武装の増強を行っていますが、「石垣」が改修工事を受けたかどうかは分かりませんでした。

「占守型海防艦 国後」キスカ撤収作戦時

「国後」は占守型海防艦の2番艦として建造されました。

「国後」は2種類の状態で製作しました。まずは、キスカ撤収作戦時の「国後」です。

キスカ撤収作戦は昭和18年(1943年)6月から7月にかけて実施されました。

この時期はまだ電探、武装等の強化を行う前でした。開戦時の状態から大きな変化はないと考え、艦首の菊花御紋章を取り外した状態とし、船体に舷外消磁電路を取り付けました。

艦橋両舷に機銃座を設けて25㎜連装機銃を装備しています。主砲は45口径12㎝砲3門、艦尾には爆雷投射機1基と爆雷投下台を装備していました。

「占守型海防艦 国後」昭和19年時

もう一隻の「国後」は昭和19年(1944年)の状態で製作しました。

電探装備、武装強化の改修が施された姿です。

前部マストを改修して22号電探が、後部マストには13号電探が装備されました。艦橋前には8㎝迫撃砲が装備されました。

また、第1砲塔後ろと上部構造物後部両舷に機銃座が取り付けられ、25㎜三連装機銃が増備されました。艦橋両舷の25㎜連装機銃は3連装機銃に換装されました。

「国後」は終戦まで無事に生き残り、戦後は復員輸送に従事しました。

「占守型海防艦 八丈」昭和19年時

「八丈」は占守型海防艦の3番艦として建造されました。

今回は昭和19年(1944年)時の状態で製作しました。昭和19年の「国後」と同じく電探装備、武装強化の改修が施された姿です。

「八丈」は昭和20年(1945年)5月に爆撃で中破。終戦時は修理の途中でした。

他の3隻の「占守型海防艦」は炊事所煙突の先端部がH字型をしていますが、「八丈」では異なっており、筒状の形状をしていました。

ピットロードのキットに付属するパーでは、「八丈」のタイプが再現されています。

ピットロード1/700「日本海軍占守型海防艦 占守」

ピットロードの1/700海防艦のキットには、2隻分の部品が入っています。

船体などをまとめたランナー2枚と・・・

武装や艦載艇などの装備品をまとめたランナー1枚で構成されています。

船体などのパーツをまとめたランナーは異なるものが用意されています。1枚には昭和19年時に改装されたマストのパーツ、もう1枚には竣工時のマストと浮標のパーツが再現されています。

炊事室煙突は頂部が筒状のものが用意されていますが、これは「八丈」の特徴です。他の艦を製作する場合は「H字型」に置き換える必要があります。

占守型海防艦は小型の船ながら装備が多く、模型の制作においては、小型の駆逐艦を作るのと変わらない労力が必要でした。

ところで、「占守型海防艦」を作ろうと思ったのは、映画「太平洋奇跡の作戦キスカ」に登場する「国後」が印象的だったからです。

映画「太平洋奇跡の作戦キスカ」については以下をご覧ください。(新しいタブで開きます。)

製作のポイント

船体各部の製作

上部構造物

上部構造物の製作では、継ぎ目けしの際に側面のモールドを削り落として、成型後に復活させる、という方法を用いました。

また、マストの真鍮線化などのディテールアップを行いました。

リノリウム押え金具

製作においては、自分の中で課題であったリノリウム押さえ金具の表現方法について、4つの方法を試してみました。

現時点では、金色の色鉛筆で塗る方法が一番気に入っていますが、改良の余地ありといったところです。詳細は以下をご覧ください。(新しいタブで開きます。)

参考資料

今回の製作では、以下の資料を参考にしました。

  • モデルアート増刊「帝国海軍 潜水艦 小型補助艦艇 総ざらい」
  • モデルアート別冊「艦船模型スペシャルNo.45」,「艦船模型スペシャルNo.27」

製作過程など(リンク)

「海防艦 国後」など4隻の製作過程については、以下をご参照ください。(新しいタブで開きます。)

映画「太平洋奇跡の作戦キスカ」をみて「国後」を作りたくなり、「国後」が属する「占守型海防艦」を4隻製作しました。

ただし、製作開始時の調査不足が原因で、ネームシップの「占守」として完成させることができませんでした。いずれ「占守」も作ってみたいと思います。

また、準同型艦の「択捉型海防艦」も製作しました。

「択捉型海防艦」については、以下をご覧ください。(新しいタブで開きます。)

ご覧いただき、ありがとうございました。ピットロードの占守型海防艦でした。

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